【緊急追記2】(3月30日) 10年前に紅麹の副作用について国も小林製薬も把握していた。
ちょうど10年前の2014年3月、内閣府に設置されている「食品安全委員会」は、「紅麹を由来とするサプリメントに注意(欧州で注意喚起)」と題する警告を行っていた。「食品安全委員会」が厚労省ではなく、なぜ内閣府に設置されたのかは疑問だが(ひょっとしたら、厚労省は製薬会社やサプリメント会社とのなれ合い体質に内閣府が不安を抱いたためかもしれない)、間違いなく内閣府のホームページで確認できたので、その警告文を張り付ける。
「血中のコレステロール値を正常に保つ」としてヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されています。EUは、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされています。
なお、この情報は厚労省の紅麹問題窓口とNHKには今日伝えた。小林製薬が、この「注意喚起」を知らなかったとは考えにくく、また厚労省も知らなかったでは済まされない。縦割り行政の弊害がもろに現れたと言えるかもしれないが、どう考えても不自然なことがある。小林製薬が保健所や厚労省にも報告せずに、いきなり記者会見を開いてサプリメントの回収を公表したのが3月22日。その時点では、これほどの騒ぎになるとは私も思っていなかったが、それからわずか1週間のうちに紅麹に由来すると想定される死亡者がバタバタと5人も出た。そんなことが常識的に考えられるか。
いずれにせよ、小林製薬に対するペナルティは相当重くなると思う。
* なお昨4月2日、内閣府の食品安全委員会に直接電話をして確認した。その結果、紅麹について注意喚起を行ったのは事実だが、今回の騒動とは直接の因果関係はないと考えているとのことだった。
すでにメディアでは報道されているが、「機能性表示食品」が氾濫するようになったのは故・安倍元総理の成長戦略の一環として規制緩和を行い、それまでは消費者庁(内閣府の外庁)の審査が必要だったのを、メーカーが独自の実験や研究データの提出をするだけで「機能性表示食品」をうたってもいいことにしたことにあるようだ。その結果、テレビやネットでのサプリメントなど健康食品の広告が氾濫するようになり、いまやブーム的状況を呈している。食品安全委員会も、そうした事態を憂慮しているとのことだ。(3日)
【追記1】これまでは掲載中のブログ記事に関する新しい情報なり主張をブログの末尾に書いてきたが、これからはいま掲載中のブログ記事とは関係なく、本来ならブログ記事を更新すべきことを記事の冒頭に【追記】として重ね書きすることにした。今回の【追記】は、史上最高値を記録した日経平均は日本経済の回復の象徴か、また日銀・植田総裁の「日本経済はデフレを脱却してインフレ時代に入った」という評価が何を意味してのコメントなのかを明らかにしたい。
まず1980年代後半のバブル景気とは何だったのかの検証を簡単にしておきたい。実は戦後の焼け野原から日本経済が「奇跡」といわれた経済回復を遂げたきっかけは朝鮮戦争による特需だった。日本経済の復興に伴い、賃金も急上昇し外需(輸出増)と内需(国内消費増)のダブル需要の増加によって日本経済は奇跡的な回復を成し遂げた。
その日本経済を襲った事件が2つある。最初は1973年10月17日に発生した第1次石油ショックである。日本の戦後の経済政策は一貫して輸出重視だった。海外から安い原材料などを輸入し、それを高度な加工技術で高品質製品を作りアメリカをはじめとする先進国に輸出するというのが日本の経済政策の基本だった。が、石油ショックによって安い原材料の輸入が不可能になった(現在と同じ状況)。当然、国際輸出競争力は低下する。
が、日本経済にとってはこの石油ショックが結果的に神風になった(こういう認識をしている経済学者は皆無である。私だけが1980年代後半に主張し始めた)。アメリカは世界最大級のエネルギー産出国であり、ヨーロッパ諸国もイギリスの北海油田やロシアからの輸入で日本ほどの打撃を受けなかったからだ。
スポーツの世界ではよく「ピンチはチャンス」といわれるが、日本産業界は石油ショックを台風から神風に変えることに成功した。通産省(当時)が音頭をとって日本産業界は一斉に「軽薄短小」「省エネ省力」を合言葉に技術革新に乗り出した。そのための技術革新のキーになったのが半導体技術である。実は半導体の製造には絶対に欠かせない要素がある。それは半導体製造の様々な工程で必要となる洗浄のための純水を大量に安価で作れるかが大きなカギを握っている。アメリカの東海岸やヨーロッパで半導体が製造できないのはこれらの地域の地下水が軟水ではなく硬水だから。オーストラリアも硬水である。日本はほぼ全国の地下水が軟水であり、純水を大量に安価で作れた。その結果、日本は世界1の半導体大国になり、その半導体を組み込んだ「省エネ省力」の自動車や家電製品が世界を席巻することになった。
この日本産業界の輸出攻勢に悲鳴を上げたのがアメリカ。1976年、日本からのテレビ・自動車・鉄鋼などの対米輸出が集中豪雨的に増大し、アメリカの対米貿易赤字だけでアメリカの貿易収支赤字の大半を占めるという異常事態が生じたのである。
私はことさらにアメリカを敵視しているわけではないが、アメリカは実に身勝手なこともしばしばする。この時も石油ショックに有効な手段をとらず、ソ連つぶしのためのレーガノミクスによる結果だったのだが、いわれのないジャパン・バッシングをアメリカ挙げて始めた。確かにレーガンの対ソ軍事政策によってソ連は崩壊するのだが、そのため自動車や家電製品などの民需産業は国際競争力を喪失していったのだが、アメリカの身勝手さはいまも「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプへの支持が高いことにも象徴されている。
米民需産業の停滞を何とかしようとしたのが1985年9月のプラザ会議である。これが戦後の日本経済を襲った2番目の危機だった。具体的にはアベノミクスが見習った為替政策をレーガン政権が発動したのだ。当時ドル・円相場は240円台だった。レーガンは安倍晋三と同様、ドル安によって国内産業の輸出競争力を回復しようとしたのだ。で、ニューヨークの名門ホテル、プラザホテルに日・米・独・英・仏5か国の蔵相、中央銀行総裁を招集し、ドル安のための国際協調介入を要請したのだ。実際にはドル安誘導の標的は日本とドイツの2か国だったが、英・仏を巻き込むことによって日・独の反発を防いだのだ。
その結果、2年後の87年にはドル・円相場は240円台から120円台へとわずか2年で一気に円は2倍も高くなったのである。日本の輸出産業界はなぜこの時期を乗り切れたのか。
実は自動車や家電メーカーなどはドル建て輸出価格をほとんど上げなかった。国内需要がまだ活発だったから、円高による輸出価格の高騰分を国内販売価格に転嫁して生き延びるという選択をしたのだ。その結果、輸出先の海外から日本製品を逆輸入して日本国内で安く販売する「並行輸入業者」が乱立するほどだった。
こうしてバブル景気の下地が作られた。かつてのバブルと今の株価上昇との基本的相違についてメディアは論理的に検証すべきである。(2月25日)
このシリーズも最終回を迎える。NHKが私に降参するか、それとも私を告訴して司法の判断を仰ぐことにするか。
数年前、私はNHK党の立花党首と話をしたことがある(コロナ騒動の直前だったと記憶している)。立花氏の考えはこうだ。
「NHKの放送を見ない人、見たくない人の権利を守るためNHK放送のスクランブル化を求める」
立花氏からこう聞かれた。「小林さんはNHKの放送を見ているのか」と。
「ニュースなどの報道番組や日曜討論、クロ現、Nスぺ、ドキュメント番組などはしばしば見ている」
立花氏は「だったら受信料は支払うべきだ」と主張した。
私はこう反論した。
「法律(放送法64条)で定められているから契約はしているが、NHKの受信料制度は憲法に違反しているから、私が受信料を支払うことは憲法違反行為を認め、かつ違憲行為に加担することを意味するから受信料の支払いは拒否している」
「どういうこと?」
私が説明すると立花氏も「そういう考え方は初めて知った。面白い」と言った。NHKの「ふれあいセンター」は番組の視聴者窓口と受信料支払窓口の二つがある(電話番号は異なる)。NHKからはほぼ毎月,請求書が届くが、「ふれあいセンター」受信料支払窓口の責任者(スーパーバイザー)に電話をして支払い拒否の理由を言うと「勉強になりました」と納得してしまう。最高責任者から放送センター(東京・渋谷)の受信料担当部門の電話番号を教えてもらって電話したこともある。「この電話番号、どうしてお知りになったのか」と聞かれたので「ふれあいセンター」の責任者が「ご意見は私どもではどうにもならないので本部に直接言ってほしい」と電話番号を教えてくれた経緯を話した。私が支払い拒否の理由を話すと「うーん。初めてそういう考えを知りました。内部で共有して検討させていただきます」とのことだったが、その後も変化は全くない。
実は前会長の前田時代に、NHKの改革について視聴者から意見募集をしたことがある(現会長も行っているが)。その時、受信料制度の改正を求めたが(ほかにもエンターテイメント番組が多すぎるといったクレームも書いた)、NHKは受信料制度を改正するつもりは全くないようだ。なぜか、理由がわからない。
なお現在、NHKの受信料を支払っていない人、あるいは支払いたくはないけど、支払う義務があると思い込んで支払っている人にとっては、このブログは「バイブル」になるかもしれない。何らかの方法で保存しておかれることをお勧めする。
●NHKの看板番組『NHKスペシャル』スタート時の前宣に出ながら…
昨年12月、毎度おなじみの「重要なお知らせ」がNHKから送られてきた。
「お客様の放送受信料につきましては、これまでも払い込み用紙をお送りしておりますが、下記期間のお支払いの確認がとれておりません。つきましては、同封の払込用紙にて、至急お支払いください」
放送内容に対する視聴者窓口の「ふれあいセンター」は川崎市武蔵小杉の1か所だけだが(なぜ東京・渋谷の放送センター内に設置しないのかは不明)、受信料支払窓口の「ふれあいセンターは全国各地に設けられている。
私が責任者に、それでも受信料を支払えというなら、私を告訴してくれ、と申し入れたが、「できません」という。
はっきり言う。このブログはNHK受信料制度改正の要求であり、かつNHKに対する挑戦状でもある。私が放送内容についての意見の電話をするのはNHKが最も多く、意見を述べる番組は『ニュース7』『ニュースウォッチ9』『日曜討論』『クロ現ダブルマイナス』(『クローズアップ現代プラス』の時は「クロ現マイナス」と言っていた)『映像の世紀』などがほとんどだ。『映像の世紀』は稀に見るいいドキュメント番組だと思っている。
NHKの次にテレビ局に電話するケースが多いのはテレビ朝日の『羽鳥モーニングショー』『大下容子のワイドショー』、TBSの『報道特集』、読売テレビ(首都圏では系列の日本テレビが放映)の『ミヤネ屋』などである。テレビ視聴時間が最も多いのはテレビ朝日だと思う。
実は私はNHKの看板番組『NHKスペシャル』がスタートするときの前宣
を頼まれたことがある。通常、新番組の前宣は番組の出演者か主要な関係者が行うが、『Nスぺ』の時はなぜか番組に一切関与する予定すらない私に前宣の依頼があった。
別に拒否するほどの理由があるわけでもないので心よく引き受けたが、NHKのスタジオで収録するのかと思っていたら、我が家の自宅で収録したいという。びっくりしたのは仰々しく中継車まで来て、近所の人たちが何事が起きたのかと興味深そうに集まってきた。私のほうは、部屋の中での収録と思っていたので仕事場の書斎や応接間を小ぎれいにして待っていたのだが、家の中ではなく庭で収録したいという。
プロジューサーだったかディレクターだったかは覚えていないが、要するに新番組の『Nスぺ』に対する視聴者からの期待をしゃべってもらいたかったようで、打ち合わせは応接間で行ったが、「ああだ、こうだ」と30分くらい話し合った結果、「タブーへの挑戦を目指せ」という内容の要求をすることになった。
新番組それもそれまでの看板番組『NHK特集』の衣替えの新番組の前宣だから(私以外の『Nスぺ』の前宣はなかった)、番組の合間に何度も放映されたようだ。おかげで当時メンバーだったゴルフ場に行くとキャディたちが「見たよ」「見たよ」と大騒ぎ。
そういう関係だったNHKの受信料の支払いを拒否するに至ったのは、娘が結婚して子供が生まれたのを機に、現住居に移り一人くらしを始めてから気がついたことがあったためである。
よく「人の痛みは我が身が経験しないと分からない」と言われるが、それまでは矛盾を感じていなかったNHKの受信料制度(当然受信料は銀行引き落としで支払っていた)が、実は憲法に違反しているのではないかという疑問を抱くようになったのである。
食事の時、おいしそうなものから箸をつけるタイプとおいしそうなものは最後に残すタイプがあるというが、私は出された料理の量によるが、ほぼ最初でもなければ最後まで残しておくこともしない。空腹時で全部平らげられそうなときはあまりおいしくなさそうなものから箸をつけ始めるが、量が多く食べきれそうもない時はおいしくなさそうなものには手を付けない。いずれにしてもころあい(だいたい食べる量の半分くらいの時が多いようだ)に、それまで残しておいたいちばんおいしそうな料理に箸をつけるようだ(特に意識しているわけではなく、なんとなくそういう習性になっているらしい)。
が、このブログでは一番重要なポイント、つまりNHKの受信料制度がなぜ憲法違反なのかの検証は最後の最後に行う。
●NHKが主張する受信料支払い義務の根拠は…
実は今回の請求書には「毎度おなじみ」の文面だけでなく、NHKが受信料請求の根拠を示した文面が含まれていた。
従来の「重要なお知らせ」の文面は先に引用した受信料支払いの要求に続いて下記のような脅迫文が記載されていた。
「このままお支払いがない場合には、貴殿に対し、やむを得ず、法的手続きを検討せざるをえませんので、この点をご賢察のうえ、ご対応ください」
実は、今回の「重要なお知らせ」には、この文面がなくなった。その代わり裏面に「ここが知りたい 受信料Q&A」として3項目が記載されている。3項目目は支払い方法の説明なので無視するが、2つの項目はこうだ。
① Q 受信料の支払いは法律で決まっているの?
A ■放送法64条では、協会の放送を受信できる受信装置を設置したもの
は協会と受信契約を締結しなければならない旨が定められています。
■また、日本放送協会放送受信規約第5条において、「放送受信契約者
は、…(中略)…放送受信料を支払わなければならない」と定められ
ています。
② Q ずっと払わないとどうなるの?
■「支払わなくても大丈夫」「見ていないのに支払う必要がない」そ
うした方に受信料制度を理解していただくための活動を進めてい
ます。
■それでもなお、ご理解が得られない場合、やむを得ず、裁判所を通
じた法的手続きによりご契約・お支払いをいただく活動を進めて
います。
だったら、さっさと私を告訴してもらいたい。ま、私の勝訴はほぼ確実だが、たとえ私が敗訴しても私は「伝家の宝刀」を隠し持っている。
「重要なお知らせ」には宛先名が明記されているのだが、「お客様各位」あてに「放送受信料払込用紙の送付につきまして」と題した通知書が手元にあり、その通知書に重要な記載がある。
「さて、お客様の放送受信料につきまして、一部お支払いいただいていない期間がございますので、放送受信料払込用紙をお送りさせていただきます。ご都合のよろしい時に改めてお支払いいただきますようお願い申し上げます(以下略)」
ということは、たとえ私が敗訴して支払い義務が生じたとしても、都合がつくまでは支払わなくてもいいのだ。ま、死ぬまで都合はつかないと思うけどね。
●NHKは、役所や政治家のような黒塗り証拠が通用すると思っているのか
NHKが視聴者に受信料支払い義務があるとした証拠には黒塗りで隠している箇所がある。放送法64条には、たしかに「協会の放送を受信することのできる受信装置を設置したものは、協会と受信契約を締結しなければならない」旨の記述があるが、但し書きが付記されていて「協会の放送の受信を目的としない受信装置についてはその限りではない」との記述もある。その個所をNHKは黒塗り(隠ぺい)にしているのだ。
なぜこの「但し書き」部分をNHKは黒塗りにする必要があるのか。実は、いまNHKは「公共放送」から「公共メディア」に業態転換をしようとしている。そのため、この「但し書き」箇所が業態転換の壁になっており、「但し書き」を黒塗りにする必要がどうしてもあるのだ。
もう少し具体的に説明しよう。
いまテレビを自宅に設置していない若者の多くはワンセグ付きのスマホでテレビ放送を見ている。スマホより大きな画面でテレビを見たい人はタブレットで見ている。確かにワンセグ付きのスマホやタブレットは協会(NHK)の放送を受信できる。が、スマホやタブレットの本来の目的はテレビ放送の受信ではない。テレビ放送の受信を主目的にするなら、スマホやタブレットより安価なテレビを買う。スマホやタブレットの主目的はインターネット(SNSを含む)やメール、ミュージック聴取、LINE、かけ放題電話が主目的だ。そのくらい若者たちのテレビ離れは急速に進んでいる。
が、放送法64条の「但し書き」が大きな壁になって、スマホやタブレットには受信料を課金できない。で、NHKは業態を「公共放送」から「公共メディア」に転換することによって、メディア機器であるスマホやタブレットにも課金できるようにしたいというのが狙いなのだ。
かといって、NHKが勝手に業態転換を図っても肝心の放送法をメディア法に法改正しない限り「犬の遠吠え」でしかない。そのことをNHKは理解しているのだろうか。NHKが勝手に「公共放送」から「公共メディア」に業態転換したからスマホやタブレットにも課金できるようになったと主張しても、世の中、それほど甘くはない。
前回のブログで次回予告として最後に書いたようにNHKは生存本能が機能したのかどうかは知らないが、「値下げ詐欺」という手法で視聴者を騙している。かつて私はブログで指摘したことがあり、「ふれあいセンター」の視聴者窓口の責任者(スーパーバイザー)にも申し上げたことがあるが、いまのNHKは「公共放送」ですらなく、「NHK職員の、NHK職員による、NHK職員のための放送局」でしかない。
国民すべてが娯楽に飢えていた戦後のある時期は、公共放送であるNHKがエンターテイメント番組を放送することには一定の社会的意義があったことは私も認めるにやぶさかではない。が、いまはテレビだけに限らずエンターテイメントはあふれるほどの状態になっている。そういう時代に「報道」という公共放送にとって最重要な機能を放棄してドラマやスポーツ、バラエティなどのエンターテイメントを最重要視しているのはどういうわけか。放送センター「魔の7階」と内部で指摘されていたジャニーズNHK事務所問題にも、いまのNHKの姿が象徴的に表れている。次の項目では、NHKは「公共放送」とは言えない状況を検証する。そのあと、最後にNHKの受信料制度が憲法違反の制度であることを検証する。
●NHKのエンターテイメント重視は民放よりひどい
NHKが提供するエンターテイメント番組の放送時間は、おそらく民放も含めて日本最大ではないだろうか。新聞など活字メディアか放送評論家が検証してほしい。
とりわけNHKが放送するドラマ本数は各放送局の中でも群を抜いている。私の飲み友達にドラマ制作会社の役員がいるが、民放に比してNHKのドラマ制作が一番儲かるそうだ。民放は制作費の予算が厳しいが、NHKの予算は青天井。もちろん制作費に金をかけられるだけ、大道具、小道具の製作にも手抜きはできないが、NHKのドラマ制作担当のプロジューサーなどに飲み食い接待すれば、大概の要求はのんでくれるらしい。
ドラマの出演者も有名俳優を予算制限なしで起用できるし、全く無名でも有名俳優とセットで売り込むことも容易。実際、新人俳優でもNHKのドラマに出演したという実績だけで一気にスターダムのレールに乗れたケースは数えきれないほどあるという。いったいNHKは新人俳優の育成が「公共放送の使命」とでも考えているのだろうか。
私の飲み友達は旧ャニーズ事務所とは関係ないらしいが、ジャニーズ事務所は有名タレントとセットで、これから売り出したい新人の起用をNHKに要求し、のませてきたようだ。民放でも多かれ少なかれ、旧ジャニーズ事務所のそうした理不尽な要求に従ってきたようだが、民放の場合は予算の制限があるから、その見返りに有名タレントの出演料を値切ったりして予算を抑える努力をしているが、NHKは視聴者から吸い上げる豊富な受信料で制作費を賄っているから、有名タレントの出演料を値切ることもなく有名タレントとの抱き合わせで新人のセット出演もOKだという。
それだけでなくNHKのドラマ担当のプロジューサーは相当いい思いもしているようだ。芸能界は「村社会」でもあるから、大スキャンダルになりかねない、そうしたケースもなかなか表面化しないけど…。
ドラマに次いで予算青天井なのは人気のあるスポーツ中継。とくにフィギアスケートのNHK杯をはじめ、NHKがなぜスポーツ競技の主催をするのか理由が全く不明。大相撲もNHKがすべての本場所を独占中継しているし、いまや日本の国技ではなくモンゴルの国技にすらなった感がある大相撲を独占中継して、本場所がない平日の午後5時からの定時ニュース報道(午後6時までの定時番組)をやめるほどの力の入れよう。大相撲中継をニュース報道より重視する放送が「公共放送」と言えるのか。いまやNHKにはそうした異常事態が継続されていることに疑問を抱く職員すらいないのか。それともNHKは日本相撲協会の子会社なのか。なら、国民から受信料などとるなと言いたい。いずれにせよ、ニュース報道より大相撲中継のほうがはるかに重要と考えている放送局が「公共事業体」と言えるのか。
すくなくともNHKが日本相撲協会より上位にあるなら、午後5時までに取り組みを終了するよう日本相撲協会に強く申し入れ、日本相撲協会がNHKの要求をのまなかったらNHKは中継権を放棄して民放に譲ればいい。NHKという「公共事業体」の非公共性がこれほど明確になっていることに私は警鐘を鳴らしておく。
いま歌謡番組が最も多いのもNHKの特徴だ。かつては民放でも歌謡番組にかなり力を入れていたし、「スター誕生」など新人歌手の発掘にも注力していた時代もあった。
が、いま民放は一斉に歌謡番組から手を引き始めている。理由は私にはわからない。歌謡番組華やかだった時代、大みそかにはテレビ東京がまず「懐メロ」番組を生放送し、次いでTBSが「レコード大賞」をやはり生放送し、次いでNHKが「紅白」をやはり生放送していた。各番組はそれぞれ多少の時間差をおいて放送し、歌手によっては「懐メロ」→「レコ大」→「紅白」と掛け持ち出演したこともあったという。
音楽事務所は自社の歌手に「レコ大」をとらせたり「紅白」に出場させるために番組担当者に対して相当な裏工作を行っていたことは周知の事実であり、現にやはり飲み友達のレコード会社の元社員から具体的ケースも聞いているが、私はスキャンダル・ジャーナリストではないから個々のケースについては書かない。が、NHKの「紅白」担当者は相当いい思いをしたらしいことだけは明らかにしておく。
そういう意味では、昨年12月19日にNHK自身が『ニュース7』と『ニュースウォッチ9』で社会部記者の使い込み(取材費と称して7百数十万円を私的飲食に流用していたようだ)をかなり大々的に報道し、監督責任を問うて歴代の社会部部長3人に対してかなり重い懲戒処分を行ったが、最近のNHKに対する国民の風当たりの厳しさに対してNHKが浄化作業に力を入れているかのようなジェスチャーを示しただけで、記者が請求する取材費の1件1件についてチェックしている時間的余裕があるほど社会部部長は閑職なのか。
NHKが社会部部長の管理責任を問うなら、社会部部長に対する管理を怠った報道局長や、報道局長に対する管理を怠った会長や経営委員会にも責任を取らせるべきだし、会長や経営委員を任命した政府に対しても責任を追及するのが筋だ。私に言わせれば、懲戒処分を受けた3人の歴代社会部部長はNHKが生き残るために行った「トカゲのしっぽ切り」でしかない。
このブログの読者諸氏も、こうした実態からNHKが国民のための「公共放送局」ではもはやなく、「NHK職員の」「NHK職員による」「NHK職員のための」放送局でしかないことを十分にご理解いただけたと思う。
●NHKの受信料制度は憲法違反だ
さて、いよいよ本丸に切り込む。NHKの経営の根幹を支えている受信料制度の問題点を明らかにする。私がこれかる主張する受信料制度の不法性は、私が話したNHK職員のほぼすべても納得してくれた。反論できないからだ。彼らはすべて「伝えます」と返事をした。
ちょっと裏話をする。NHKだけではないが、新聞も含めてメディアの視聴者窓口や読者窓口に電話で放送番組や記事についての意見を述べた場合、担当者の対応は基本的に二つに分かれる。
「(ご意見は)伺いました」か「(ご意見は)伝えます」の二つである。時に、電話口の相手が責任者の場合は反論したり、言い訳をしたり、たまに批判的意見に対しても明確に自らの同意を示すこともあるが、基本的に視聴者や読者の意見に対して担当部門の職員や社員が自分の考えを述べることは禁じられている。
そして「伺いました」という対応の場合、担当者は「聞き流す」ことを意味し、要するに「右の耳から左の耳に抜けた」というわけだ。
それに対して「伝えます」と答えた場合は、ちゃんと報告する。その場合も二通りあって、ただ「伝えます」という場合は伝える相手が不明である。上司に伝えるのか、担当部署に直接伝えるのかは分からない。中にははっきりと「担当に伝えます」と答えるケースもあり(NHKはほぼ、そういう対応をする)、メディア各社によって内部での情報伝達のルールがあるようだ。
さてすでにNHKから送付されてきた受信料支払いの督促状の「支払い義務」の理由について、NHKがその根拠とした放送法64条の引用に黒塗り(隠ぺい)箇所があることはすでに書いた。ワンセグ機能のあるスマホやタブレットに課金するためには放送法64条を改正しなければ無理だということはすでに明らかにした。
次に受信料支払い義務についてだが、これは放送法には64条に限らず一切記載がない。督促状に記載されているように、日本放送協会(NHKのこと)放送受信規約題5条でNHKが勝手に決めているだけだ。NHKは受信料徴収に法的強制力を持たせるために、これまでも何度も管轄省庁の総務省を通じて受信料制度の法制化を要求してきたが実現に至っていない。政府がなぜ法制化をためらっているのかは不明だ。ひょっとしたら、NHKの受信料制度が憲法に違反していることを承知している人がいるからかもしれない。
ちなみにNHKの受信規約題5条の督促状への記載には「中略」の個所があり、ネットで受信規約全文を読んでみたが、特に黒塗り(隠ぺい)しなければならないような記述は見つからなかった。
すでにこのブログでも書いたが、私はテレビを所有しているので放送法64条の規定に従い、NHKと受信契約はしている。が、法的にはこの契約は有効とは言えない可能性が強いと私は思っている。
というのは、公的契約の場合、単に受信契約書に署名捺印するだけでは必ずしも有効とは言えないからだ。契約の場合、契約内容についての重要事項を記載した書面を相手に交付しなければならないはずだからだ。具体的にはNHKの場合、受信規約の書面だ。NHKと受信契約を結んでいる方で、NHKから受信規約書を交付され、全文ではなくても重要な事項についての説明を受けた人が一人でもいるだろうか。ましてこの度、NHKは受信料不払いの視聴者に対して追徴金を課すことにしたという。いうまでもないことだが、契約内容の変更については契約者の同意が必要だ。NHKは自分たちが勝手に決めたことは何でも自由にできるとでも思っているのか。内閣総理大臣でも、独断で何でもできるわけではない。
ま、揚げ足取り的な受信制度の不備はこの辺でやめておく。これから決定的なことを書く。
これは法体系にかかわる重要な指摘である。NHKは自分たちが勝手に決めた受信料制度の根拠を放送法64条に求めている。が、すでに書いたように放送法64条はテレビを設置した人に対してNHKとの契約義務があることしか記載していない。64条に限らず、放送法のどの条文にもNHKが勝手に決めている受信料制度に従って受信料を支払う義務があるとの記載は一切ない。そのことはNHK職員はすべて知っている。
私に送付された督促状は、あたかもNHKの受信料制度は放送法64条に基づいているかのような記述をしているが、これは視聴者の錯覚を期待しての特殊詐欺の手口と同じだ。NHKは平日午後6時からの首都圏ニュースで「私たちは騙されない」というタイトルで特殊詐欺の手口をいろいろ紹介しているが、ぜひ受信料支払いの督促での特殊詐欺についても紹介してもらいたいものだと思っている。
さて、NHK受信料制度の違憲性について書く。これまでに外堀は埋め尽くし、残るは本丸だけだ。その本丸が違憲なのだ。
周知のように、NHKの受信制度は受信料を世帯単位にしている(事業者向けの受信料制度については、この際不問に付す)。
あらゆる法体系は憲法が最上位にある。したがって、あらゆる法律も憲法が認める範囲に限られる。自民党が解釈改憲を重ねて、「自衛のための実力の保持(※「軍事力」と言えないのは憲法9条の規定に違反するため)は憲法も禁じていない」と言い張っているのも、またひっちゃきになって憲法9条を改正しようとしているのも、憲法による制約がそれだけ重いからだ。
その憲法の14条にこういう規定がある。この規定に反するいかなる法律も、またいかなる制度も無効である「法の下での平等」の条文と言われている憲法14条はこうだ。
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
この条文が示していることは国民一人ひとりの権利であり義務が平等でなければならないという意味だ。すでに書いたが、私がNHKの受信料制度が憲法違反ではないかという疑問を抱いたきっかけは、一人住まいを始めたときだ。それまでは正直、私もNHKの世帯単位の受信料制度に違和感を持っていなかった。
家族と一緒に暮らしていた時、すでに家族すべてが一人ひとりテレビを持っていたし、一緒にテレビを見るときは食卓を囲む時くらいだった。家族が別々にテレビを見ているのに、例えば4人家族の世帯が支払う受信料と、一人住まいの人が支払う受信料が同額というのは、国民一人ひとりが法の下で平等という憲法の原則から大きく逸脱しているのではないかという根本的疑問を抱くようになったのである。
そのため、前田前会長が視聴者からNHK改革の意見募集をしたとき、以下のような提案をしたが、完全に無視された。全文を転載するのは長くなりすぎるので箇条書きで私の提案要旨を述べておく(提案後に思い付いた案も書くが、その場合は明記する)
① 受信料の支払いは世帯単位ではなく、視聴者一人ひとりにすること。そうすれば憲法14条にも抵触しなくなるし、受益者負担という基本原則にも合致する。
② 現実問題として、放送法が制定されたのは昭和25年(1950年)で、当時は庶民にとっては白黒テレビも高根の花だった。だから世帯単位の受信料制度も矛盾は生じなかったが、高度経済成長時代を経てカラーテレビも一家に1台から一人1台の時代に変化を遂げている。放送法自体には矛盾は生じていないが、NHKの受信料制度はすでに制度疲労を生じている。受益者負担の原則に基づき、受信料制度は世帯単位ではなく、視聴者単位にすべきだ。受信料制度をそう改正すれば支払い義務化の法制化も可能と思う。
③ 受信料支払い対象者は1歳以上からとする(1歳になれば赤ちゃんもテレビにかじりつくようになるから)。ただし、難視聴者は支払いを免除する。それ以外の障碍者(精神・身体)や生活保護者への免除は社会福祉政策であり国または地方自治体が負担すべきで、NHKが行うのはおこがましいから現行免除制度は廃止すること。
④ テレビの保有・非保有に限らず、またNHKの放送を見る見ないに限らず、受信料は国民の義務とする。たとえば、地方の公共インフラ(道路、水道、電気など)の整備コストは受益者の地方の住民の負担だけでは賄うことは不可能であり、事実上受益者ではない都市住民が支払う税金が投入されている。そうした事情を勘案すれば、テレビの保有・非保有に限らず国民のための公共放送にかかるコストは国民すべてが負担すべきであると思慮する。なお受信料支払い単位を世帯から個人に移行するに伴い事業所向けの受信料制度は廃止する。
⑤ ただし、受信料を税金化する場合、所得に応じた受信料にすることは選択肢の一つとして考慮することは可能と思う。(※新規の主張)
⑥ 事実上の最高意思決定者である会長職および経営委員は政府の任命によらず、公職とみなして公選制にする。NHKが放送する番組も芯に公共性が担保されたものに限定する。かつては民放に資金力がなく、NHKしか自前でドラマなどを制作できなかった時代から大きく社会は変貌している。「民にできることは民に」の原則を放送内容にも適用し、エンターテイメント番組はすべて廃止する。その場合、相当数のエンターテイメント番組担当の職員が必要なくなるので、民放や制作会社への転職の支援を行う必要がある。
(※余剰職員への転職支援は新規の主張)
⑦ 現在、各道府県に設置されている地方の放送局はブロック単位に再編する。具体的には北海道・東北・関東・中越・中部・関西・中国・四国・九州(沖縄はカバーできなければ沖縄も)に各地域放送局を設置すれば十分。(※新規の主張)
こうしてぜい肉をそぎ落とせば、国民が負担すべき受信料は現行の何分の1かに軽減できるはず。放送局を激減した場合、地方の取材に支障が生じるが、各道府県には放送局ではなく、道府県庁所在地に社会部記者とカメラマンだけ駐在させれば十分。また大半の都道府県には地域に密着した半官半民の放送局が存在するから(いわゆるローカル局)、各道府県のローカル局との連携を密にして地域の情報を集めるようにすればいい。もちろんそのための協力金はNHKが支払う必要があるが、そのことによってローカル局の経営にもゆとりが生じ、取材力も強化できる。まさに一石二鳥になるではないか。
以上で、3回にわたった『総務省に物申す』シリーズを終える。この最終稿を書き上げたのは昨年12月24日だが、昨年12月13日に胃および食道のがん(今のところ初期がんである可能性が大きく、転移の形跡は見られないようだ)を内視鏡手術で削り取って以降、天候がある程度落ち着いてきたせいもあると思うが、かえって元気になり、食欲も出てきた。
年齢的に、そう長い人生が残されているわけではないが、人は長生きすることが目的ではなく、何か自分にできること、したいこと(趣味とかボランティアとか、なんでもいい)を生きている間は続けるための手段である、と私は考えているので、生きる目的を喪失したら安楽死の権利を与えてもらいたいと願っている。
なお、最終稿のNHK改革提案に賛同していただける方で、訴訟によってNHK改革を実現したいと考えていただける方がおられたら、クラウドファンティングで訴訟費用を集め、社会派弁護団を組んで闘っていただければと思う。その場合、私もできる限りその活動に協力することを惜しまないつもりだ。
【追記】元旦早々、能登沖大地震が起きて東日本大震災以来の「大津波警報」が出された。やはり、こういう時にNHKなら対応できるという「公共放送必要性の錦の御旗」の神話が崩壊した。すべての民放が特別報道番組を組んだ。
NHK存続の最後の砦が崩れた瞬間である。
いまやNHKにしかできないことは青天井の予算でドラマや歌謡番組などのエンターテイメント番組を作ることしかない。
【追記2】このブログ記事は昨年12月に書き終えていた。『総務省に物申す』の最終回は今年の1月8日にアップした。
このブログ記事とは関係ないが、今日(1月9日)NHKは「新経営計画」を発表した。ずうずうしくも、昨年10月から実施した受信料10%値下げを今後も維持するというのだ。こういうのを「値下げ詐欺」と私は断定している。
改めて強調しておくが、値下げ後にNHKはBS放送を1波に削った。それまではNHKの放送は地上2波、BS2波の4波だった。つまり放送を25%削ったことになる。人件費も含め、放送にかかる費用は単純計算では25%削減されることになる。NHKは放送にかかる経費を公表していないので、単純計算通りに費用が25%軽減されたと断定はできないが、受信料10%値下げとの釣り合いがとれているのか疑問を持たない視聴者はいないはずだ。
さらに、こんな主張は絶対に許せないこともあった。民主主義を守るための放送を原点にしていると、繰り返し何度も主張した。民主主義は政治のシステムであり、概念は人それぞれで違う。いちおう「国民主権」は共通した理念だと思うが、国民主権を政治に反映するのは選挙制度しかない。その選挙制度は国によって異なる。私は日本に限らず、民主主義はまだ発展途上にあると考えており、過去『民主主義とは何かが、いま問われている』という長期連載ブログを20回以上書いてきた。いったいNHKは予算青天井のドラマを「民主主義を守る」ために作ってきたのか、そして作り続けていくのか。
さらに、これは初めてブログでは書くが、NHKはなぜ大相撲本場所をすべてに優先して放送し続けるのか。私自身はもう数十年間、大晦日の「紅白」は見ていないが、昨年の「紅白」はジャニタレをすべて排除したらしい。旧ジャニーズ事務所のスキャンダルが公になったことが原因のようだ。NHKはこの事件が公になる前は旧ジャニーズ事務所に無償で「性犯罪」用の特別室を提供していたようだ。NHKとは仲がいいイギリスのBBCが報道したことでメディアが急に旧ジャニーズ事務所問題を追求し始めたため、NHKも旧ジャニーズ事務所に対する特別待遇をやめたようだが、だったらNHKは大相撲の八百長問題をBBCが取り上げるまでは特別放送体制を続けるというのか。そういう放送体制をNHKは「民主主義を守る」行為だと考えているらしい。
NHKの視聴者窓口の「ふれあいセンター」は他のメディアと違って3段階になっている。最初に電話口に出るのは「コミュニケーター」で、その直属の上司(普通の組織の上下関係ではないようだ)の「チーフ」(係長か課長クラス)、そして最上位が「スーパーバイザー」(次長か部長クラス)である。基本的に個人の意見は言ってはいけないことになってはいるが、スーパーバイザーの場合は視聴者の意見に個人的に対応することが認められている。
が、「ふれあいセンター」の体制が著しく変わった。基本的に職員ではなく外部委託になったのだ。詳しくはわからないが、スーパーバイザーまで外部委託の人が担当するようになったようだ(私が「ふれあいセンター」に電話するときは単純な問い合わせのケースを除いて、報道に疑問を持った時には最初に電話口に出たコミュニケーターに用件だけ簡単に話してスーパーバイザーに代わってくれるよう依頼する。かつては私の存在はスーパーバイザーではかなり知られていて、シンパもいれば反発する人もいた。「ふれあいセンター」の場合は他のメディアと違って、コミュニケーターからスーパーバイザーに至るまですべて名前を名乗る。視聴者に対応する人の責任を重視しているためと思うが、私が「スーパーバイザーに変わってほしい」と頼んでも、必ずしもスーパーバイザーが電話に出るとは限らない(ようだ)。今日も電話を代わった相手は「責任者の○○です」と言って、私が「どう思います?」と聞いても「個人の意見は言えませんので」と言う。「担当者に伝えます」と言うので、「担当者って誰だ。会長に伝えろ」と言ったら、「会長に伝えます」と返答した。会長に直接話せるような立場の人ではないのに、平気でそういう対応をする。
最後に書き加えるが、北朝鮮はおそらく世界で唯一国名に「民主主義」を標榜している国だ。北朝鮮を「民主主義国家」と思っている日本人は多分NHK会長以外に一人もいないと思う。(1月10日午前0時)
【追記3】いま、1月10日の午前0時40分。【追記3】を書き終えて、私のブログ編集ページを見たら、なんと昨日(9日)の「訪問者数」は14、「閲覧者数」は18だった。こんなことは私が長期入院中だった時でもありえなかったこと。
私のブログ記事に対するNHKの対応がこれだ。私はNHKを敵視しているわけではない。そのことはブログでも明らかにしている。ただ、NHKの過剰反応に、とりあえず驚いているとだけ書く。
ちょうど10年前の2014年3月、内閣府に設置されている「食品安全委員会」は、「紅麹を由来とするサプリメントに注意(欧州で注意喚起)」と題する警告を行っていた。「食品安全委員会」が厚労省ではなく、なぜ内閣府に設置されたのかは疑問だが(ひょっとしたら、厚労省は製薬会社やサプリメント会社とのなれ合い体質に内閣府が不安を抱いたためかもしれない)、間違いなく内閣府のホームページで確認できたので、その警告文を張り付ける。
「血中のコレステロール値を正常に保つ」としてヨーロッパや日本などで販売されている「紅麹で発酵させた米に由来するサプリメント」の摂取が原因と疑われる健康被害がヨーロッパで報告されています。EUは、一部の紅麹菌株が生産する有毒物質であるシトリニンのサプリメント中の基準値を設定しました。フランスは摂取前に医師に相談するように注意喚起しており、スイスでは紅麹を成分とする製品は、食品としても薬品としても売買は違法とされています。
なお、この情報は厚労省の紅麹問題窓口とNHKには今日伝えた。小林製薬が、この「注意喚起」を知らなかったとは考えにくく、また厚労省も知らなかったでは済まされない。縦割り行政の弊害がもろに現れたと言えるかもしれないが、どう考えても不自然なことがある。小林製薬が保健所や厚労省にも報告せずに、いきなり記者会見を開いてサプリメントの回収を公表したのが3月22日。その時点では、これほどの騒ぎになるとは私も思っていなかったが、それからわずか1週間のうちに紅麹に由来すると想定される死亡者がバタバタと5人も出た。そんなことが常識的に考えられるか。
いずれにせよ、小林製薬に対するペナルティは相当重くなると思う。
* なお昨4月2日、内閣府の食品安全委員会に直接電話をして確認した。その結果、紅麹について注意喚起を行ったのは事実だが、今回の騒動とは直接の因果関係はないと考えているとのことだった。
すでにメディアでは報道されているが、「機能性表示食品」が氾濫するようになったのは故・安倍元総理の成長戦略の一環として規制緩和を行い、それまでは消費者庁(内閣府の外庁)の審査が必要だったのを、メーカーが独自の実験や研究データの提出をするだけで「機能性表示食品」をうたってもいいことにしたことにあるようだ。その結果、テレビやネットでのサプリメントなど健康食品の広告が氾濫するようになり、いまやブーム的状況を呈している。食品安全委員会も、そうした事態を憂慮しているとのことだ。(3日)
【追記1】これまでは掲載中のブログ記事に関する新しい情報なり主張をブログの末尾に書いてきたが、これからはいま掲載中のブログ記事とは関係なく、本来ならブログ記事を更新すべきことを記事の冒頭に【追記】として重ね書きすることにした。今回の【追記】は、史上最高値を記録した日経平均は日本経済の回復の象徴か、また日銀・植田総裁の「日本経済はデフレを脱却してインフレ時代に入った」という評価が何を意味してのコメントなのかを明らかにしたい。
まず1980年代後半のバブル景気とは何だったのかの検証を簡単にしておきたい。実は戦後の焼け野原から日本経済が「奇跡」といわれた経済回復を遂げたきっかけは朝鮮戦争による特需だった。日本経済の復興に伴い、賃金も急上昇し外需(輸出増)と内需(国内消費増)のダブル需要の増加によって日本経済は奇跡的な回復を成し遂げた。
その日本経済を襲った事件が2つある。最初は1973年10月17日に発生した第1次石油ショックである。日本の戦後の経済政策は一貫して輸出重視だった。海外から安い原材料などを輸入し、それを高度な加工技術で高品質製品を作りアメリカをはじめとする先進国に輸出するというのが日本の経済政策の基本だった。が、石油ショックによって安い原材料の輸入が不可能になった(現在と同じ状況)。当然、国際輸出競争力は低下する。
が、日本経済にとってはこの石油ショックが結果的に神風になった(こういう認識をしている経済学者は皆無である。私だけが1980年代後半に主張し始めた)。アメリカは世界最大級のエネルギー産出国であり、ヨーロッパ諸国もイギリスの北海油田やロシアからの輸入で日本ほどの打撃を受けなかったからだ。
スポーツの世界ではよく「ピンチはチャンス」といわれるが、日本産業界は石油ショックを台風から神風に変えることに成功した。通産省(当時)が音頭をとって日本産業界は一斉に「軽薄短小」「省エネ省力」を合言葉に技術革新に乗り出した。そのための技術革新のキーになったのが半導体技術である。実は半導体の製造には絶対に欠かせない要素がある。それは半導体製造の様々な工程で必要となる洗浄のための純水を大量に安価で作れるかが大きなカギを握っている。アメリカの東海岸やヨーロッパで半導体が製造できないのはこれらの地域の地下水が軟水ではなく硬水だから。オーストラリアも硬水である。日本はほぼ全国の地下水が軟水であり、純水を大量に安価で作れた。その結果、日本は世界1の半導体大国になり、その半導体を組み込んだ「省エネ省力」の自動車や家電製品が世界を席巻することになった。
この日本産業界の輸出攻勢に悲鳴を上げたのがアメリカ。1976年、日本からのテレビ・自動車・鉄鋼などの対米輸出が集中豪雨的に増大し、アメリカの対米貿易赤字だけでアメリカの貿易収支赤字の大半を占めるという異常事態が生じたのである。
私はことさらにアメリカを敵視しているわけではないが、アメリカは実に身勝手なこともしばしばする。この時も石油ショックに有効な手段をとらず、ソ連つぶしのためのレーガノミクスによる結果だったのだが、いわれのないジャパン・バッシングをアメリカ挙げて始めた。確かにレーガンの対ソ軍事政策によってソ連は崩壊するのだが、そのため自動車や家電製品などの民需産業は国際競争力を喪失していったのだが、アメリカの身勝手さはいまも「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプへの支持が高いことにも象徴されている。
米民需産業の停滞を何とかしようとしたのが1985年9月のプラザ会議である。これが戦後の日本経済を襲った2番目の危機だった。具体的にはアベノミクスが見習った為替政策をレーガン政権が発動したのだ。当時ドル・円相場は240円台だった。レーガンは安倍晋三と同様、ドル安によって国内産業の輸出競争力を回復しようとしたのだ。で、ニューヨークの名門ホテル、プラザホテルに日・米・独・英・仏5か国の蔵相、中央銀行総裁を招集し、ドル安のための国際協調介入を要請したのだ。実際にはドル安誘導の標的は日本とドイツの2か国だったが、英・仏を巻き込むことによって日・独の反発を防いだのだ。
その結果、2年後の87年にはドル・円相場は240円台から120円台へとわずか2年で一気に円は2倍も高くなったのである。日本の輸出産業界はなぜこの時期を乗り切れたのか。
実は自動車や家電メーカーなどはドル建て輸出価格をほとんど上げなかった。国内需要がまだ活発だったから、円高による輸出価格の高騰分を国内販売価格に転嫁して生き延びるという選択をしたのだ。その結果、輸出先の海外から日本製品を逆輸入して日本国内で安く販売する「並行輸入業者」が乱立するほどだった。
こうしてバブル景気の下地が作られた。かつてのバブルと今の株価上昇との基本的相違についてメディアは論理的に検証すべきである。(2月25日)
このシリーズも最終回を迎える。NHKが私に降参するか、それとも私を告訴して司法の判断を仰ぐことにするか。
数年前、私はNHK党の立花党首と話をしたことがある(コロナ騒動の直前だったと記憶している)。立花氏の考えはこうだ。
「NHKの放送を見ない人、見たくない人の権利を守るためNHK放送のスクランブル化を求める」
立花氏からこう聞かれた。「小林さんはNHKの放送を見ているのか」と。
「ニュースなどの報道番組や日曜討論、クロ現、Nスぺ、ドキュメント番組などはしばしば見ている」
立花氏は「だったら受信料は支払うべきだ」と主張した。
私はこう反論した。
「法律(放送法64条)で定められているから契約はしているが、NHKの受信料制度は憲法に違反しているから、私が受信料を支払うことは憲法違反行為を認め、かつ違憲行為に加担することを意味するから受信料の支払いは拒否している」
「どういうこと?」
私が説明すると立花氏も「そういう考え方は初めて知った。面白い」と言った。NHKの「ふれあいセンター」は番組の視聴者窓口と受信料支払窓口の二つがある(電話番号は異なる)。NHKからはほぼ毎月,請求書が届くが、「ふれあいセンター」受信料支払窓口の責任者(スーパーバイザー)に電話をして支払い拒否の理由を言うと「勉強になりました」と納得してしまう。最高責任者から放送センター(東京・渋谷)の受信料担当部門の電話番号を教えてもらって電話したこともある。「この電話番号、どうしてお知りになったのか」と聞かれたので「ふれあいセンター」の責任者が「ご意見は私どもではどうにもならないので本部に直接言ってほしい」と電話番号を教えてくれた経緯を話した。私が支払い拒否の理由を話すと「うーん。初めてそういう考えを知りました。内部で共有して検討させていただきます」とのことだったが、その後も変化は全くない。
実は前会長の前田時代に、NHKの改革について視聴者から意見募集をしたことがある(現会長も行っているが)。その時、受信料制度の改正を求めたが(ほかにもエンターテイメント番組が多すぎるといったクレームも書いた)、NHKは受信料制度を改正するつもりは全くないようだ。なぜか、理由がわからない。
なお現在、NHKの受信料を支払っていない人、あるいは支払いたくはないけど、支払う義務があると思い込んで支払っている人にとっては、このブログは「バイブル」になるかもしれない。何らかの方法で保存しておかれることをお勧めする。
●NHKの看板番組『NHKスペシャル』スタート時の前宣に出ながら…
昨年12月、毎度おなじみの「重要なお知らせ」がNHKから送られてきた。
「お客様の放送受信料につきましては、これまでも払い込み用紙をお送りしておりますが、下記期間のお支払いの確認がとれておりません。つきましては、同封の払込用紙にて、至急お支払いください」
放送内容に対する視聴者窓口の「ふれあいセンター」は川崎市武蔵小杉の1か所だけだが(なぜ東京・渋谷の放送センター内に設置しないのかは不明)、受信料支払窓口の「ふれあいセンターは全国各地に設けられている。
私が責任者に、それでも受信料を支払えというなら、私を告訴してくれ、と申し入れたが、「できません」という。
はっきり言う。このブログはNHK受信料制度改正の要求であり、かつNHKに対する挑戦状でもある。私が放送内容についての意見の電話をするのはNHKが最も多く、意見を述べる番組は『ニュース7』『ニュースウォッチ9』『日曜討論』『クロ現ダブルマイナス』(『クローズアップ現代プラス』の時は「クロ現マイナス」と言っていた)『映像の世紀』などがほとんどだ。『映像の世紀』は稀に見るいいドキュメント番組だと思っている。
NHKの次にテレビ局に電話するケースが多いのはテレビ朝日の『羽鳥モーニングショー』『大下容子のワイドショー』、TBSの『報道特集』、読売テレビ(首都圏では系列の日本テレビが放映)の『ミヤネ屋』などである。テレビ視聴時間が最も多いのはテレビ朝日だと思う。
実は私はNHKの看板番組『NHKスペシャル』がスタートするときの前宣
を頼まれたことがある。通常、新番組の前宣は番組の出演者か主要な関係者が行うが、『Nスぺ』の時はなぜか番組に一切関与する予定すらない私に前宣の依頼があった。
別に拒否するほどの理由があるわけでもないので心よく引き受けたが、NHKのスタジオで収録するのかと思っていたら、我が家の自宅で収録したいという。びっくりしたのは仰々しく中継車まで来て、近所の人たちが何事が起きたのかと興味深そうに集まってきた。私のほうは、部屋の中での収録と思っていたので仕事場の書斎や応接間を小ぎれいにして待っていたのだが、家の中ではなく庭で収録したいという。
プロジューサーだったかディレクターだったかは覚えていないが、要するに新番組の『Nスぺ』に対する視聴者からの期待をしゃべってもらいたかったようで、打ち合わせは応接間で行ったが、「ああだ、こうだ」と30分くらい話し合った結果、「タブーへの挑戦を目指せ」という内容の要求をすることになった。
新番組それもそれまでの看板番組『NHK特集』の衣替えの新番組の前宣だから(私以外の『Nスぺ』の前宣はなかった)、番組の合間に何度も放映されたようだ。おかげで当時メンバーだったゴルフ場に行くとキャディたちが「見たよ」「見たよ」と大騒ぎ。
そういう関係だったNHKの受信料の支払いを拒否するに至ったのは、娘が結婚して子供が生まれたのを機に、現住居に移り一人くらしを始めてから気がついたことがあったためである。
よく「人の痛みは我が身が経験しないと分からない」と言われるが、それまでは矛盾を感じていなかったNHKの受信料制度(当然受信料は銀行引き落としで支払っていた)が、実は憲法に違反しているのではないかという疑問を抱くようになったのである。
食事の時、おいしそうなものから箸をつけるタイプとおいしそうなものは最後に残すタイプがあるというが、私は出された料理の量によるが、ほぼ最初でもなければ最後まで残しておくこともしない。空腹時で全部平らげられそうなときはあまりおいしくなさそうなものから箸をつけ始めるが、量が多く食べきれそうもない時はおいしくなさそうなものには手を付けない。いずれにしてもころあい(だいたい食べる量の半分くらいの時が多いようだ)に、それまで残しておいたいちばんおいしそうな料理に箸をつけるようだ(特に意識しているわけではなく、なんとなくそういう習性になっているらしい)。
が、このブログでは一番重要なポイント、つまりNHKの受信料制度がなぜ憲法違反なのかの検証は最後の最後に行う。
●NHKが主張する受信料支払い義務の根拠は…
実は今回の請求書には「毎度おなじみ」の文面だけでなく、NHKが受信料請求の根拠を示した文面が含まれていた。
従来の「重要なお知らせ」の文面は先に引用した受信料支払いの要求に続いて下記のような脅迫文が記載されていた。
「このままお支払いがない場合には、貴殿に対し、やむを得ず、法的手続きを検討せざるをえませんので、この点をご賢察のうえ、ご対応ください」
実は、今回の「重要なお知らせ」には、この文面がなくなった。その代わり裏面に「ここが知りたい 受信料Q&A」として3項目が記載されている。3項目目は支払い方法の説明なので無視するが、2つの項目はこうだ。
① Q 受信料の支払いは法律で決まっているの?
A ■放送法64条では、協会の放送を受信できる受信装置を設置したもの
は協会と受信契約を締結しなければならない旨が定められています。
■また、日本放送協会放送受信規約第5条において、「放送受信契約者
は、…(中略)…放送受信料を支払わなければならない」と定められ
ています。
② Q ずっと払わないとどうなるの?
■「支払わなくても大丈夫」「見ていないのに支払う必要がない」そ
うした方に受信料制度を理解していただくための活動を進めてい
ます。
■それでもなお、ご理解が得られない場合、やむを得ず、裁判所を通
じた法的手続きによりご契約・お支払いをいただく活動を進めて
います。
だったら、さっさと私を告訴してもらいたい。ま、私の勝訴はほぼ確実だが、たとえ私が敗訴しても私は「伝家の宝刀」を隠し持っている。
「重要なお知らせ」には宛先名が明記されているのだが、「お客様各位」あてに「放送受信料払込用紙の送付につきまして」と題した通知書が手元にあり、その通知書に重要な記載がある。
「さて、お客様の放送受信料につきまして、一部お支払いいただいていない期間がございますので、放送受信料払込用紙をお送りさせていただきます。ご都合のよろしい時に改めてお支払いいただきますようお願い申し上げます(以下略)」
ということは、たとえ私が敗訴して支払い義務が生じたとしても、都合がつくまでは支払わなくてもいいのだ。ま、死ぬまで都合はつかないと思うけどね。
●NHKは、役所や政治家のような黒塗り証拠が通用すると思っているのか
NHKが視聴者に受信料支払い義務があるとした証拠には黒塗りで隠している箇所がある。放送法64条には、たしかに「協会の放送を受信することのできる受信装置を設置したものは、協会と受信契約を締結しなければならない」旨の記述があるが、但し書きが付記されていて「協会の放送の受信を目的としない受信装置についてはその限りではない」との記述もある。その個所をNHKは黒塗り(隠ぺい)にしているのだ。
なぜこの「但し書き」部分をNHKは黒塗りにする必要があるのか。実は、いまNHKは「公共放送」から「公共メディア」に業態転換をしようとしている。そのため、この「但し書き」箇所が業態転換の壁になっており、「但し書き」を黒塗りにする必要がどうしてもあるのだ。
もう少し具体的に説明しよう。
いまテレビを自宅に設置していない若者の多くはワンセグ付きのスマホでテレビ放送を見ている。スマホより大きな画面でテレビを見たい人はタブレットで見ている。確かにワンセグ付きのスマホやタブレットは協会(NHK)の放送を受信できる。が、スマホやタブレットの本来の目的はテレビ放送の受信ではない。テレビ放送の受信を主目的にするなら、スマホやタブレットより安価なテレビを買う。スマホやタブレットの主目的はインターネット(SNSを含む)やメール、ミュージック聴取、LINE、かけ放題電話が主目的だ。そのくらい若者たちのテレビ離れは急速に進んでいる。
が、放送法64条の「但し書き」が大きな壁になって、スマホやタブレットには受信料を課金できない。で、NHKは業態を「公共放送」から「公共メディア」に転換することによって、メディア機器であるスマホやタブレットにも課金できるようにしたいというのが狙いなのだ。
かといって、NHKが勝手に業態転換を図っても肝心の放送法をメディア法に法改正しない限り「犬の遠吠え」でしかない。そのことをNHKは理解しているのだろうか。NHKが勝手に「公共放送」から「公共メディア」に業態転換したからスマホやタブレットにも課金できるようになったと主張しても、世の中、それほど甘くはない。
前回のブログで次回予告として最後に書いたようにNHKは生存本能が機能したのかどうかは知らないが、「値下げ詐欺」という手法で視聴者を騙している。かつて私はブログで指摘したことがあり、「ふれあいセンター」の視聴者窓口の責任者(スーパーバイザー)にも申し上げたことがあるが、いまのNHKは「公共放送」ですらなく、「NHK職員の、NHK職員による、NHK職員のための放送局」でしかない。
国民すべてが娯楽に飢えていた戦後のある時期は、公共放送であるNHKがエンターテイメント番組を放送することには一定の社会的意義があったことは私も認めるにやぶさかではない。が、いまはテレビだけに限らずエンターテイメントはあふれるほどの状態になっている。そういう時代に「報道」という公共放送にとって最重要な機能を放棄してドラマやスポーツ、バラエティなどのエンターテイメントを最重要視しているのはどういうわけか。放送センター「魔の7階」と内部で指摘されていたジャニーズNHK事務所問題にも、いまのNHKの姿が象徴的に表れている。次の項目では、NHKは「公共放送」とは言えない状況を検証する。そのあと、最後にNHKの受信料制度が憲法違反の制度であることを検証する。
●NHKのエンターテイメント重視は民放よりひどい
NHKが提供するエンターテイメント番組の放送時間は、おそらく民放も含めて日本最大ではないだろうか。新聞など活字メディアか放送評論家が検証してほしい。
とりわけNHKが放送するドラマ本数は各放送局の中でも群を抜いている。私の飲み友達にドラマ制作会社の役員がいるが、民放に比してNHKのドラマ制作が一番儲かるそうだ。民放は制作費の予算が厳しいが、NHKの予算は青天井。もちろん制作費に金をかけられるだけ、大道具、小道具の製作にも手抜きはできないが、NHKのドラマ制作担当のプロジューサーなどに飲み食い接待すれば、大概の要求はのんでくれるらしい。
ドラマの出演者も有名俳優を予算制限なしで起用できるし、全く無名でも有名俳優とセットで売り込むことも容易。実際、新人俳優でもNHKのドラマに出演したという実績だけで一気にスターダムのレールに乗れたケースは数えきれないほどあるという。いったいNHKは新人俳優の育成が「公共放送の使命」とでも考えているのだろうか。
私の飲み友達は旧ャニーズ事務所とは関係ないらしいが、ジャニーズ事務所は有名タレントとセットで、これから売り出したい新人の起用をNHKに要求し、のませてきたようだ。民放でも多かれ少なかれ、旧ジャニーズ事務所のそうした理不尽な要求に従ってきたようだが、民放の場合は予算の制限があるから、その見返りに有名タレントの出演料を値切ったりして予算を抑える努力をしているが、NHKは視聴者から吸い上げる豊富な受信料で制作費を賄っているから、有名タレントの出演料を値切ることもなく有名タレントとの抱き合わせで新人のセット出演もOKだという。
それだけでなくNHKのドラマ担当のプロジューサーは相当いい思いもしているようだ。芸能界は「村社会」でもあるから、大スキャンダルになりかねない、そうしたケースもなかなか表面化しないけど…。
ドラマに次いで予算青天井なのは人気のあるスポーツ中継。とくにフィギアスケートのNHK杯をはじめ、NHKがなぜスポーツ競技の主催をするのか理由が全く不明。大相撲もNHKがすべての本場所を独占中継しているし、いまや日本の国技ではなくモンゴルの国技にすらなった感がある大相撲を独占中継して、本場所がない平日の午後5時からの定時ニュース報道(午後6時までの定時番組)をやめるほどの力の入れよう。大相撲中継をニュース報道より重視する放送が「公共放送」と言えるのか。いまやNHKにはそうした異常事態が継続されていることに疑問を抱く職員すらいないのか。それともNHKは日本相撲協会の子会社なのか。なら、国民から受信料などとるなと言いたい。いずれにせよ、ニュース報道より大相撲中継のほうがはるかに重要と考えている放送局が「公共事業体」と言えるのか。
すくなくともNHKが日本相撲協会より上位にあるなら、午後5時までに取り組みを終了するよう日本相撲協会に強く申し入れ、日本相撲協会がNHKの要求をのまなかったらNHKは中継権を放棄して民放に譲ればいい。NHKという「公共事業体」の非公共性がこれほど明確になっていることに私は警鐘を鳴らしておく。
いま歌謡番組が最も多いのもNHKの特徴だ。かつては民放でも歌謡番組にかなり力を入れていたし、「スター誕生」など新人歌手の発掘にも注力していた時代もあった。
が、いま民放は一斉に歌謡番組から手を引き始めている。理由は私にはわからない。歌謡番組華やかだった時代、大みそかにはテレビ東京がまず「懐メロ」番組を生放送し、次いでTBSが「レコード大賞」をやはり生放送し、次いでNHKが「紅白」をやはり生放送していた。各番組はそれぞれ多少の時間差をおいて放送し、歌手によっては「懐メロ」→「レコ大」→「紅白」と掛け持ち出演したこともあったという。
音楽事務所は自社の歌手に「レコ大」をとらせたり「紅白」に出場させるために番組担当者に対して相当な裏工作を行っていたことは周知の事実であり、現にやはり飲み友達のレコード会社の元社員から具体的ケースも聞いているが、私はスキャンダル・ジャーナリストではないから個々のケースについては書かない。が、NHKの「紅白」担当者は相当いい思いをしたらしいことだけは明らかにしておく。
そういう意味では、昨年12月19日にNHK自身が『ニュース7』と『ニュースウォッチ9』で社会部記者の使い込み(取材費と称して7百数十万円を私的飲食に流用していたようだ)をかなり大々的に報道し、監督責任を問うて歴代の社会部部長3人に対してかなり重い懲戒処分を行ったが、最近のNHKに対する国民の風当たりの厳しさに対してNHKが浄化作業に力を入れているかのようなジェスチャーを示しただけで、記者が請求する取材費の1件1件についてチェックしている時間的余裕があるほど社会部部長は閑職なのか。
NHKが社会部部長の管理責任を問うなら、社会部部長に対する管理を怠った報道局長や、報道局長に対する管理を怠った会長や経営委員会にも責任を取らせるべきだし、会長や経営委員を任命した政府に対しても責任を追及するのが筋だ。私に言わせれば、懲戒処分を受けた3人の歴代社会部部長はNHKが生き残るために行った「トカゲのしっぽ切り」でしかない。
このブログの読者諸氏も、こうした実態からNHKが国民のための「公共放送局」ではもはやなく、「NHK職員の」「NHK職員による」「NHK職員のための」放送局でしかないことを十分にご理解いただけたと思う。
●NHKの受信料制度は憲法違反だ
さて、いよいよ本丸に切り込む。NHKの経営の根幹を支えている受信料制度の問題点を明らかにする。私がこれかる主張する受信料制度の不法性は、私が話したNHK職員のほぼすべても納得してくれた。反論できないからだ。彼らはすべて「伝えます」と返事をした。
ちょっと裏話をする。NHKだけではないが、新聞も含めてメディアの視聴者窓口や読者窓口に電話で放送番組や記事についての意見を述べた場合、担当者の対応は基本的に二つに分かれる。
「(ご意見は)伺いました」か「(ご意見は)伝えます」の二つである。時に、電話口の相手が責任者の場合は反論したり、言い訳をしたり、たまに批判的意見に対しても明確に自らの同意を示すこともあるが、基本的に視聴者や読者の意見に対して担当部門の職員や社員が自分の考えを述べることは禁じられている。
そして「伺いました」という対応の場合、担当者は「聞き流す」ことを意味し、要するに「右の耳から左の耳に抜けた」というわけだ。
それに対して「伝えます」と答えた場合は、ちゃんと報告する。その場合も二通りあって、ただ「伝えます」という場合は伝える相手が不明である。上司に伝えるのか、担当部署に直接伝えるのかは分からない。中にははっきりと「担当に伝えます」と答えるケースもあり(NHKはほぼ、そういう対応をする)、メディア各社によって内部での情報伝達のルールがあるようだ。
さてすでにNHKから送付されてきた受信料支払いの督促状の「支払い義務」の理由について、NHKがその根拠とした放送法64条の引用に黒塗り(隠ぺい)箇所があることはすでに書いた。ワンセグ機能のあるスマホやタブレットに課金するためには放送法64条を改正しなければ無理だということはすでに明らかにした。
次に受信料支払い義務についてだが、これは放送法には64条に限らず一切記載がない。督促状に記載されているように、日本放送協会(NHKのこと)放送受信規約題5条でNHKが勝手に決めているだけだ。NHKは受信料徴収に法的強制力を持たせるために、これまでも何度も管轄省庁の総務省を通じて受信料制度の法制化を要求してきたが実現に至っていない。政府がなぜ法制化をためらっているのかは不明だ。ひょっとしたら、NHKの受信料制度が憲法に違反していることを承知している人がいるからかもしれない。
ちなみにNHKの受信規約題5条の督促状への記載には「中略」の個所があり、ネットで受信規約全文を読んでみたが、特に黒塗り(隠ぺい)しなければならないような記述は見つからなかった。
すでにこのブログでも書いたが、私はテレビを所有しているので放送法64条の規定に従い、NHKと受信契約はしている。が、法的にはこの契約は有効とは言えない可能性が強いと私は思っている。
というのは、公的契約の場合、単に受信契約書に署名捺印するだけでは必ずしも有効とは言えないからだ。契約の場合、契約内容についての重要事項を記載した書面を相手に交付しなければならないはずだからだ。具体的にはNHKの場合、受信規約の書面だ。NHKと受信契約を結んでいる方で、NHKから受信規約書を交付され、全文ではなくても重要な事項についての説明を受けた人が一人でもいるだろうか。ましてこの度、NHKは受信料不払いの視聴者に対して追徴金を課すことにしたという。いうまでもないことだが、契約内容の変更については契約者の同意が必要だ。NHKは自分たちが勝手に決めたことは何でも自由にできるとでも思っているのか。内閣総理大臣でも、独断で何でもできるわけではない。
ま、揚げ足取り的な受信制度の不備はこの辺でやめておく。これから決定的なことを書く。
これは法体系にかかわる重要な指摘である。NHKは自分たちが勝手に決めた受信料制度の根拠を放送法64条に求めている。が、すでに書いたように放送法64条はテレビを設置した人に対してNHKとの契約義務があることしか記載していない。64条に限らず、放送法のどの条文にもNHKが勝手に決めている受信料制度に従って受信料を支払う義務があるとの記載は一切ない。そのことはNHK職員はすべて知っている。
私に送付された督促状は、あたかもNHKの受信料制度は放送法64条に基づいているかのような記述をしているが、これは視聴者の錯覚を期待しての特殊詐欺の手口と同じだ。NHKは平日午後6時からの首都圏ニュースで「私たちは騙されない」というタイトルで特殊詐欺の手口をいろいろ紹介しているが、ぜひ受信料支払いの督促での特殊詐欺についても紹介してもらいたいものだと思っている。
さて、NHK受信料制度の違憲性について書く。これまでに外堀は埋め尽くし、残るは本丸だけだ。その本丸が違憲なのだ。
周知のように、NHKの受信制度は受信料を世帯単位にしている(事業者向けの受信料制度については、この際不問に付す)。
あらゆる法体系は憲法が最上位にある。したがって、あらゆる法律も憲法が認める範囲に限られる。自民党が解釈改憲を重ねて、「自衛のための実力の保持(※「軍事力」と言えないのは憲法9条の規定に違反するため)は憲法も禁じていない」と言い張っているのも、またひっちゃきになって憲法9条を改正しようとしているのも、憲法による制約がそれだけ重いからだ。
その憲法の14条にこういう規定がある。この規定に反するいかなる法律も、またいかなる制度も無効である「法の下での平等」の条文と言われている憲法14条はこうだ。
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
この条文が示していることは国民一人ひとりの権利であり義務が平等でなければならないという意味だ。すでに書いたが、私がNHKの受信料制度が憲法違反ではないかという疑問を抱いたきっかけは、一人住まいを始めたときだ。それまでは正直、私もNHKの世帯単位の受信料制度に違和感を持っていなかった。
家族と一緒に暮らしていた時、すでに家族すべてが一人ひとりテレビを持っていたし、一緒にテレビを見るときは食卓を囲む時くらいだった。家族が別々にテレビを見ているのに、例えば4人家族の世帯が支払う受信料と、一人住まいの人が支払う受信料が同額というのは、国民一人ひとりが法の下で平等という憲法の原則から大きく逸脱しているのではないかという根本的疑問を抱くようになったのである。
そのため、前田前会長が視聴者からNHK改革の意見募集をしたとき、以下のような提案をしたが、完全に無視された。全文を転載するのは長くなりすぎるので箇条書きで私の提案要旨を述べておく(提案後に思い付いた案も書くが、その場合は明記する)
① 受信料の支払いは世帯単位ではなく、視聴者一人ひとりにすること。そうすれば憲法14条にも抵触しなくなるし、受益者負担という基本原則にも合致する。
② 現実問題として、放送法が制定されたのは昭和25年(1950年)で、当時は庶民にとっては白黒テレビも高根の花だった。だから世帯単位の受信料制度も矛盾は生じなかったが、高度経済成長時代を経てカラーテレビも一家に1台から一人1台の時代に変化を遂げている。放送法自体には矛盾は生じていないが、NHKの受信料制度はすでに制度疲労を生じている。受益者負担の原則に基づき、受信料制度は世帯単位ではなく、視聴者単位にすべきだ。受信料制度をそう改正すれば支払い義務化の法制化も可能と思う。
③ 受信料支払い対象者は1歳以上からとする(1歳になれば赤ちゃんもテレビにかじりつくようになるから)。ただし、難視聴者は支払いを免除する。それ以外の障碍者(精神・身体)や生活保護者への免除は社会福祉政策であり国または地方自治体が負担すべきで、NHKが行うのはおこがましいから現行免除制度は廃止すること。
④ テレビの保有・非保有に限らず、またNHKの放送を見る見ないに限らず、受信料は国民の義務とする。たとえば、地方の公共インフラ(道路、水道、電気など)の整備コストは受益者の地方の住民の負担だけでは賄うことは不可能であり、事実上受益者ではない都市住民が支払う税金が投入されている。そうした事情を勘案すれば、テレビの保有・非保有に限らず国民のための公共放送にかかるコストは国民すべてが負担すべきであると思慮する。なお受信料支払い単位を世帯から個人に移行するに伴い事業所向けの受信料制度は廃止する。
⑤ ただし、受信料を税金化する場合、所得に応じた受信料にすることは選択肢の一つとして考慮することは可能と思う。(※新規の主張)
⑥ 事実上の最高意思決定者である会長職および経営委員は政府の任命によらず、公職とみなして公選制にする。NHKが放送する番組も芯に公共性が担保されたものに限定する。かつては民放に資金力がなく、NHKしか自前でドラマなどを制作できなかった時代から大きく社会は変貌している。「民にできることは民に」の原則を放送内容にも適用し、エンターテイメント番組はすべて廃止する。その場合、相当数のエンターテイメント番組担当の職員が必要なくなるので、民放や制作会社への転職の支援を行う必要がある。
(※余剰職員への転職支援は新規の主張)
⑦ 現在、各道府県に設置されている地方の放送局はブロック単位に再編する。具体的には北海道・東北・関東・中越・中部・関西・中国・四国・九州(沖縄はカバーできなければ沖縄も)に各地域放送局を設置すれば十分。(※新規の主張)
こうしてぜい肉をそぎ落とせば、国民が負担すべき受信料は現行の何分の1かに軽減できるはず。放送局を激減した場合、地方の取材に支障が生じるが、各道府県には放送局ではなく、道府県庁所在地に社会部記者とカメラマンだけ駐在させれば十分。また大半の都道府県には地域に密着した半官半民の放送局が存在するから(いわゆるローカル局)、各道府県のローカル局との連携を密にして地域の情報を集めるようにすればいい。もちろんそのための協力金はNHKが支払う必要があるが、そのことによってローカル局の経営にもゆとりが生じ、取材力も強化できる。まさに一石二鳥になるではないか。
以上で、3回にわたった『総務省に物申す』シリーズを終える。この最終稿を書き上げたのは昨年12月24日だが、昨年12月13日に胃および食道のがん(今のところ初期がんである可能性が大きく、転移の形跡は見られないようだ)を内視鏡手術で削り取って以降、天候がある程度落ち着いてきたせいもあると思うが、かえって元気になり、食欲も出てきた。
年齢的に、そう長い人生が残されているわけではないが、人は長生きすることが目的ではなく、何か自分にできること、したいこと(趣味とかボランティアとか、なんでもいい)を生きている間は続けるための手段である、と私は考えているので、生きる目的を喪失したら安楽死の権利を与えてもらいたいと願っている。
なお、最終稿のNHK改革提案に賛同していただける方で、訴訟によってNHK改革を実現したいと考えていただける方がおられたら、クラウドファンティングで訴訟費用を集め、社会派弁護団を組んで闘っていただければと思う。その場合、私もできる限りその活動に協力することを惜しまないつもりだ。
【追記】元旦早々、能登沖大地震が起きて東日本大震災以来の「大津波警報」が出された。やはり、こういう時にNHKなら対応できるという「公共放送必要性の錦の御旗」の神話が崩壊した。すべての民放が特別報道番組を組んだ。
NHK存続の最後の砦が崩れた瞬間である。
いまやNHKにしかできないことは青天井の予算でドラマや歌謡番組などのエンターテイメント番組を作ることしかない。
【追記2】このブログ記事は昨年12月に書き終えていた。『総務省に物申す』の最終回は今年の1月8日にアップした。
このブログ記事とは関係ないが、今日(1月9日)NHKは「新経営計画」を発表した。ずうずうしくも、昨年10月から実施した受信料10%値下げを今後も維持するというのだ。こういうのを「値下げ詐欺」と私は断定している。
改めて強調しておくが、値下げ後にNHKはBS放送を1波に削った。それまではNHKの放送は地上2波、BS2波の4波だった。つまり放送を25%削ったことになる。人件費も含め、放送にかかる費用は単純計算では25%削減されることになる。NHKは放送にかかる経費を公表していないので、単純計算通りに費用が25%軽減されたと断定はできないが、受信料10%値下げとの釣り合いがとれているのか疑問を持たない視聴者はいないはずだ。
さらに、こんな主張は絶対に許せないこともあった。民主主義を守るための放送を原点にしていると、繰り返し何度も主張した。民主主義は政治のシステムであり、概念は人それぞれで違う。いちおう「国民主権」は共通した理念だと思うが、国民主権を政治に反映するのは選挙制度しかない。その選挙制度は国によって異なる。私は日本に限らず、民主主義はまだ発展途上にあると考えており、過去『民主主義とは何かが、いま問われている』という長期連載ブログを20回以上書いてきた。いったいNHKは予算青天井のドラマを「民主主義を守る」ために作ってきたのか、そして作り続けていくのか。
さらに、これは初めてブログでは書くが、NHKはなぜ大相撲本場所をすべてに優先して放送し続けるのか。私自身はもう数十年間、大晦日の「紅白」は見ていないが、昨年の「紅白」はジャニタレをすべて排除したらしい。旧ジャニーズ事務所のスキャンダルが公になったことが原因のようだ。NHKはこの事件が公になる前は旧ジャニーズ事務所に無償で「性犯罪」用の特別室を提供していたようだ。NHKとは仲がいいイギリスのBBCが報道したことでメディアが急に旧ジャニーズ事務所問題を追求し始めたため、NHKも旧ジャニーズ事務所に対する特別待遇をやめたようだが、だったらNHKは大相撲の八百長問題をBBCが取り上げるまでは特別放送体制を続けるというのか。そういう放送体制をNHKは「民主主義を守る」行為だと考えているらしい。
NHKの視聴者窓口の「ふれあいセンター」は他のメディアと違って3段階になっている。最初に電話口に出るのは「コミュニケーター」で、その直属の上司(普通の組織の上下関係ではないようだ)の「チーフ」(係長か課長クラス)、そして最上位が「スーパーバイザー」(次長か部長クラス)である。基本的に個人の意見は言ってはいけないことになってはいるが、スーパーバイザーの場合は視聴者の意見に個人的に対応することが認められている。
が、「ふれあいセンター」の体制が著しく変わった。基本的に職員ではなく外部委託になったのだ。詳しくはわからないが、スーパーバイザーまで外部委託の人が担当するようになったようだ(私が「ふれあいセンター」に電話するときは単純な問い合わせのケースを除いて、報道に疑問を持った時には最初に電話口に出たコミュニケーターに用件だけ簡単に話してスーパーバイザーに代わってくれるよう依頼する。かつては私の存在はスーパーバイザーではかなり知られていて、シンパもいれば反発する人もいた。「ふれあいセンター」の場合は他のメディアと違って、コミュニケーターからスーパーバイザーに至るまですべて名前を名乗る。視聴者に対応する人の責任を重視しているためと思うが、私が「スーパーバイザーに変わってほしい」と頼んでも、必ずしもスーパーバイザーが電話に出るとは限らない(ようだ)。今日も電話を代わった相手は「責任者の○○です」と言って、私が「どう思います?」と聞いても「個人の意見は言えませんので」と言う。「担当者に伝えます」と言うので、「担当者って誰だ。会長に伝えろ」と言ったら、「会長に伝えます」と返答した。会長に直接話せるような立場の人ではないのに、平気でそういう対応をする。
最後に書き加えるが、北朝鮮はおそらく世界で唯一国名に「民主主義」を標榜している国だ。北朝鮮を「民主主義国家」と思っている日本人は多分NHK会長以外に一人もいないと思う。(1月10日午前0時)
【追記3】いま、1月10日の午前0時40分。【追記3】を書き終えて、私のブログ編集ページを見たら、なんと昨日(9日)の「訪問者数」は14、「閲覧者数」は18だった。こんなことは私が長期入院中だった時でもありえなかったこと。
私のブログ記事に対するNHKの対応がこれだ。私はNHKを敵視しているわけではない。そのことはブログでも明らかにしている。ただ、NHKの過剰反応に、とりあえず驚いているとだけ書く。