名南将棋大会ブログ 名古屋

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20190626今日の一手(その896);相矢倉の壁銀

2019-06-26 | 今日の一手

 20190626今日の一手

 

5月1日の名南将棋大会から、KさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。

玉の堅さは同程度なのですが、先手玉は上からの攻めに強いが横からは弱い、後手玉は上からの攻めに少し弱いが横からの攻めにも対応できるという違いがあります。要するに88銀の壁がマイナスになるかどうか。

先手の攻め駒は25桂と持ち駒角で2枚。

後手の攻め駒は52飛か64銀が加わって、持ち駒角と合わせて2枚です。

 

総合すれば互角です。

 

☆ 大局観として

後手の棒銀というか早繰り銀というか、7筋の歩を交換して73銀~74銀~75銀と進んできた銀を追い返すために先手Tさんは壁銀で受けました。今度は中央に手を付けられて、とりあえずは桂を跳ねて反撃をみせたところです。

攻め駒2枚では足らないので、攻め駒を増やしたいところではありますが、薄い中央を攻められているのも気になります。

攻めるべきか受けるべきか待つべきか。方針がわかれます。

攻めるには先手玉が不安定なのが気がかりです。

中央を受けるか、玉を固めて待つか、というのが正しい選択でしょう。その前に手筋の利かしがいくつかあります。

 

 

○ 77銀とするのが

悠長なようでも一番指したい手です。49角18飛35歩47銀27角成88玉

馬を作られても矢倉に入ってしまえば戦えるのです。26馬33歩同桂同桂成同銀61角

これは互角くらいですが先手の右桂がさばけているという主張です。

 

飛を取ってもらえれば

18同玉48飛74角

飛車を取られた時には玉を囲っているのが生き、先手もちです。

 

後手が角を打たないで中央から攻めても88玉としてしまえば

十分に戦えます。変化は多いですがこんな感じです。

 

○ 61角は打ちたいところです。

62飛83角成29角

飛をピンされてしまうのですが、77銀38角成同馬59飛88玉19飛成45歩

飛香と角の交換とはなりますが、先手玉が堅く、反撃できますから十分でしょう。

 

61角に74角

という応手もあります。飛を取り合うしかありません。52角成38角成63馬

39飛68玉48馬77玉

どうにか対応できるようです。

 

もちろん61角に82飛ならば77銀です。

49飛18飛67角成

一応心配しなくてはならない筋ですが、67同金87飛成96角

これは後手の指しすぎです。

 

やはり後手は馬を作るのでしょうが

前に出てきた図と、61角82飛が入っているかどうかの違いです。61角はなかなか死ななないので有効な利かしでしょう。

 

 

△か× 83角では29角

飛をピンされます。77銀の時に後手が55飛とできるのが違いですが、57歩と受けて

56歩28飛57歩成29飛67と同金58飛成68金

これは何とかなっています。

 

ですが35銀

銀交換に応じにくい(35同銀38角成同馬35飛)ですから27銀か47銀ですが、26銀か46銀か24歩か、受けきれないでしょう。

 

 

× 実戦は35歩と攻めたのですが

35同歩同銀同銀同飛、なんて応じて萌衣らえるはずはありません。何度か出てきた49角を打たれたら、18飛35歩47銀27角成

これは1歩損して1手パスです。18馬同香49飛~47飛成というのを受けるために飛を逃げるようではいけません。

 

49角には39飛のほうかもしれませんが

58角成34歩56歩同金25銀

67桂があるので敗勢です。

 

実戦は35歩に55銀

この攻めは少し足が遅いですが、34歩に37歩

これを取れないので、結局飛を攻めに使えません。58飛57歩28飛56銀68金引49角

これも明らかに不利になりました。

 

 

△ 33歩同桂

これだけを利かしと見て77銀から固めておくのならば良いですが、単に桂を交換するのでは先手にマイナスが多いです。

 

 

△か× 68金寄55銀

金を寄ると49角が怖くない(39飛と逃げて良い)わけですが、中央から突進された時に当たりが強くなっているかもしれません。1手の価値としては小さめです。

 

△ 47銀と引けば

中央には備えていますが、25銀同歩55飛

59飛成と25飛をねらわれます。58飛同飛成同銀39飛69銀打

一応は駒得ですが、金銀5枚あっても先手玉が堅くないのがマイナスです。幸い後手から厳しい攻めがないのでこれからです。

 

 

△か× 受けの手筋は54歩です。

54同飛56歩55歩72角

これはうまくやったパターン。

 

でも54同飛56歩に29角が痛くて

先手玉が堅ければ(矢倉に入っていれば)何でもないですが、ここで28飛56角成では悪いです。

58飛35歩に47角

綱渡りの受けがあって大丈夫のようですが47同角成同銀36歩同銀37角

後手のほうが指しやすそうです。

 

☆ まとめ

相矢倉での壁銀はかなりの悪形です。端攻めや棒銀に対しての受けで時々は出てくるのですが、その後で形を直せないと不利になります。

戦いのさなかでは指しにくく感じるでしょうが、隙を見て77銀~88玉を考えたい問題図でした。

 


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