20200115今日の一手
11月30日の名南将棋大会から、AさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
少し前はこの図です。
(後手の直前手がわかりませんが)先手番で84歩同歩75歩64歩と進んで
問題図です。
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手玉は堅い、とはいっても相振り飛車なので端や上部からの攻めは怖いのですが、当分は大丈夫です。これ以上固めにくいですし、攻めるだけでしょう。
桂頭の歩を突いて銀桂を進出させようとしたら、65桂と跳ねる手を阻止されました。角は手持ちですが、飛先が重く、銀桂の配置は良くないですから(銀桂の配置は守りには良いが攻めにくい形)、ちょっと苦労しそうです。
きれいに攻めが決まりませんが、まあまあ手が続けば良しとするところでしょう。
○ 棒銀の形ですし、歩切れですから95歩は突いてみたいです。
ただし97香としているので、突き捨てておいてから他の手は選びにくいです。95同歩には同銀よりも同香93歩85歩と攻める方が(この場合は)自然に感じます。
後手玉が82ならば95歩同歩同銀なのでしょうが。1歩手に入れて歩を合わせれば、銀桂を使いやすくなります。75歩84歩76歩85桂84銀
ここまでは進みそうです。ここからは66角83歩93桂成同香94歩
角を据えて端を攻めるか、
82歩から
82同金93桂成同香75銀
飛を使って攻めるか。ただしこの図では36桂同歩55角の筋で反撃を食らいます。でも桂をもらえば74桂を打てるので難しいところです。
他の攻め方は歩を合わせずに93同香不成(か同香成)
93同香74歩同銀92角
桂を捨てて両取りです。63銀81角成76歩
桂を取られて駒得にはならないのですが、どうにか攻め続けることはできるでしょう。
他には66角を打つのですが
74歩同銀84角ねらいです。これは次の変化に似ているのでそちらで。
○か△ 66角を打てば
後手からの55角を消しているということもあります。後手は44角と合わせるかもしれない(それも互角)です。
83金として正面から守れば95歩同歩同銀
今度は銀のほうで端を攻めます。95同香同香75歩85歩
76歩と突かれても84歩と取り込むのがぴったりなので、駒損でもまあまあ指せるかなあというところです。
後手としては65歩を突いて
65同桂64銀74歩65銀
桂を取ってしまうのが強い受け方です。先手は55角か84角か、桂を取られて3枚の攻めでしかないのでちょっと心細いです。
△ 実戦は56角を打ちました。
63金左に66歩35歩46歩
後手の35歩を見て、23角ねらいで46歩を突いてしまったのが失敗です。55角65歩46歩
後手から36歩同歩47歩成の攻め筋ができてしまいました。23角成36歩56馬37歩成
37同桂54歩36歩35歩
玉のこびん、桂頭に傷ができて難局です。この差が縮まりませんでした。
66歩では74歩
取り込んで74同銀76歩
この後にも書きますが、銀を進出させる足掛かりを作っておきます。83銀75銀73金寄
1歩あれば85歩で指せますが、この攻め筋はうまくいきません。
ならば95歩
戦線を拡大していくしかないところです。95同歩同香93歩85歩
これならば56角も十分に働きそうです。
ならば後手は93歩ではなくて94歩
94同香同香95歩54香74歩
先に香を手に入れて54香で角を殺したはずが、74歩の取り込みがぴったりです。74歩を取れば角を切られますし、82銀には73歩成~92角成。
ということは56角と端を組み合わせれば相当だったということになります。
△ 74歩は自然に見えますが
取り込めば後手から76歩を打たれそうです。74同銀には76歩
後手一手損角換わりに先手が早繰り銀で対抗する将棋で出てきますが、歩の支えを作って75銀と出るのが、案外に最近出てきた攻め筋です。
83銀75銀79角
ここでは97香型が災いして、角を打たれる隙ができます。87飛74歩84銀86歩
86同飛97角成85飛84銀同飛83銀
あるいは83銀のところでは82香74飛73銀かもしれません。飛を切って攻めが続くかどうか。駒損でも攻めるだけなので難しい形勢です。
○か△ 66歩と突いておけば
後手からの55角を緩和していますし、65歩を突いて攻めることもできます。後手はゆっくりできませんから、75歩同銀76歩85桂
この場合は桂を殺されても85桂と跳ねるのがぴったりです。85同歩しかなさそうで、同飛82銀
までは進むでしょう。64銀63歩(放置すると73歩がうるさい)75銀77歩成に65角
22飛21角成同飛74桂
ここまで決まれば攻め切れます。
後手は21同飛のところで36桂同歩55角
角の守りを入れておいて馬を取るのでしょう。先手は駒損でも攻めは続きます。
65角では55角もあって
後手は歩切れなので受け方は難しいです。73角同角成同桂86飛76角74歩
こんなところでしょうか。
× 98角とか
桂頭を守っての自陣角もありそうですが、22飛74歩同銀
ここで大した攻め筋がなく、85歩と合わせるくらいですが、厳しくないです。
△か× 48金寄とか、待っているだけだと63金左
7筋が手厚くなると攻めにくくなります。95歩75歩同銀76歩
後手は76歩を打ちやすいのです。74歩同金同銀同銀84飛83銀打
後手のペースでしょう。
☆ まとめ
1歩欲しいので95歩が読みの本線です。
後手玉はまだ62なので(よく見る)棒銀の攻め方ではなく、1歩手に入れて85歩という攻め筋か
それが思わしくなければ香を捨てて92角
という筋かを考えたいと思います。97香というのが角を持たれていると悪い形ですし、駒損でも端を絡めて攻めていくところでしょう。
相振り飛車でも、より相居飛車の感覚が要求される形になり、感覚派振り飛車党のMさんにとっては思い浮かびづらかったのかもしれません。
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