20200111今日の一手
11月23日の名南将棋大会から、HさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。(直前手は45歩打です。)
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の香歩得で馬 と金を作り合っています。先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。(56銀66銀は守りに働いているとは言えない。)
先手の攻め駒は12飛と持ち駒桂香で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒飛角桂で3枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手玉が堅くはないとはいえ、まだ手はついていませんから寄せを考える方が普通でしょう。駒得を生かして受けるのもありますが、37と で金を削られたら駒得は消えるので受けばかりでは勝てません。
前回の問題と似ている状況なのですが、ここでは攻める方に重点を置いて考えるところです。4枚目の攻め駒はどれにしましょうか。
☆ 簡単なまとめ
42馬が最強の手ですが
この先が読めるでしょうか?
手抜きは52馬、53金に63香(か53馬同銀63香)、62金引に64馬を確認してください。
△ 実戦は34馬でした。
駒を取りながら馬を攻め駒にできるのですから、一番自然に思えます。(でも歩得を重ねても評価は上がりません。)後手は62金引もありそうですが53金。そこで24馬
というのは後手の46桂を受けた守りの手です。方針がぶれたので疑問手になりました。49飛69香48と
24馬は受けとしてもあまり役立っていなくて形勢を損ねました。48同金同飛成43歩85桂
後手のほうが攻め駒4枚で受けきれなくなりました。
24馬では意味がなかったので43歩を打ってみます。
43同銀は同馬同金63香
角を渡しても構わないので寄せが速くなっています。駒損でも1対1の交換ならば攻め駒の数が減っていないのです。43金が離れた効果で寄せ切れそうです。
後手が43歩を無視すれば、49飛42歩成48と同金同飛成69香
この寄せ合いは形勢不明です。
△ 単に43歩は
と金を4枚目の攻め駒にしようというわけです。(13香成~23成香~32成香~42成香よりも2手速いです。)49飛42歩成48と同金同飛成69香
34馬53金を入れているかどうかの違いですが、馬を渡さないのが良いか、馬を攻め駒にしていないと見るべきか。似ているけれど少し違う変化で互角です。ここから62金引52と同金寄34馬62金寄53銀71金打
金銀を入れ替えて千日手のような、攻め切れるような、どちらでしょうか。
○ 42馬が一番強い手です。
53銀に75桂
42銀63桂成は後手玉が薄くなるので先手有利です。(馬を取られるのを嫌えば43馬71金に75桂ですが、43馬に62飛の受けもあるので一長一短です。)
62金引53馬同金62銀
62同金同飛成71角には83桂成
(これが見えなければ63香あたりですが)として寄っています。
42馬に62金引は
64馬63銀左37馬
守られたら長いですが、と金を抜けば駒得です。43歩の他に、75桂や65香もあるので攻めに困りません。
46桂の寄せ合いは
59金48と同金59角52馬
どこかで手を抜いて攻めれば良いでしょう。
53金には63香か
53馬同銀63香です。62桂と守れば同じことで、53馬同銀52金
食いついてしまえば勝ちやすいです。
○ 75桂は打ちたいところで
62金引には44馬
これで馬が攻めに使えます。後手は71桂とか守るほうが良いのかもしれませんが、やはり先手は と金を作って攻めることもできます。49飛の寄せ合いには62馬同金63香
金か銀をはがせますね。これは先手有利。
後手は75桂に手抜いて49飛、寄せ合いを目指すのでしょう。
63桂成同銀左34馬52桂
先手の駒得は広がっていますから、59金打~53香(か43歩)で有利です。
× 86香も打ちたいですが
49飛75桂48と
83香成からの寄り筋があるわけでもないので寄せ合い負けかもしれません。後手がこれを怖いと思えば86香に74歩ですから、86香自体が得ではありません。
× 95歩は
取れば歩を連打して86桂の筋ですね。後手は歩切れではあるのですが、構わず手抜いて49飛94歩48と
93桂や93香では厳しさに欠けます。これは後手有利のようです。
端歩のタイミングはもう少し早いか、もっと後で詰めろになるようなところで突きます。
△か○ 受けとしては49歩
43歩の攻めが消えてしまいますが、先に受ければ手堅い原則です。46桂や49飛を受けて、かなり手が稼げます。
△ 59金は離れ駒ですが
△ 69金
も同じようなもので、39飛68金寄48と43歩59と79金46桂42歩成
後手の寄せの速度は変わっていないようですが、桂を使わせたのでちょっと違います。受けるならば47銀もありましたし、形によっては得できるかもしれません。
△ 69香を打つのも
先受けです。49飛~48と同金同飛成 の手順前後であまり違いません。攻めを考えるならば香を打ったので攻撃力は下がっています。
☆ まとめ
攻め駒4枚というのはマジックナンバーで、その4枚を効率的に使えば簡単に寄せられます。問題図では攻め駒が3枚、4枚目は馬か と金か端(99香)か、という選択です。
端はぬるいようで、と金(43歩)は互角、馬を使うのが一番速いです。性能が良いですから。ここでは角を渡しても自玉に影響が少ないというのが好材料で、馬を切る(捨てる)攻めが利きます。
他の攻め駒として12飛は使いやすいから良いとして、持ち駒の桂香をうまく使いきれるかどうか。86香は効果が小さいので、75桂をどこかで打つことを考えます。金を逃げれば63香を打てる、攻め駒がきれいに使えた、ということになるのです。
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