『死への祈り』原題:Hope to Die(死ぬことを望む) ローレンス・ブロック著 田口 俊樹訳
「マット・スカダー」シリーズ-15作目
マットとエレインの夫婦が出かけたコンサートホールに居合せたホランダー夫妻が、帰宅後殺害されてしまいます。 それは強盗によるものと警察はみたのですが・・・ それは綿密に計画されたものでした。 幾つもの名前を使い分け、何も知らずに彼に殺され、彼の罪を着せられ死んでいった大勢のひとたち。 今作では、マットと犯人が交互に語る構成になっていました。 読み始めて間もなく、「彼は車に乗り、これといったあてもなく、車を走らせる。・・・・・・・・・・」との台詞に「アレッ?」車?マットは車を持っていないのです。
何と犯人の台詞ではありませんか。 この先こういったパターンが続き最後も犯人の描写で終わっていることに不安を感じました。 それを確信させるように、ナイフと銃の準備を整えているのですから・・・ このシリーズでは事件が完全に解決されなかったのだということも。
マットは本当に気付いていないのでしょうか真犯人のことを・・・
マットは62歳になっていて何だか平和に暮らしているようでしたが、彼の長男からの電話で厄介なことが次男に起こっていることを知らされ眠れぬ夜を過ごす父親の姿を見ました。