「マット・スカダー」シリーズ-5作目
『八百万の死にざま』原題:Eight Million Ways to Die(800万通りの死に方) ローレンス・ブロック著 田口 俊樹訳
「ニューヨーク」って、こんなに怖い街? 1988年発行のこの本を読んでいると、今は(も)?と聞いてみたくなります。
キムという娼婦が、この世界を抜けたいが、代わりに「ヒモ」と話をつけて欲しいと依頼され、「ヒモ」である男チャンスと会いキムの希望は呆気ないほどに受け入れられたのですが、その報告をして日を空けずにナタでめった切りにされた彼女が発見されました。
キムへの殺人の容疑がかかったチャンスは、真犯人を見つけて欲しいとマット・スカダーに頼んで来たところから探偵の仕事が始まりました。
マットは自分のことを探偵とは名乗っていません。 何故なら免許は持っていないのですから・・・ただ「依頼人」に便宜を図っているのだとの返事をします。 事件をきっかけに知り合った刑事ジョー・ダーキンの協力?で真犯人を捕まえる(マットに射殺されたのですが)ことができ依頼人との約束は果たしたことになります。
「ヒモ」であるチャンスは6人の女を抱えていました。 そのうちの1人キムは殺され、1人は自殺、残りの女たちもそれぞれチャンスの庇護?から離れて行き、彼は彼女たちを救えなかったことを悔やんで「失業」したとマットに胸の内を話しましたが、「人生は変わるものだ」「それに逆らっても仕方がない」と応えていました。 そしてこれまで聞いていた彼の生き方から助言をしていました。 マット自身も逃れられなくて苦悩を抱えていたのです。 余談ですが、この本に出てきた「ヒモ」は私たちが思っているのとは少し違うみたいですね。 日本の「ヒモ」って、本当に「紐」状態で、女性からお金を巻き上げて行くイメージなんですけど・・・
事件が解決して、アルコホーリクス・アノニマス(AA・飲酒に問題行動がある匿名の人々全般)の集会に参加したマット(これまでにも何回か参加し、禁酒と入退院を繰り返していました)は、遂に吐き出すのでした。 「マットと言います」「私はアル中です」と・・・
そして泣き出すのでした。 こう発言をしたことで、逆らっていた人生に「さよなら」できたのかな? それは、これから読む本で判るのかしら?と言ったところです。 すっかり「マット・スカダー」シリーズにハマっています(∀`*ゞ)テヘッ