あんな・こんな

観たり、聴いたり、感じたり・・・あんな・こんなを綴ります。

印象に残っていない筈でした🎦📚

2025年02月20日 22時11分52秒 | 読書

『長いお別れ』中島 京子著 
 

 映画を観たと思っていたのに内容が思い出せないっ!!! 
それもその筈、観ていなかったと言うより観逃がしていた映画だったのですから(^_-)-☆ 

認知症になった父親・東正平をめぐる妻・曜子、三人の娘と孫たち・・・ 認知症初期の頃に出会った遊園地での幼い姉妹との突然のできごと(大人が一緒でないとメリーゴーラウンドに乗れないので頼まれて妹の方をしっかり掴まえて守るように・・・)からお話が始まり、長女・茉莉の次男・タカシが学校に出て来ず遊び惚けていたことで面接を受けるために校長室で祖父が死んだことを告げ・・・話し終えて校長先生と握手を交わし部屋を出て行くところで終わっています。

 認知症になった東正平は、長く都内の中学校の先生をし校長も務め、退職後は図書館長にもなった人物でしたが、それ故に周りの人たちの戸惑いや困惑が伝わります。 10年もの間介護を続けた家族たちには「お疲れさまでした」の言葉しか浮かびません。 80歳で旅立った父親・夫の東正平はみんなに『長いお別れ』(10年かけて・・・)をしたんですね。 
「長いお別れ」とは少しずつ記憶を失くして、ゆっくりゆっくり遠ざかっていく認知症のことだと、タカシの面談の時に校長先生が言っていました。

また、妻や娘たちも「QOL(quality of life)」(本の中では、介護施設のスタッフの言葉として「生活の質という意味で、人生の最後のステージを自分らしい生き方で楽しんでいただきたい」と伝えています。)を理解、納得し父・夫への選択をするのでした。 頭も体も壊れてしまっているのに嫌なことは「やだ!」と、拒否だけが生の証であるように言っていた父・東正平。 自分の意思をハッキリ見せる姿を見ていたからこその家族の決断だったのでしょう。 

東家の三姉妹
長女:茉莉(海洋研究所に勤める夫の仕事でサンフランシスコ近郊のモントレーに住んでいて、高校生と小学生の男の子がいる。) 
次女:菜奈(菓子メーカーに勤める夫と、小学生の息子と暮していて、母の入院や父の介護の最中、妊娠に気付く。) 
三女:芙美(独身でフードコーディネイトの仕事に忙しくしている。)たちは、母親が目の病いで入院・手術の中、父の症状が進むにつれて起こってくる具体的な問題に直面していきます。 どこの施設に入れればいいのか、そもそも特別養護老人ホームの何処に入れるのか、費用はどうするのか等など。 

認知症が始まってから、父親はよく「帰りたい」と言っていましたが、故郷を訪れても「帰りたい」と言い、カリフォルニアの長女の家に行った時、施設に入った時、自分の家にいる時でさえ。 一体、帰りたい場所は何処だったのでしょう。

 認知症は、いつか我が身にも訪れる!?・・・100歳を目前に亡くなった母も、今にして思えば認知症の兆しがあったのかも・・・ 生前よく言っていた言葉を思い出します。 「(私が)女の子でよかった!」と。 私は一人っ子だったのと母子家庭だったから余計にそう思っていたのかな? 
母も自分の最期を自分で決めて旅立ったような気がしています。 私も母を見習って生き抜こう!


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