映画鑑賞🎦 2025年1月 4本目 Total-4本 MOVIX尼崎にて・・・『敵』モノクロ作品でした。
フランス文学の元教授渡辺儀助(長塚京三)は、受け継いだ実家である日本家屋でひとり暮らし。 妻・信子(黒沢あすか)は20年も前に亡くなっています。 料理、洗濯、掃除も手慣れた風に規則正しく生活をしています。 年下の、友人(松尾貴史)と呼べる人物と時々バー「夜間飛行」でお酒を飲み語らう仲。 預貯金がいくらあり、月々いくらの収入と支出があるから割り算すれば自分の残りの人生を計算できると話す元教授渡辺儀助に、「人間ドック」を受けるようにと勧めるのですが、先生の方は病気を探すようなものだと応えます。 そんな先生が自殺しかけるのですが・・・
何かと家の雑用をしてくれる教え子(松尾諭)や密かに憎からず思っていた教え子・鷹司靖子(瀧内公美)も時折夕食を共にして帰っていきます。
ある時「敵がやってくる」とメールが入り、これを機に儀助の様子がおかしくなって規則正しく生活していたのが徐々に崩れて行ってしまいます。
この間にバー「夜間飛行」で出会った大学生・菅井歩美(河合優実)に300万円貸したものの行方知れずに。 バー「夜間飛行」も閉店となり、歩美にも逃げられ?(騙され?)、手がかりを得られないかと友人(松尾貴史)を見舞うのですが、思った以上に病状は悪く、その時「敵」が来るから逃げるようにと腕を掴まれ促されます。 ここまで来ると夢幻と現実が入り乱れて!・・・
廊下で雨を見ながら「春になったら、みんなに逢えるな」と呟いて・・・ 遺言書を残して旅立ちました。 子どもも兄弟姉妹も居ない中、家を相続した遠縁に当たる男性が物置で見つけたアルバムから落ちた写真は自分と同じ顔の人物。 物置から出て双眼鏡で母屋の方を見ると、亡くなった儀助が窓際に佇んでいて・・・これがラストシーンでした。 儀助の幻?を見た彼は何を思ったのでしょう。
「敵」とは何、誰だったのでしょうか?
亡き妻・信子は「一度もパリに連れて行ってくれなかった(フランス文学の教授なのに)」と責め、教え子・鷹司靖子(瀧内公美)には「いつも先生から呼び出され部屋の中に二人きりにされ、遅くまで食事に付き合わされたのは、パワハラでしたよね?」との言葉はショックだったようです。
これ等のことは、儀助(長塚京三)にとって後悔であって頭(心)から離れなかった。 これは内なる「敵」、外敵は無かったようですが・・・
あくまで、私の感想です。 モノクロだからの、良い映像でした。