齋藤大悟 : Daigo Saito

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野町和嘉さんのトークショー

2010年02月27日 | イベント

Photo

鍵 / Nikon COOLPIX P5100

   

今日は世界的写真家である野町和嘉さんのトークショーがあり、

是非、直にお会いしお話がしたい、聞きたいと思い、土門拳記念館へと足を運びました。

館内には、土門拳賞受賞者の作品が展示されており、

また、土門拳さんの作品も巨大なプリントで展示されていました。

トークショーでは、最初に野町さんのプロフィールと、その昔土門拳さんから

頂いたという写真集「こどもたち」(土門拳さんが左手で書いたというサイン入り)

がご紹介され、そして、野町さんが初めてサハラを訪れた時の出来事から、

スクリーンに映し出される写真と共にお話をして頂きました。

アフリカ、チベット、インド、そしてアフリカで最も魅せられたというエチオピア。

そこに住まう人々の営み、おかれている状況、祈り、宗教、内戦、親子の姿、

孤児の姿、真実の姿・・・、淡々と語られる野町さんの言葉が非常に重厚に感じられました。

どの写真も非常に印象的かつ衝撃的で、その中でも特に印象に残っているのが、

エチオピアで撮影された、一人の少年が写っている写真です。

この少年は、翌朝亡くなっていたという事でありました。

                   ◆

濃密なトークショーが終了後、質問を受け付けるという事で、

特に印象に残った少年の写真について、ご質問させて頂きました。

「・・・飢餓という状況の中、野町さんがその環境におかれている人々のそばに

身を置いて過ごす心境は?シャッターを切る心境は?

また、その方々とのコミュニケーションを通して感じる事は?・・・」

野町さんから得た回答の一語一句を明確に記す事は困難なため、

箇条書きで示しますと、

・圧倒される。

・葛藤がある。

・その場に踏み込んで行きたい。

・その場で見据えたい。

・慣れてくる。

という事であり、非常に明快な回答を頂く事が出来ました。

世界的写真家の野町さんに直接お話が出来る機会など極めて限られてしまうが故、

どうしても聞きたい事を、恥を承知でご質問させて頂きました。

以前、野町さんは広告写真をかなり撮られていたとの事でありますが、

広告には見出せない「写真」の意味を感じるそうです。

そして、野町さんが繰り返し言われていた「写真は言語を超える」という言葉が、

非常に深く心に残りました。

                   ◆

どんなに強固で分厚い扉も、小さな「鍵」一つで視界が開かれるように、

それがそのまま、何か日々日常生活の中でのキーワードになる様な気がします。

今日のトークショーには、地元の中学生(もしくは高校生)の姿もありましたので、

僕も一生徒として、勉強させて頂いたと思っております。

どうもありがとうございました。

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