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東北の今年は冷夏の予想です。冷たい梅雨の雨が続いています。
梅雨の晴れ間の散歩道にヒルガオの花が咲いていました。幼い頃あの人と遊んだあの道にもヒルガオの花が咲いていました。シャボン玉のような美しい思い出がよみがえりました。
私は五歳、あの人は四歳、隣の家の可愛い女の子でした。集落のはずれの二軒でした。幼稚園や保育所などなかった時代です、二人はいつも一緒でした。二人だけの楽しい世界でした。そして六歳になった私は父の仕事で遠くにその人と別れました。
80年の月日が過ぎました。ふとしたことでその人の消息を知りました。あの人はもう80年も昔の幼い二人のことなど覚えているはずなどない、そう思いましたけど懐かしさの思いに心がふるえ迷いましたけど思い切ってその人に電話しました。
「さんたろうです、おぼえてなんかいらっしゃらないと思いますけど、こどものころ遊んださんたろうです」、その人は絶句してしばらく無言でした。「ごめんなさい、おかしな電話して」とお詫びして電話を切ろうとすると「覚えています、あんなに楽しく遊んだ二人ですから。そして私の「80年も過ぎましたけど、あなたはいつも私の心の中のお姫様でした」という言葉に「あれって二人の初恋だったんでしょうか」と明るく屈託なくその人は笑いました。私も嬉しくて笑いました。幼かった二人の思い出に話しは弾みました。
でも、そのあと二人は電話などしていませ、幼い美しい夢が壊れるといけませんから。 私のだいじなだいじな幼い日々の思い出ですから・・・