神戸市立博物館で開催中の「日本のアニメーション美術の創造者 山本二三展 -天空の城ラピュタ、火垂るの墓、時をかける少女ー」を見に行ってきた。
山本二三(やまもとにぞう)はアニメーションの背景画家だ。いや美術監督と紹介した方がいいんだろうか?とにかく、アニメに登場する動くモノやキャラクターより主に後ろにある風景を専門に描く人たちの中の第一人者だ。
アニメの中でそれ自体が変形する必要がない部分⇒「風景」はたいていキャラクターよりも細かく描き込まれている。動く部分…塗り方が単純、動かない部分…塗り方が細かい、という差がある。なので昔のTVアニメなんかだと、“崖際を歩く主人公が足を乗せると崩れる地面”が事前に判別できたりした。今はそんなことはないのかもしれないけど。
「未来少年コナン」「ルパン三世」「じゃりん子チエ」「名探偵ホームズ」「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「時をかける少女」、その他短編やアニメ化に至らなかったもののイメージボードなど180点の作品が年代を追ってセルに描かれた原画が展示されている。背景画は思ってたより小さい印象を受けた。どの画も小さい画面に細い筆で細密に描きこんである。光と陰影、色合いなど、自分がイラストを描く時に参考できるところがないか見ていたら、全部見るのにかなり時間がかかってしまった。
舞台になった西宮市が近いということもあり、「火垂るの墓」の背景画の展示数が多かった。火垂るの墓は、一度だけ最初から最後まで通して見たことがある(それもけっこう最近になって)が、鼻水が出るくらい泣いた。民家が燃えている画や焼け残った小学校の画は恐いし見るのが辛いが、雨上がりの路地の画なんかの雰囲気はいい。火垂るの墓の背景画は山本二三本人も気に入っているそうだ。
入り口で音声案内のヘッドホンを借りた。前を素通りしようと思ったが、看板に案内の声が田中真弓(「天空の城ラピュタ」のパズー、「ドラゴンボール」のクリリン、「ワンピース」のルフィなど説明のいらない超有名声優の1人)だと書いてあって借りると即決した。本人のインタビューも聞けたので借りて正解だった。
よい芸術を鑑賞されて羨ましいです。
あのシーンは無条件に泣けますね。あの物語自体は野坂昭如の自伝というにはフィクション的要素が大きいらしいですが、あんな風に哀しい最期を迎えた子がいただろうということは想像に難くありません。あんな目に遭う子が二度と現れないようにしないといけませんね。
今夜はめっきり涼しくなってしまって…夏の終わりを感じると寂しくなります…