薨去
薨る
コウ
みまか(る)、し(ぬ)
薨
【解字】形声。死+瞢。音符の瞢(ボウ)=(コウ)は、目がかすんで暗くなるの意味。人の意識かすんで、やがてなくなるの意味を表す。
- しぬ。みまか-る。諸侯が死ぬ。日本では皇族、または三位以上の人に用いた。
- こわれる音の形容。
- 多い。
- 速い。
先の記事でも少し触れましたが、
身罷(みまか)る ⇒ 薨る
とも書き、身がこの世から罷(まか)り去るの意。
罷りは、罷免という言葉でも使われているように「辞める」という意味を持つ。
よく時代劇で使われる ”罷り成らん” は、意味や語調を強めるのに用いているので注意が必要。
この場合は、「成らん」を強調している。
「薨る」はもちろん、「薨去」も初めて目にする方がほとんどかと思われる。
”死ぬ” という呼称についても多くの種類が存在する。
崩御 天皇・太皇太后・皇太后・皇后の死去を敬っていう語。昔は上皇・法皇にもいった。
薨去 皇族または三位以上の人の死去。
卒去 四位・五位の人、皇族の王・女王の死去。卒。また一般に身分のある人の死去。
逝去 他人の死の尊敬語。
他界 死ぬこと。特に、貴人の死去をいう。
死去 人が死ぬこと。死亡。死没。
死亡 人が死ぬこと。死没。
死没 人が死ぬこと。死亡。
永眠 永遠に眠ること。死ぬこと。永逝。
往生 この世を去って他の世界に生まれ変わること。
物故 人が死ぬこと。死去。
死んでからも ”順位” があるということか。
英語では
Die
以外の呼称があるのだろうか気になるところ。
崩御については、昭和天皇が亡くなられた時にマスコミで使われたのでご存知であろう。
ちなみに、年が若くして死ぬことを「夭逝(ヨウセイ)」と言いますが、1級試験問題では同じ意味で「夭折(ヨウセツ)」という言葉も出てきます。