自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

『わたしの少年のころ』 アンデルセン

2011-11-24 06:35:46 | 児童文学
数年前に、卒業生のFさんに、小学校で廃棄することになった絵本や児童文学を大量に分けていただいたことがあります。


ぼろぼろになってしまったために、捨てることになったのでしょうが、名作もあり捨てるには惜しいものばかりでした。


子ども未来の本箱に収めておいたものの中に、先日アンデルセンの本を見つけました。


『わたしの少年のころ』




最近、ワークショップで幼いころの自分を思い出していたこともあり、このタイトルの本を開いてみたわけです。


アンデルセンは、とても貧しい家庭で育ち、苦労を重ねながら創作童話を書き続けた人でした。



この本は、物語ではなくアンデルセンの自伝です。



書評には、アンデルセンはいくつもの自伝を書いたことが記述されていますから、その中の一編なのでしょうか。


書き始めの文章が印象的だったので、ここに紹介します。


「わたしの一生は、美しい童話です。たいそう豊かで幸福な童話です。

まずしい少年のわたしが一人ぼっちで広い世間にでたとき、人の運命をうごかす女の魔法使いが、わたしにむかって、

『じぶんの進む道と目当てを、じぶんでえらびなさい。そうしたら、おまえの心がのびていくにつれ、この世の道理にかなうように、わたしがおまえを守ってみちびいてあげるよ!』

と、いったとしても、わたしの運命を、わたしのこれまでの一生を、もっと幸福に、もっとじょうずに、もっとりこうにみちびくことはできなかったでしょう。

 わたしの身の上の話をお聞きになれば、“なさけぶかい神様がおいでになって、なにごともいちばんよくなるようにみちびいてくださるものだ”ということが、わかるでしょう。わたしも世間からそういうふうに聞かされています。」



ボクは、この一文を読んだだけで、気持ちが豊かになりました。


いわさきちひろさんの挿絵が見事で、お話は悲しい内容にもかかわらず決して悲惨にならないための助けとなっているような気がします。





アンデルセンの絵を見たことがありますが、彼のスケッチも見事なものでした。



旅好きなアンデルセンは、訪れる国や町で数多くの絵を残し、アンデルセン博物館に収められています。



彼の不遇な少年時代は、彼自身の成功への大切なプロセスだったことが、本当によく伝わってきました。




だからボクの「今」も、まだその道の途中。






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