自分セラピー

「自分を好きでいる」ことは人生を豊かにしてくれます。そこに気づかせてくれる沢山のファンタジー文学を紹介していきます

カワ・トゥギトゥに出会ってしまった。

2014-05-15 07:10:59 | 美術展
先日来、シンボルの世界について書いていると、いろいろな人から、「イメージの力展」について聞かされる。


六本木の国立新美術館でやっている「The Power Of Images」


スケジュール帳を見ても、ゆっくり行く暇もない。


6月は比較的ペースがゆったりだと思っていたら、あっという間に出張仕事が二つも入ってしまっている。


「そうだ!美術館へ行こう!」と、コマーシャルのコピーの様に思いついて、昨日の夕方に行ってまいりました。


大阪万博公園にある「国立民族学博物館所蔵」のコレクションだそうだ。


入場して、ボクはもうそこで釘付けになってしまった。


パプアニューギニアの、祭礼に使う椅子。


これが椅子か?と思うような、でも、「神像つきの椅子」と書いてある。


その名も「カワ・トゥギトゥ」


3体並んでいて、ボクはもうそこからしばらく動けなかった。


文化人類学者の吉田憲司さんが「イメージの力を探る」の文章の中で、こんなことを言っている。


「外界からの刺激を認知することにより、心に一定のイメージ――この場合のイメージは、人間が外界ではなく自らの内面に作り出したものとして、「造形」というより「心像」と訳すほうが適当であろう――が、生まれ、「ことば」はその「心像」の「かたまり」のような「カタチ」をときほぐそうとする営みによって生まれることがわかってきている。

「とすれば、イメージは、言葉に先行し、むしろ言葉を生み出す作用をもつものだということになる。聖書に言う、はじめに「ロゴス」ありきではなく、「イメージ」ありき・・・・」


インフォメーション(Information)という言葉がある。


ピアニストであり、哲学者でもあるアーヴィン・ラズロ博士が、その著作の中で、このインフォメーションのことについて書いていた。


目に見えないものにカタチを与えること、つまり「In Form」することが、すなわち情報(様々なエネルギー)なのであって、この現実世界、あるいは宇宙は、情報によってそのカタチを与えられている、ということなのです。


ボクたちの祖先は、見えないものの力を恐れ、その見えないものにカタチを与え、目に見えるようにしてその力をコントロールしようと試みてきた。


それが、神像であり仏像などの象徴ということ。


展示は、人類がイメージをカタチにしてきた様々なものが続き、足を止めずにはいられない。


「こんにちは、お久しぶりです」


なんと、卒業生で動物を模したアクセサリーやドローイングを続けているアーティストのYFKさんとばったり。


「一度来たんですけれど、ゆっくり見れなかったので、今日また来たんです」


彼女が言うのもわかるほど、展示は奥が深い。


世界中の仮面が並び、文様が並ぶ。


それは見慣れた東洋のものばかりではなく、インドネシア、南米や北米、さらにはアボリジニなどのものも数知れず。


神の元へと魂を送る見上げるほどの高さの神像は、まさに「高みとつながる」ためのものだったのだろう。


どの展示も圧巻。


アートは、芸術、なのだろうか。


いや、やはりアートは定義づけすることのできない、人間の内的なエネルギーの発露そのものなのだと思う。


だからこそ、アートは心そのものであり、アートに人間の心を癒す力があるのだと思う。


アートセラピーにかかわる人はもちろん、だれもが心のふるさとを旅するようなこの美術展は、必見ですぞ!!








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