久々に書店を探索してたら柳田邦男さんの本を見つけた。
学生の頃『ガン回廊の朝』を読んでその冷静で淡々とした筆運びの中に、温かい眼差しと静かな感動を覚え、事実の中から真実を見つける事の大切さと難しさを教えられた。フランクルの『夜と霧』もその著書の中で知って読んだ記憶がある。
今回は、『大人が絵本に涙する時』という本で、<人生には3回絵本と出会う時がある>子供の時、親になった時、人生後半に改めて読む時、というもので子供から大人までお勧めである。
私は童話が大好きな子供で、ソノシート付き絵本というのがあって、飽きもせず繰り返し聞いてた。現在もなにかしらたまに読み返してる。
アンデルセンの故郷にもいつか行って見たいと思う程である。下手な小説よりはずっと癒されるし、小さい頃読んだ時とまた違った深い意味を発見する事もある。
『マッチ売りの少女』や『幸福の王子』は、子供の頃はただかわいそうで何度も読んでたが、『マッチ売りの少女』は、<雪の中で死んでいた少女は最後にとても幸せな夢を見ていた事を誰も知らない>という所に深い意味があり、<人の幸不幸は表面では解らない事>と、<おばあちゃんが優しくしてくれたという、その一瞬でも良い思い出があれば、人は亡くなる前に幸せな夢を見る事が出来る>という事を、教えてくれた…なんて温かい眼差しだろう。
また『幸福の王子』は巣の中で子ツバメ達が顔を並べてるのを見て、その可愛らしさが大好きだった私は、金箔が剥げて汚くなった王子と傍で死んでるツバメの物語が、幼心に可哀そうで仕方がなかった。でも王子もツバメもとても満足だったのだ。と、大人になった今は思える。
<ぼろぼろでみすぼらしいもの、それは誰か他の人が豊かになったり輝いたりした結果かも知れない>という想像力を持たなければいけない事を教えてくれた。
『泣いた赤鬼さん』は真の友情の意味を教えてくれたし、『フランダースの犬』は何回読んでもも涙なしには読めない。
また子供が小学生の時の国語の教科書に載ってた、『ちいちゃんの影送り』というのも童話ではないが、子供だけでなく親にも読んで頂きたい文章である。
座右の銘のように、枕の横に<お気に入りの童話>を置いておきたい。
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