10年前、福島の原子力発電所の事故より、日本中の原子力発電50基が全て停止しました。マスコミは「安全が確認されても動かすな」とか、「安全対策の猶予期間を認めるな」などと、絶対安全を求めていました。
物事を安全にしようと思えば、お金、時間、手間をかければなりません。コストをかければかけるほど安全になるかと言えば、そうとは限らずコストと効果には限界があります。 電力発電を考えるとき、エネルギー問題は社会全体のインフラであり、重要な経済問題であり、政治問題です。
安全第一といいますが、原子力発電を止めたことにより、化石燃料発電が増し、その分石油やガスの輸入が増え、電気料金が上がるだけでなく、二酸化炭素の排出量が増えて、大気が汚染され、フロンの気体排出による温室効果ガスの影響で異常気象が起こり、猛暑や暖冬、最近では線状降水帯や大雪などで各地に被害をもたらしています。これが安全第一でしょうか。
猛暑で、冷房のスイッチを入れれば室内は冷えますが、屋外へはその分の熱を放出し、市街地はますます熱くなるという「イタチごっこ」を繰り返しています。そうかといって気温が体温を上回る状態では「熱中症」を心配しなければなりません。病に倒れるよりは涼しい部屋で過ごすのは当然のこと、冷房は生き延びるためのコストと考えねばなりません。
9月に入っても猛暑日、真夏日が続きます。安全な原子力で発電コストを下げて、異常気象など気候変動をなくする手立てはないものでしょうか。