1月17日(月) 晴れ
広島の実家に戻りまして2日目となりました。
とても空気がきれいですね。外に出るたびに唾を吐いていた日常とは違います。
さて、番外編(回顧録?)2回目の本日は大学におけるビジネスについて
記してみたいと思います。
包先生に成績を提出した翌日だったかと思います。2年生のある女子学生が
部屋に遊びに来ると言って来ました。理由は不明です(笑)
1年生の時は、とても真面目でそこそこ勉強はしていたはずなのですが、2年生に
なるとさっぱり。私の授業でも話が聞き取れていないのが明白な子でした。
私の部屋に来るのは初めて。実際に来ても日本語で会話が出来ないので
仕方なく中国語での会話。今や1年生でもなんとか食らいつくのですけどね・・。
その学生がプレゼントをくれました。
山東省に生家のある「孔子」像の切り画です。なかなか綺麗なものでした。
ただ、頭の中では何ゆえにこんなプレゼントをくれるのか不思議でした。
今までプレゼントをくれたのは、何度もチャットをしているかメールをしている子。
彼女はどのタイプにも当てはまらないのですね。
その翌日、彼女から携帯にメールが入りました。
「先生、今回の試験はとても重要ですので成績を宜しくお願いします」
そういうことなのね・・・。
しかし、もう包先生には提出したから、どうにもできないな。
彼女の成績は70点。出席率はそこそこいいのですが、テストの成績は・・・。
その話をたけしにしたところ、彼女は学生会に属しており、書記という上から3番目の
ポジションにいるため、恐らく学院長に金を払っているはず、とのことだったのですね。
そして1科目でも80点を割るとその役職を下ろされるため、維持に必死になっている
のだとか。
どこの大学にもあることだそうなのですが、学生会には主席・副主席(2名)・書記
というランクがあるのだそうです。
このレベルは就職の際に有利になることは勿論ですが、もっと重要なのは奨学金
なのだとか。
この学校には4つの奨学金制度があり、
国家級(国)省級(山東省)市級(維坊市)そして学院級(学校)だそうで
国家級は8000元レベル
省級は5000元レベル
市級は500元レベル
学院級は300元レベル
ものによっては年に数回の支給があり、最高で総額16000元に達するのだそうで
す。
この最高額の国家級は1つの学校で2~3名にしか支給されないそうですが
この学校の外語系の役職が学校の中で上のポジションにいるらしく、外語系の
主席になればほぼ確実にこの8000元が手に入るのだとか。
そして次点になる省級から学院級については主席から書記までほぼ確実に手に入
る。
ということで、このポジションを得る為に学院長(学部長)に取り入る為に裏金を
渡す学生がかなりいるのだそうです。主席で8000元、国家級の奨学金そのまま
ですが、それを差し置いても残り8000元が後々手に入ることになれば素晴らしい
ビジネスになりますね。教師の平均月給が1500元の世界ですから。
私のところに来た女子学生もおそらく5000~8000元をつぎ込んでこのポジションを
得たのではないかということでした。そしてこのポジションはどの授業であれ75点を
下回ってしまった場合は剥奪になるのだそうです。
つまり、せっかくつぎ込んだ裏金が水の泡と消えてしまうのですね。
もし仮にそのポジションを剥奪されたら、次の人材はどうなるのか?
補填するか、欠員のままにするか、それはそのときの裁量なのだそうです。
仮に主席のポストだったりすると次の人材をあてがう事になるのですが、ここでも
学院長への裏金が起きる可能性があるので、仮にそうなれば学院長は2度美味しい
思いをすることにもなるわけです。
たけしには、彼女の成績を話したのですが、「大丈夫ですよ」との返事。
この状況は教師なら知っているはずとのことでした。
というのも、包先生のテストでも同じくロースコアが予想されるので何かしらプレゼント
なりお願いに行っているはずだと。私の成績も包先生からクラス担任に渡されるので
その時点で成績が書き換えられている可能性も十分考えられるのです。
『だったら上の先生にお願いしたほうが早いんじゃないの?』という素朴な疑問ですが
できるだけ現場に近い先生にお願いしたほうが同情されやすいし贈り物も安くて済む
という考えなのだそうです。
たしかに、真面目にやっている日本人教師なら現金の受領はまずしないでしょうからね。
この学校全体の主席ともなるともっと高額になり、校長(学長)に2万元クラスを
入れるのだとか。
名誉を金で買う。そして何もしない。経済力のある家庭の子でないと無理ですね。
実際に、どれくらい裕福で経済力があるかの見せしめに使っている学生も
珍しくはないそうです。
こういう学生会や協会(日本で言う部活や公認サークル)の役職に就いている
学生はよく掲示板に写真で紹介されることがあるのですが、さすがに今までは
学生会の主席や書記と見ると、『成績優秀なんだな』と見ていたのですが、
これからは見方が180度変わってしまいますね。
ちなみに協会の部長クラスは奨学金は少なく仕事が大変な本当に優秀な学生です。
広島の実家に戻りまして2日目となりました。
とても空気がきれいですね。外に出るたびに唾を吐いていた日常とは違います。
さて、番外編(回顧録?)2回目の本日は大学におけるビジネスについて
記してみたいと思います。
包先生に成績を提出した翌日だったかと思います。2年生のある女子学生が
部屋に遊びに来ると言って来ました。理由は不明です(笑)
1年生の時は、とても真面目でそこそこ勉強はしていたはずなのですが、2年生に
なるとさっぱり。私の授業でも話が聞き取れていないのが明白な子でした。
私の部屋に来るのは初めて。実際に来ても日本語で会話が出来ないので
仕方なく中国語での会話。今や1年生でもなんとか食らいつくのですけどね・・。
その学生がプレゼントをくれました。
山東省に生家のある「孔子」像の切り画です。なかなか綺麗なものでした。
ただ、頭の中では何ゆえにこんなプレゼントをくれるのか不思議でした。
今までプレゼントをくれたのは、何度もチャットをしているかメールをしている子。
彼女はどのタイプにも当てはまらないのですね。
その翌日、彼女から携帯にメールが入りました。
「先生、今回の試験はとても重要ですので成績を宜しくお願いします」
そういうことなのね・・・。
しかし、もう包先生には提出したから、どうにもできないな。
彼女の成績は70点。出席率はそこそこいいのですが、テストの成績は・・・。
その話をたけしにしたところ、彼女は学生会に属しており、書記という上から3番目の
ポジションにいるため、恐らく学院長に金を払っているはず、とのことだったのですね。
そして1科目でも80点を割るとその役職を下ろされるため、維持に必死になっている
のだとか。
どこの大学にもあることだそうなのですが、学生会には主席・副主席(2名)・書記
というランクがあるのだそうです。
このレベルは就職の際に有利になることは勿論ですが、もっと重要なのは奨学金
なのだとか。
この学校には4つの奨学金制度があり、
国家級(国)省級(山東省)市級(維坊市)そして学院級(学校)だそうで
国家級は8000元レベル
省級は5000元レベル
市級は500元レベル
学院級は300元レベル
ものによっては年に数回の支給があり、最高で総額16000元に達するのだそうで
す。
この最高額の国家級は1つの学校で2~3名にしか支給されないそうですが
この学校の外語系の役職が学校の中で上のポジションにいるらしく、外語系の
主席になればほぼ確実にこの8000元が手に入るのだとか。
そして次点になる省級から学院級については主席から書記までほぼ確実に手に入
る。
ということで、このポジションを得る為に学院長(学部長)に取り入る為に裏金を
渡す学生がかなりいるのだそうです。主席で8000元、国家級の奨学金そのまま
ですが、それを差し置いても残り8000元が後々手に入ることになれば素晴らしい
ビジネスになりますね。教師の平均月給が1500元の世界ですから。
私のところに来た女子学生もおそらく5000~8000元をつぎ込んでこのポジションを
得たのではないかということでした。そしてこのポジションはどの授業であれ75点を
下回ってしまった場合は剥奪になるのだそうです。
つまり、せっかくつぎ込んだ裏金が水の泡と消えてしまうのですね。
もし仮にそのポジションを剥奪されたら、次の人材はどうなるのか?
補填するか、欠員のままにするか、それはそのときの裁量なのだそうです。
仮に主席のポストだったりすると次の人材をあてがう事になるのですが、ここでも
学院長への裏金が起きる可能性があるので、仮にそうなれば学院長は2度美味しい
思いをすることにもなるわけです。
たけしには、彼女の成績を話したのですが、「大丈夫ですよ」との返事。
この状況は教師なら知っているはずとのことでした。
というのも、包先生のテストでも同じくロースコアが予想されるので何かしらプレゼント
なりお願いに行っているはずだと。私の成績も包先生からクラス担任に渡されるので
その時点で成績が書き換えられている可能性も十分考えられるのです。
『だったら上の先生にお願いしたほうが早いんじゃないの?』という素朴な疑問ですが
できるだけ現場に近い先生にお願いしたほうが同情されやすいし贈り物も安くて済む
という考えなのだそうです。
たしかに、真面目にやっている日本人教師なら現金の受領はまずしないでしょうからね。
この学校全体の主席ともなるともっと高額になり、校長(学長)に2万元クラスを
入れるのだとか。
名誉を金で買う。そして何もしない。経済力のある家庭の子でないと無理ですね。
実際に、どれくらい裕福で経済力があるかの見せしめに使っている学生も
珍しくはないそうです。
こういう学生会や協会(日本で言う部活や公認サークル)の役職に就いている
学生はよく掲示板に写真で紹介されることがあるのですが、さすがに今までは
学生会の主席や書記と見ると、『成績優秀なんだな』と見ていたのですが、
これからは見方が180度変わってしまいますね。
ちなみに協会の部長クラスは奨学金は少なく仕事が大変な本当に優秀な学生です。