今更なんですが、映画と舞台とは表現方法が違います(誰でも知ってますよね)。それをちょっと舞台側からみてみます。こんなことは今までものの本なんかでも読んだことはなく、敢えて説明することではないのかも知れません(私も説明してもらったことがありません)。
例えば、舞台で二人が見つめ合うとき。映画では「引き」で見つめ合う二人を、「寄って」一人一人のカットを撮ります。そして編集でつなぎます。しかし、舞台ではそんなことはできません。見つめ合ったら見つめ合ったままです。
ただ、方法はあります。ご見物の目(イメージ)を借りる方法です。
二人が客席に向かい平行して並びます。真横でなくても、離れていてもいいです。共に正面を見てます。観客(ご見物)は彼らと目が合ってます。人物の片方が片方に語りかけます。そのまた片方も返します。でも、それは客の目を通して頭の中でつながっており、さも互いに向かい合って語りかけているかのように見つめ合っているかのように思える空間を超えた場面。映画がカット割りする全ての場面を同時に表現するといった、まるでピカソの絵のようなことをしているのです。
この時、向かい合っていないにもかかわらず、俳優の互いの目には相手が見えているのです。これは見る者(観客)と見られる者(俳優)が同じ空間に存在する舞台独特の手法だと思います。ただ、観客を媒介とするには、それだけ緻密なリアリティの積み重ねが必要です。簡単ではありません。正面を切るにしても、後ろを向くにしてもすべて意味があるのです。
奇をてらってはいけません。奇抜な話ほどきちっとしたデティールに支えられています。
舞台には縛りもいっぱいありますが、工夫もいっぱいあるのです
例えば、舞台で二人が見つめ合うとき。映画では「引き」で見つめ合う二人を、「寄って」一人一人のカットを撮ります。そして編集でつなぎます。しかし、舞台ではそんなことはできません。見つめ合ったら見つめ合ったままです。
ただ、方法はあります。ご見物の目(イメージ)を借りる方法です。
二人が客席に向かい平行して並びます。真横でなくても、離れていてもいいです。共に正面を見てます。観客(ご見物)は彼らと目が合ってます。人物の片方が片方に語りかけます。そのまた片方も返します。でも、それは客の目を通して頭の中でつながっており、さも互いに向かい合って語りかけているかのように見つめ合っているかのように思える空間を超えた場面。映画がカット割りする全ての場面を同時に表現するといった、まるでピカソの絵のようなことをしているのです。
この時、向かい合っていないにもかかわらず、俳優の互いの目には相手が見えているのです。これは見る者(観客)と見られる者(俳優)が同じ空間に存在する舞台独特の手法だと思います。ただ、観客を媒介とするには、それだけ緻密なリアリティの積み重ねが必要です。簡単ではありません。正面を切るにしても、後ろを向くにしてもすべて意味があるのです。
奇をてらってはいけません。奇抜な話ほどきちっとしたデティールに支えられています。
舞台には縛りもいっぱいありますが、工夫もいっぱいあるのです