神原ワールド稽古場日誌

神原ワールドが繰りひろげる劇の世界・公演のお知らせ・稽古場の模様を皆様にお届けします♡

風に向かう者へ

2024-02-09 14:02:16 | 演劇


 チラシ原版完成しました。台本は後半に差し掛かってきました。これから、えらいことになっていきそうです。
 私はまだ台詞に喋らされている状態です。台詞が男前だと、自分も男前に台詞を言ってしまったりして。台詞の力のせいなのでしょうが、私(俳優)の方が負けてますね。まだまだこれからです。どうやら、前半と後半はそれぞれ違った難しさがありそうです。



 嘘ではない感情を何処にどう乗せていくのか?これからの課題です。いくつになっても挑戦させてくれますねぇ。過去の経験なんて全然役に立ちませんな。培ってきた感覚で新しく作り出さねば。…ええことです。
 この課題は、そう簡単には切り抜けられそうにありません。上手くやってはいけない感じです。上手い芝居を排除するような台本(ほん)ですね。懐かしいフレーズは沢山出てきますが、それに騙されてはいけない。特に我ら劇団員は、これは新しい台本(ほん)なんだと気をつけなければ足元をすくわれかねない、とてもデンジャラスな作品です。皆さん、乞うご期待!



 気をつけるといえば、先日、お香に触れてしまい、ちょっち指先を火傷してしまいました(アチェ!)。私、毎日家に帰りましたら、まずお香を焚きます。次から次へと焚くもので、つい指先がまだ消えていない香にふれてしまい、アチチ!
 前回公演の小道具(予備)のマッチがいっぱいあるので毎日シュッ!コンロでもシュッ!ライターなんかよりずっと風情がありますよ( ^_^)



「上手いの先には、そんなに広い世界はありません」(演出家 久世光彦) 
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Mr.nobody

2024-02-06 15:55:08 | 演劇


 夜明け前の3時半。ふと目を覚ます。いつの間にか眠っていたみたいで、睡眠障害は相変わらずのようです。
 以後眠れず、ぼんやりと10年くらい前のことを考えていました。
 あの頃劇団に、力を秘めていた俳優がおり(今は郷里で暮らしております)、何とかひと皮剝けないかと思案しておりました。実力もあり真面目な人でしたが、なぜかセンターフライやレフトフライにおさまってしまう。あと5メートルで大谷翔平みたいなホームランなのに…。もっとはっちゃけたらいいのになぁと常々思っておったのです。しかし、あまりそういう意味で熱心ではないように見受けられ、私の方が段々イライラして来てしまったのです。
 ある時、私がそのことで怒ってしまい、へそを曲げてしまいました。私の怒りの意味がわからない俳優殿は当然のように逆ギレしますよね。しかしながら、私のこの腹立ちは全く意味のないものだとわかります。俳優殿は言います「最近しまさんと話していても特に参考になることはない」と。
「あ、な~る。」その時私は腑に落ちました。自分が全くリスペクトされていないことに気づいたのです。そりゃそうですよ、大したことない奴に怒られたって、自分に原因があるなど思いもしませんよね。その瞬間、私はとても恥ずかしくなりました。私の中に、何か驕りのようなものがあったのかも知れません。もっと謙虚にコミュニケーションを取っていれば、きっとわかってもらえたと思います。私が傲慢だったのです。その日、私の自信とキャリアはぐぁらぐぁらと音を立てて崩れてしまったのでした。
 例え、帝劇で主役を張ろうと(張ってませんが)、トムクルーズと共演しようと(共演してませんが)それは全て過去ではござらんか。何十年芝居をやっていても、評価されるべきは今なのだということを、私は忘れていたのかもしれません。(俳優殿はちっとも悪くないのです)私は猛省しました。(>_<)申し訳ない💦



 長くやっている先達だからというだけで、リスペクトもされないダイコン風情が知ったような口をたたいておったのです。私は何者でもない~nobodyだったのです。例え46年前から芝居を始めたとしても、今日という日は今日だけなのです。これまでの時間で、実力はついたかもしれませんが、重要なのは今なのです(思い出は別)。自分は自分であるだけなのです。誰でもない自分。
Mr.nobody.



 この業界、長くやってりゃいいってもんじゃないのよ。何年やってようと今日がダメならダメなんだって。 肝に銘じます<(_ _)>




 
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来世は他人がいい

2024-02-01 16:09:05 | 演劇


「狼は小鳥の夢を見る」の稽古も2月に入りました。台本でいえば42頁。どんなトンネルをくぐっているか少しわかってきたのだが、まだ先が見えない。自分の役は何処へ行くのか?
 東洋思想(主に仏教)には生まれ変わりの概念がある。西洋にあるのは天国と地獄。リーインカネーション(輪廻転生)は知られていても、西洋は死んだら終わり。東洋は次の世というとらえ方がある。前世から現世へ。現世から来世へ。繋がり続いていくと考えられれば、それはそれで楽しい。
親子、兄弟姉妹、夫婦それぞれ生まれ変わってまた巡り合うと思うと、それはそれで面白いと思いませんか?
 父と死に別れたとき、理屈抜きで来世でまた逢うのだと感じました。逢ってもわかりませんけどね。「また逢おう」現世であろうと来世であろうと、その間(あわい)であろうと逢えたら嬉しい。

 タイトルの「来世は他人がいい」は小西明日翔の漫画。スリリングな青春が描かれている。

 「狼は小鳥の夢を見る」台本は現在全体のおよそ三分の一ほど。なのに全く結末が予想できない。何より自分が最終的に誰なのか?…それすらまだ不確定なのです。こんな物語見たことないかも。乞うご期待!



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