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Anne of Green Gables

2008年07月05日 | 趣味
服部和@「心は永遠の少女」です。

さてみなさん、6月20日に「赤毛のアン」の切手が発行されました。アンも切手も好きな私ですが義父の切手コレクションの処理に困ったこともあり、またこの切手の図案がアニメーションのアンから採られたものであることが気に入らなくて買わないつもりでした。でもこの日出先で あのアンの切手を貼って "kindred spirits" に手紙を出すというアイディアが頭から去らず、とうとう帰り道で郵便局に寄り、この切手を買ってきてしまいました。この"kindred spirits"というのはアンの言葉で「魂が響きあうような腹心の友」という意味です。

アンのシリーズの著者はカナダのプリンス・エドワード島に住んでいたルーシー・M・モンゴメリーです。彼女が書いた"Anne of Green Gables"の初版本は1908年に発行されました。今年はその100周年にあたるので 日本とカナダで同時に記念切手が発行されたわけです。この切手シートの左上の2枚はカナダで発行された切手の図案をそのまま日本の切手にしたものです。



カナダの切手の図案の方がずっといいですね。日本でもこの図案で切手を出してほしかったですね。でも今では本で読むより アニメでアンのファンになっている人の方が多いのかもしれません。



この本を訳して「赤毛のアン」として日本に紹介したのは村岡花子さん。東洋英和女学院に学びカナダ人宣教師と交流のあった彼女は1939年戦争のため帰国せざるを得なくなったカナダ人の友人からこの本をプレゼントされました。この本に感銘を受けた村岡さんは戦争中に敵性語の英語の本を訳すというリスクを冒し、空襲の時も防空壕にこの本と訳を持って避難したそうです。終戦の頃には訳し終えたものの、やっと出版することができたのは1952年のことでした。私が小学生のころに初めて読んだのも彼女の訳です。それ以来繰り返し繰り返し読んだので彼女の訳が頭にしみこんでしまい、のちに英語で読むようになった時もその訳文が自然に浮かんでくるのでした。

最近ではこの村岡訳について 誤訳や省略があるとか、出典をよく調べてないとかの批判があり 「完訳」と銘打って様々な本や研究書が出ています。時代の背景もあり、また村岡さんが1950年代の日本人の少女が理解できるようにと多少脚色された(意訳した)ところもあると思います。でも私はそれがほほえましくも思え、これはこれでいいのではないかと思っています。村岡さんの熱意がなければこの本がこんなに日本で読まれることはなかったでしょう。

このアンのシリーズは10冊あり、私の人生の中では何度も「もう今更アンでもあるまい」と思って引っ越しの時に処分したり差し上げたりしていますが 結局また読みたくなって買いなおすのが最初の2冊。
考えてみるともう40年以上の愛読書ということになりますね。自分が子供の時、成長していくアンと同じ年齢で読んだ時、親になってから読んだ時、、とそれぞれ感じること興味を持つ点も違ってきています。振り返れば様々な影響を受けたことを思わずにはいられません。今回はまた引っ越しなので本の整理をしています。今回も村岡花子訳の「赤毛のアン」は持って行くことでしょう。

今年は「赤毛のアン」出版100周年ということで日本でもあちこちで様々な展示やイヴェントが企画されています。近々私も名古屋の高島屋で開かれる「赤毛のアン」展に出かける予定。モンゴメリーの書いた原稿やグリーンゲイブルズの「薔薇の小枝模様のお客様用のティーセット」が見られるというので楽しみにしています。口の悪い妹は「少女趣味のおばさんばっかりが来るんでしょ!」と揶揄していますが、、そのとおりかもしれませんが、、、いいんです!年はとっても心は干からびずに「永遠の少女」で心は若くflexible でいたいですね。