服部です。
オランダでは絵を見て歩きました。
スキポール空港からまず目指したのはハーグの町。なぜならここにマウリッツハウス美術館があるからです。
全部で30数枚しかないと言われているヨハンネス・フェルメールの絵の中でまず一番有名なのが「真珠の耳飾の少女」
(またの名は「青いターバンの少女」)でしょうが この絵と初期の傑作「デルフトの眺望」、「ディアナとニンフたち」
の3枚がこの美術館にあります。
フェルメールについてはこちらを
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A8%E3%83%8F%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%83%AB
8月27日(日)マウリッツハウス美術館は日曜日は11時開館なので 午前中はフェルメールのふるさと、デルフトを
見に行きました。ハーグからは電車で20分弱の小さな町です。フェルメールが「デルフトの眺望」に描いた景色を見て
みたいという夫の希望で駅から町の南端にある川の方へどんどん歩いていきました。日曜日の朝の町は静かです。運河沿いに
たくさんのボートが係留されていました。家族総出でボートの掃除をしている人あり、楽しそうにボートの甲板で朝ごはんを
食べている人あり。このあたりからあの風景を描いたのでは?と思われる場所に来たのでボートの掃除をしていた女性にたずねて
みましたが、、、まず「vermeer](フェルメール)の発音が通じません。「ほら、あのマウリッツハウスに絵がある、、有名な画家で、、
あのヨハンネス、、」とヒントを言いますが、、結局オランダ語の発音は「フェルミイーヤ」みたいな感じでした。
「あの眺望はここからの景色を描いたもの?」と聞いているのに「あなたはよく知ってるわね」とほめられてしまい
真相は判明せず。もっとも今では当時はなかった高い建物がたっているので フェルメールの描いた風景がそのまま
あるわけではないのです。夫は「新教会の位置からするとここのはずだ」と申しております。写真の真中より少し
左にあるのが新教会。新教会と言っても14~16世紀に建てられたものです。ちなみに旧教会は1200年ごろの
建築だそうです。
さて午後からはハーグにもどり マウリッツハウス美術館へ。駅のインフォメーションでどのトラムに乗ったらよいか
たずねたところ「知らないわ。歩いても10分よ。歩いて行きなさい。」と言われてしまいました。
そう言えばここからブリュッセルに行くのにタリスという特急に乗るつもりで切符を予約しようとした時も窓口の女性に
「タリスなんか乗る必要ありません!時間的にそんなに変わらないのに普通の電車より11ユーロも高いんですよ!
普通の電車で行きなさい。」と言われてしまいました。「こういうところがいかにもDutchだなあ、、」としきりに感心する夫。
もちろんマウリッツハウスには歩いて行きました。建物は17世紀に建てられた個人の邸宅ということでこぢんまりしていますが
所蔵作品はすばらしいものばかりです。フェルメールブームということで連日日本人観光客が押し寄せている、、と聞いていた
のですが この日はすいていてゆったりと絵を見ることができました。やはりまずフェルメールの絵のある部屋を目指す私たち。
青いターバンの少女はあのあどけない瞳でじっと私たちを見つめるのでした。2000年に大阪で見て以来の再会でした。
この翌日からベルギーで4日間をすごし9月1日にアムステルダムにもどってきました。午後からはまずゴッホ美術館へ。
入場料10ユーロ、写真もビデオ撮影も禁止です。マウリッツハウスではどちらも自由だったのに。美術館でなぜ写真を
とらなければならないのかという疑問もありますけれどね。日本の美術館ではたいてい禁止されていますし ロシアでは
たしかビデオ撮影はお金を払えば許可されたような気がします。ゴッホ美術館なのだから さぞかしたくさんゴッホの絵が
あるだろうと期待したのに意外に絵が少ない、それに一番見たかった「アーモンドの枝」が展示されてなかったのには
がっかりでした。ゴッホの手紙が展示されたコーナーがありましたが まあ驚きました!弟のテオに宛てた書簡集が
有名ですが それ以外にも友人の画家などにあてて恐るべき量の手紙を書いているんです。筆まめというべきか?
この日はレンブラントの工房のあったレンブラントハウスにも行ってみました。
さて9月2日、B&Bから歩いてすぐそばの国立博物館へ開館と同時に入館。入場料はやはり10ユーロ。クレジット
カードで払えました。写真撮影可。まずフェルメールの絵を見に行きます。この「牛乳を注ぐ女」は私はフェルメールの
絵の中では2番目にすきな絵。この他に「小路」「青衣の女」「恋文」と全部で4枚フェルメールの絵があります。
開館早々でだれもいない静かな部屋での贅沢なひとときでした。
こちらはレンブラントの「夜警」。大きくて迫力のある絵です。大きさがわかるように絵の前に立つ私。
絵の前にいた職員の女性がしきりと手で合図をするので 写真禁止なのかと思ったら 「smile!」と
言っていたのでした。それでsmileしております。
ただ国立博物館は修理中ということで展示品はいつもよりずっと少なかったそうで一部はスキポール空港で展示している
とのことでした。肖像画が多いのですが こんなご馳走を描いた絵もたくさんあります。
この他にブリュッセルでは桂子さんの案内で オルタ美術館にも行くことができました。アールヌーヴォー建築の父、
ヴィクトール・オルタの住宅だった建物で階段の手すりからドアの取っ手までなにからなにまで優雅で美しい!
様々な名画を続けてみたわけですが 目に残るのはやはりあのフェルメールの青い色です。