楠ヶ丘25P仲間の広場

みんなで楽しく参加ブログ

桂子さんの快挙!

2011年02月21日 | 近況
服部@名古屋です。みなさん、大ニュースです!

ユニークな本をたくさん出している出版社「未知谷」からロシア現代文学の人気作家ガリーナ・アルテミエヴァの短編集「ピクニック」が出版されました。その本を水野典子さんとともに翻訳されたのは私たちのクラスメート”織田桂子さん”です!!!

全5編の中から「ユーザー」と「クリスマスツリー」の2編を桂子さんが訳されています。私は早速読ませていただいたのですが特に「クリスマスツリー」の方に強く惹きつけられました。主人公のアーリャは学生結婚し、娘が生まれますが、娘の存在に嫉妬する若い夫とはうまくいかなくなり離婚してしまいます。その後養育費を受け取りながら勉強を続けて、大学で教えるようになりますが、41歳になった彼女の研究室にある日、大学を出て6年目で会社の役員の青年が彼女の指導を受けたいと現れます。彼は大学院に入り、彼女がその指導教官となって、二人は次第に互いに惹かれ合うようになっていきます。18歳になったアーリャの娘も母の恋を認めて応援してくれるのですが、アーリャの心は揺れます。「ああ、もう遅いだろうか」「いや、急がなければいけないが、まだ間に合う」、、やがて二人は結婚を決め、彼はアーリャの家に泊まるようになるのですが、彼の両親は高齢で、一人息子のこの結婚には反対。そういう状況の中で彼女は外国に三カ月の出張に出かけるのですが、、
どうですか?この先が読みたくなるでしょう?

揺れるアーリャの気持ち、娘との関係、恋人の親とのこと、ストーリーにぐいぐい引き込まれ、共感して胸がキリキリ痛みます。日本ではほとんど知られてない作家だと思いますがロシアで人気があるのもわかりますね。

桂子さんはいつもおしとやかで お仕事のことも謙遜ばかりされていますが、お忙しい中、いったいいつこんな大変な翻訳を仕上げられたのでしょう!自分で読んで楽しむだけならともかく、作家の意図を読み込み、日本語にして伝える翻訳の作業の大変さと責任の重さは想像を越えるものがあります。そしてなかなか日本語で読むことができないロシアの現代の作家の作品を紹介されたことも大きな意義のあるお仕事だと思い、心から尊敬しています。そして彼女が私たちのクラスメートであることを誇りに思います。

ちなみに共訳された水野さんも私の古い友人で、今回の出版は二重に嬉しく誇らしい出来事でした。本の最後のページに二人の訳者のプロフィールがあるのですが「両氏は著者とも親しいロシア語通訳案内士」と一行だけ。お二人のつつましやかなお人柄がうかがえますが 私としてはもの足りません。

表紙の写真は画像フォルダーにありますのでご覧ください。
この本はAmazon で買えます。2100円です。お知り合いにも宣伝して応援してくださいね。
図書館には購入リクエストを出しましょう。