空色のきもち

晴天の日も、雨の日もあるけれど、好きなものと一緒に毎日を過ごしています。

『蜜蜂と遠雷』

2017-06-02 21:47:00 | 本の森
『蜜蜂と遠雷』 恩田陸 を読む。



私はピアノは弾けない。
子供のころ、それこそ幼稚園児くらいの時に一瞬習ってはいたけれど、
それは姉について行っていただけのこと。
音楽は楽しかった。好きなんだね、と言われた記憶もある。
でも、あっけなく姉が「辞める」と言った時に
「私は続ける」っていうほど、好きではなかったのかなぁ。

ピアノの美しい曲は数々あって、素敵だなあとも思っている。
だけれども、ピアノコンクールに出る人たちの、
(これは本当に、個人的な偏見が入っていると思うけれど)
自信満々な雰囲気が、どうしてもなじめない、と感じていた。

まあ、リコーダーコンクールに出て、
演奏後に「楽しかったね!!」と言い合った私たちは
別の意味で審査員に強い印象を与えたのだそうだけれども。

この本が話題になった時
えーピアノコンクールの話ぃ?
と思わなくなかったわけではない。


でも、読んでみて、
こんな人たちが本当にいるとしたら
音楽に愛されている人たちがこんなふうに存在するとしたら
愛されようと努力し続ける人がいるのだとしたら
ピアノもいいなぁ…なんて思ってしまった、

もちろん、小説であるから
できすぎ感がないわけではない。
でもさ、実際、音楽に愛されている特別な人たちって、いるんだよねぇ。
人それぞれ、苦労はしているんだけれども
それを上回る輝きを放つ人って、いる。

なんとなく敬遠していた世界も
なかなかいいんじゃないか。

そんなふうな興味を持たせてくれただけでも
読んでよかったなぁ、と思った本でした。

しっかし、出てくる曲をもっと知っていたら
もっと楽しめるんだろうなぁ。
自分の知識のなさが、「ざんね~~ん!」です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« というわけで | トップ | ミュシャ展@国立新美術館 »

コメントを投稿

本の森」カテゴリの最新記事