忘れえぬひとびと。
今日は甘く渋いマスクに白髪交じりのロングヘアー、「岩城滉一」似のダンディなレフティ、I氏についてお話しします。

I氏はアマチュアボクシング出身だけあって、スピードもテクニックもあるサウスポーです。
土日の午前中に誰よりも早くジムに来て、鏡の前でひとりステップインや打ち終わりのディフェンス練習を黙々とこなしている一見で玄人と分かる方でした。
まだ基礎レッスン終了したばかりの私を見つけると「2R付き合ってよ。」と、経験浅い私が了承もしていないのに、早々にマウスピースを加えギアを付けてリングに登って行くヤル気満々の方でした。
アマチュア時代はモスキート級で、またマススパーリングということなのでうっかりリングに登るとこれが大変でした。
まず本気に打ってくるんです。休養王者もナカム~ラ氏もそうでしたが、昔のメンバーはありゃマスとは呼べないガチの世界でした。
確かヲノウエ氏や今は大阪に単身赴任のギヤナ氏との激闘では彼らの肋骨にヒビを入れてるはずです。
鋭いステップからの左ストレートや右フック左ストレートの素早いコンビネーション、フェイントも多彩で私も随分と鍛えられました。
また、私が別のメンバーとライトスパーリングをする時は、サウスポー同志ということで、必ず私のセコンドとなってくださりとても勉強になりました。
そう言えば、I氏はお酒も大変好きで二次会はよくふたりで飲みに行きました。私にとっては面倒見のいい兄貴でしたね。
モスキート級の兄貴は体脂肪が数パーセントのアスリートです。食が細く飯よりお酒が好き、超ヘビースモーカー、脂肪が少ないということもあり、毎年必ずインフルエンザにかかっていました。
それに懲りて予防注射を打てばよいものをこれまた打たないんですよね~
酒とタバコ辞めるくらいならボクシングを辞める!と無茶なこと言ってました。
兄貴!戻ってきてください!
今やジムは四人のサウスポーがおります。
少しだけ強くなった私をまた鍛えて下さい。