「朴ちゃん、駄菓子屋に寄って行こうよ。奢るよ。」と今日も憲ちゃんは羽振りがいいのです。
憲ちゃんは近所に住む小学4年の同級生で同じクラスです。
憲ちゃんは近所に住む小学4年の同級生で同じクラスです。
この頃、憲ちゃんはこうやって帰宅途中に荒川商店という駄菓子屋に連れて行きたがります。
「いいよ、昨日も奢ってもらったし、先週もそうだし・・・」とさすがに日を置かずの誘いに申し訳なくも、ちょっと怖い気もして遠慮すると、
「じゃあ、この前買ってやったスーパーボールと先週の銀玉鉄砲今すぐ返せよ!」と意地が悪いのです。
そう、憲ちゃんは昔からそういうところがあって、自分の気に食わないことや、都合が悪いようなことがあると、しらばっくれたりウソを言ったりして、僕は嫌だなあぁと思っていました。
憲ちゃんなそんな態度も嫌なんだけど、薄暗い荒川商店の店中に座るガラガラ声のオバアが怖いのです。
憲ちゃんなそんな態度も嫌なんだけど、薄暗い荒川商店の店中に座るガラガラ声のオバアが怖いのです。
クジで一等賞が当たっても「どれ、ちょっと見せてみな!」と取り上げて、一等賞の漢字の一の上に、黒く硬くなった爪でもう一本の漢字の一を足して
「ほ~ら、二等賞じゃないか! ウソ言っちゃいないよ。まったく、どこの子なんだろうねー」と誤魔化すんです。こんなオバアは死んじゃえばいいのです。
荒川商店に行きたくない僕は憲ちゃんに
「じゃあ、奢ってもらったもの返すよ。これでいいでしょ?」
「ほ~ら、二等賞じゃないか! ウソ言っちゃいないよ。まったく、どこの子なんだろうねー」と誤魔化すんです。こんなオバアは死んじゃえばいいのです。
荒川商店に行きたくない僕は憲ちゃんに
「じゃあ、奢ってもらったもの返すよ。これでいいでしょ?」
「もう使ったんだろ?新品買ってべんしょうしろよ!」と弁償なんて難しい言い方で無茶な困ったことばかりいうのです。
「いいよ、じゃあ新品で返すよ。」と言えば、「新品でも全く同じものじゃないだろ!そして似たタイプも売ってないかもしれないじゃないか?」と難癖をつけてくる憲ちゃんです。
僕はもう面倒なので「いいよ、じゃあ駄菓子屋行こうよ。でも奢ってくれなくてもいいし。で、憲ちゃんどうしてそんなにお小遣いあるの?ねえ?」
憲ちゃんは意地悪そうな狡い目をして僕を睨み付けていうのでした・・・