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土地の記憶

2010-07-27 | 民俗
道端のお地蔵様とか道祖神、庚申塚を見るとなぜか興味が湧きます。
地方においても新しい住宅が立ち並び、かつての村落の姿を見ることはできませんが、住宅に挟まれてひっそり佇む小さな石仏は昔の人の生活の中で流れてきた時間を感じさせます。

現在の地域の景観は、市町村での都市計画に沿って公園や学校や歩道などか造られ、個人や企業による建築物が建てられています。
行政での基本計画にはそこに住む人々の意思はどれほど取り込まれているのでしょうか。
地域が農林漁業主体の集落であった頃は住人の総意として、集落の境界や辻に石仏などのランドマークが置かれ、集落の中央や集落と山の間には神仏を祭る場所が造られたように思われます。
これらに出資したのは裕福な個人だったのかもしれないし共同での出資だったのかもしれないけれど、集落全員にとっての心の拠り所として機能したはずです。
今でも夏には集落ごとの小さな祭りがありますが、祭りに合わせてお地蔵様に新しい頭巾と前掛けを着せるのも、ほんの少し昔にはごく自然に行われていた年中行事だったと記憶しています。

都市化もしくは過疎化で集落の形が変わっていく時、条文化もされずに続いていた習慣は少しずつ忘れ去られ、ほとんどの人にとってその意味は分からなくなっても石仏は残り続けています。
青森に住んでいると、そんな小さな遺産に残る記憶はまだまだ生きていると感じます。

 百万遍の石碑にに飾られた御幣。


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