創立100周年記念事業の一環として土曜日から始まった『星野道夫学校向け写真展』は、初日、2日目と予想していたよりもたくさんの方にご来場いただくことができました。3日目の今日は、下館幼稚園の園児たちが一緒に写真を見る時間を作りました。写真を見る際のお約束をしてから、それぞれのクラス毎に、とり組さんは少し詳しく、写真の下に書かれてあるキャプションも一緒に読みながら、はな組さんは少し易しくお話をしながら、つぼみ組さんは楽しく見ることができるように工夫をしながら、作品に囲まれての時間を過ごしました。写真の下にあるキャプションには被写体の大きさなども書かれていますが、それを実感するのはなかなか難しいようですね。ザトウクジラの体長は10メートルと書かれていると、「10メートルってどのくらいかなあ。10人が手をひろげてつないだくらいかな。」とみんなで手をつないだりしていましたね。写真を見た子どもたちの口から出る言葉もなかなか興味深いですね。川から跳ね上がる鮭をまさにクマが食べようとしている瞬間のショットに、何人もの子どもたちが「ごあいさつしてる」と言ったのには、大人からは決して出ることのないコメントだなあと感心させられたものでした。それぞれに好きな写真が違うのは当然なのですが、好きな写真の前に釘付けになって、いつまでもそこから離れようとしない子がいるのには驚かされました。一枚の写真の前にいつまでもたたずむ子どもの姿を目にしながら、きっとこの写真は、この子の心の奥深くに記憶されているのだろうなと思わされました。そして、夫人の直子さんが紹介していた星野道夫氏の言葉の意味を思いました。
子どもの頃に見た風景がずっと心の中に残ることがある。
いつか大人になり、
さまざまな人生の岐路にたった時、
人の言葉でなく、
いつか見た風景に励まされたり勇気を与えられたりすることが、
きっとあるような気がする。
この写真展をたくさんの子どもたちにも見てもらうことができたらと願っています。子どもたちの目線に合わせた展示になっているため、大人の方には少々見難いかもしれませんが、どうぞご了承ください。