老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

廃プラに関する問題 その②  ~製造者/消費者の責任~ 

2018年08月08日 19時23分31秒 | 政治・経済・環境・核兵器など
 プラ包装材がこれほどまでに普及した背景としては、中が見える/軽い/薄い、しかも加工しやすくて、価格が安いということに拠るのでしょう。

 問題は、この“価格が安い”ということで、この問題を考えると原発問題と非常に共通する問題点が見えてきます。

 当初、このような資材が開発された時点では、消費量もそれ程多くなく、使用後の処分も問題にならなかったことと思いますが、処分が追い付かなくなるまでに生産量が増加した現在では全く状況が異なります。

 今後の更なる環境汚染を防ぐためにも、改めて下記のような検討が必要ではないでしょうか。

◆廃棄物の処理コスト把握
①焼却(可能数量の把握と共に、必要な焼却炉の建設/維持コスト、ダイオキシンなどの副産物の処理コストなども含む)
②埋め立て(場所確保コストと共に、排ガスなどの2次被害対策費用を含む)
③リサイクル
※ 上記は何れも、当然ながら分別・収集費用なども含みます

◆その上で、これらのコストを負担する方法の検討
①製造業者(資材並びに加工者)、並びに包装資材などとして使用する業者(食品など)での分担方法
②何れの場合も、最終的には使用者である消費者が負担することになり、プラ製品のコストを消費者が把握出来るでしょう。
⇒ これにより消費量の減少ならびに、環境負荷の少ない資材に切り替え

◆更に、不法投棄などを防ぐための方法の検討。例えば
①消費者に一番近い、包装資材などとして使用する業者への回収義務
②道路や山間部への不法投棄の監視と厳罰化
③子供会や老人会、更に高齢者施設などが、回収の一部を担ってこれに対する費用助成システムの構築

◆更に大事なことは
・焼却や埋め立て処分を考慮しての、有毒副産物の無い、或いは分解しやすい素材への切り替えと、法令による規制
・分別がし易いように、リサイクル/処分方法ごとに直ぐ分る表示と、これに基づいた回収システムの検討


などが考えられますが、何よりも肝心なのはこのプラスチック製品の廃棄処理問題に見られるように、今後は工業製品の新規開発と商品化に際しての将来を見越して処理問題に不安があるものの使用を認めないという事ではないでしょうか。

即ち、“新しい素材の開発に際しては、例え当初の数量は少なくとも、その処分が環境に負荷が掛らないことを最優先として、少しでも処分方法に懸念が残るものは、販売を認めない”というようなことではないでしょうか。

 また、仮に包装資材としてのプラが紙などに切り替わっても、別の問題が付いて回ります。
即ち、紙の原料になる樹木の伐採による地球環境の悪化、だけでなく紙の処分に関わるCO2発生などもありえるのですから、原紙製造メーカーに対しては木材(輸入材も含めて)の使用量に見合う植林を義務付けると共に、原紙の使用者/加工者が紙の焼却に伴うCO2対策費用を負担するというシステム作りが必要なのではないでしょうか。

 当然これらのコストは、消費者に掛ってきますが、消費者も“便利なものはコストが掛る”ということを自覚して、商品購入を心がけることになるでしょう。

 要するに、「綺麗なものには棘がある」ではないですが、「タダより怖いものはない」「安物買いの銭失い」だということを思い起こす必要があるでしょう。

 何れも理想論だとの非難があることは充分に承知していますが、我々が「現在バイアス」(このブログで何度も触れていますが、一言で言えば、“今が良ければ将来のことなどどうでも良い”という考え方)に縛られている限りは、子供たちや子孫たちに明るい将来など残されないでしょう。(まさ)