老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

言葉の語源など その(38) ~四面楚歌~ 

2020年07月07日 21時05分05秒 | 面白い言葉や語源など
 “まわりが敵や反対者ばかりで、味方のないこと”状態を「四面楚歌」と言いますが、この言葉は先に述べた中国春秋時代より少し後の故事に由来します。

 春秋時代はBC230~220年頃に、始皇帝の率いるが中国を統一することで終結しますが、BC210年に始皇帝が没するとともに、秦は内紛や反乱が起こると共に、項羽と劉邦に指導された楚の国が台頭し、BC206年に秦を滅ぼします。

 しかし、秦王朝滅亡後の政権をめぐり、項羽と劉邦は離反していくことになります。そしてBC206年からBC202年にわたり楚を引き継いだ西楚の覇王項羽漢王劉邦との間で楚漢戦争(そかんせんそう)が起こります。

 この戦いはお互いの陣容の入り乱れなどもあり一進一退を続けますが、BC202年の垓下(げいか)の戦いで楚軍は防塁に籠り、漢軍はこれを幾重にも包囲しました。
夜間に、項羽は四方の漢の陣から故郷の楚の歌が聞こえてくるのを聞いて、「漢軍は既に楚を占領したのか、外の敵に楚の人間のなんと多いことか」と驚き嘆いて最後の戦に臨むのですが、この故事から、敵や反対する者に囲まれて孤立することを四面楚歌と言うようになったとされています。

 確か、学生時代に学んだのでしょうが、私はこの意味を“回り中から楚の歌が聞える”ことから、“漢の軍隊が、楚の軍隊に囲まれた状態で、戦いの勝者は楚”だとばかり思い込んでいたのですが、全く逆で、敗れたのは楚だったのですね・・・

凡人の記憶力は如何にいい加減で、思い込みが大きな要素を占めることを改めて知りました。(まさ)
(WIKIPEDIAや「人類5000年史」(出口治明)を参考にしました)