老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

身近な言葉の語源  人間などに関するもの その⑤ ~「しかつめらしい」と「ずぼら」/「づぼら」~

2023年03月06日 19時46分57秒 | 面白い言葉や語源など

 昨日は好天気の中でテニスを楽しんだり、今日は、妹や従妹連中4名が私の様子を見がてら来宅してくれ賑やかな1日でした。

という事で、今日は久しぶりに語源の話題です。

しかつめらしい:

 “形式ばって堅苦しい”場合に使われ、漢字混じりでは「鹿爪らしい」と書かれることがありますが、この漢字では意味が判らなくなります。

 元々は、「然ありつべし」という言葉が、シカツベラシ⇒シカツメラシイと変化したもので、本来の意味は“もっともらしい”という意味だったのが、現在の意味のように変わったらしいですが、何れにせよ動物の「鹿」とは全く関係のない言葉なのです。

「しかつめらしい」は現在では殆ど使われず、私も「しかめっつら」と間違えました。

 顰めっ面(しかめっつら)は“まゆのあたりにしわを寄せた、機嫌の悪そうな顔”を言いますが、「しかめ」という言葉は聞いたことがないので、このような名詞があるのかと思って調べましたが、「顰め」は「顰める」(動詞)の命令形で、「しかめ」という名詞は見受けられませんでした。
 「顰める」は「しかめる」の他、「ひそめる」とも呼ぶようですが、顰蹙(ひんしゅく)というような言葉に使われています。


ずぼら/づぼら:

 “約束を守らず、すべきことをせず、生活態度にしまりがない人”を「ずぼらな人」と言いますが、この「ズボラ」の語源については、近世の上方の方言で「ずんべらぼん」「ずんぼらぼん」「ずんぼらぼん」など、凸凹(でこぼこ)や突き出した部分がなく、「つるつるなさま」「のっぺりとしたさま」を表した言葉が語源という説が有力になっています。

 しかし、大阪人にとっては、2020年に休業後廃業したが道頓堀と新世界にあったトラフグの巨大看板が有名だったふぐ料理の「づぼらや」が身近だったので、「ずぼら」より「づぼら」の方が身近なのですが、「ずぼら」と「づぼら」が同じなのかどのように違うのかを少し調べて見ると、面白い説に出会いました。


<Ameba 日本語の語源>によると、「づぼら」は漢字で書けば「都褒了」で、
「都」は清音読みでは「ト」や「ツ」、濁音読みでは「ド」や「ヅ」と読み「まったく、すっかり、完全に」の意味で、「褒」はバオと読み「だらしがない、怠けた、不精な」、英語でいうところのlooseの意味です。また「了」はラと読み、言葉の語尾に付ける特に意味のない語気助詞といわれるものです。

 つまり、「ヅボラ」とは、「都褒了」の多少の訛った読みであり、直訳すると「まったく、だらしがない」という意味になり、これがこの言葉の語源だというのです。

 即ち、“漢字を素材として、日本人自身がつくった言語(日本語)”で、現在の国語では「ヅ」と読むものはすべて「ズ」と書くことになっているので、大辞典ではすべて「ズボラ」になっていますが、上記のように本来はヅボラと書くのが正しいという事です。

 私的には、この後者の説の方が何となく腑に落ちるのは、かって味わった「づぼらや」のテッチリの性でしょうか。(まさ)

<尚、以前にも書きましたが、この「身近な言葉の語源」については、「語源を楽しむ」(ベスト新書増井金典著)や「語源由来辞典」を参考にさせていただいています>