老いの途中で・・・

人生という“旅”は自分でゴールを設定できない旅。
“老い”を身近に感じつつ、近況や色々な思いを記します。

ややこしい日本語 その(47) ~「不可思議」と「不思議」~

2023年12月08日 19時26分46秒 | 面白い言葉や語源など

 以前から気になっていたのが、「不可思議(ふかしぎ)」という言葉と「不思議」という言葉があり、同じように使われていますが、果たして同じなのか、それとも違うのかということで、少し調べてみました。

◆先ず、「不思議」は「不可思議」が略された言葉で、同じ言葉ということで、一般的な解釈としては、
・思いはかることもできず、言語でも表現できないこと
・あやしいこと、異様なこと
を意味します。

「不可思議(ふかしぎ)」という言葉は、元々は漢語であり、「思議すべからず」と訓読されていたようです。

「不可」は現在では、
・ よくないこと。いけないこと。 或いは
・ 成績などの等級の最下位。優・良・可に次ぐもので、不合格。
というような使われ方をしますが、元々は「~べからず」「~できない」で、禁止を意味する言葉でした。(例)不可解・不可能

「思議」は、“思いはかる、考えると”いう意味です。

☆従って、「不可思議」本来は仏教語で、“心で思いはかることも、言葉で言い表すこともできない”ことを言い、仏菩薩の知恵や神通力、経典に説く様々な行為など、思慮や言語の及ばない境地をさす言葉だったようです。

☆ これが転じて、人間の判断力では及ばないことを意味するようになり、さらに転じて、常識では理解できないことを表すようになり、「おもいもかけぬ」「あやしげな」といった意味にも使われ方もしているようです。

☆また、「不可思議」は、常識では理解できないことの意味から、常識では考えられないほど非常に多い数という意味で、「10の64乗(10の80乗とも)」という数の単位にもなっている

◆尚、あまり耳にしませんが「摩訶不思議」という言葉もあります。
 この「摩訶」は、サンスクリット語の接頭詞mahā(マハー)という字の漢語訳で、「大・多・勝」の3つの意味があるようなので、「摩訶不思議」は「不思議」を強調した言葉のようです。

【この項は、<語源由来辞典><耕運寺><goo辞書><WIKIPEDIA>などを参考にさせて頂きました】  (まさ)