少子高齢化・核家族化・晩婚化・長寿化などの先進国である日本に於いては、高齢者が高齢者を介護する状態である「老々介護」が大きな問題になっています。
我が家の場合もそうでしたが、改めて周りを見渡すと親戚や知人でも結構多く、老々介護はもはや特異な例ではなくなっています。
しかし、最近、もっと深刻な「認認介護」という言葉を耳にしました。
主介護者も要介護者にも認知症の症状がある状態のことです。
まだ私の周囲にはありませんが、先日知人から聞いた話では、「友人(75歳くらい)が認知症になり症状が進行しているが、子供たちとは一緒に住んでいないので100歳を超えた母親が介護に当たっている。但し、その母親も認知症でデイケアのお世話になっているような状態で、物凄く心配だ!」というようなケースもあるようです。
介護する方も認知症ということになれば、お二人の認知度にもよるでしょうが、食事・栄養/服薬・健康/入浴・衣服/金銭などの管理の問題がありますし、火の始末/万一の場合の援助要請なども、極めて困難になるものと思われます。
経済活性化という名の下に産業界への支援が主目的となり、福祉の充実は掛け声だけで、高齢化社会の急速な進行に対応できていない我が国の社会福祉政策の弱者へのしわ寄せという象徴的な現象でしょうが、決して他人事とは言えないでしょう。
令和4年の国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢者のみの世帯は全体の31.2%
65歳以上の要介護高齢者がいる世帯の63.5%が主介護者も65歳以上であり、老老介護であることを示しています
更に、80~84歳の認知症出現率が21.8%というデータがあり、夫婦ともに80歳くらいの老老介護世帯においては、その多くが認認介護世帯になる可能性があると試算されています
社会的介護システムにカバーされれば、まだ何とかなるのでしょうが、経済的な余裕がないとか、他人を頼ることに抵抗があるとかいう理由がある場合は、認認介護で生活せざるを得なくなるでしょう。
特に厄介なのは、子供があっても離れて暮らしているケースが多く、そのような場合には自分に関わる介護のことは相談しづらいことでしょう。
市役所や区役所ではそのような世帯を把握しているはずですから、地域包括支援センターの機能をもっと充実させ、積極的にフォローしていく体制を作っていくのが行政の役目でしょう。
パーティーでの裏金作りが仕事だと思っている政治屋の輩にはとても期待できませんから、地域ごとに見守り・助け合いのシステム作りをしていく必要を痛感します。(まさ)(この項は<LIFULL介護>などを参照しました)