必殺のキモは頼み人の涙なのよ

某所で「必殺と地獄少女とブラックエンジェルズ、外道坊は同じ扱いで構わない」みたいなことを言われて、ムッとしてしまった。
ブラックエンジェルズと外道坊は最後まで読み切って無いから何とも言えんですが、地獄少女と必殺は違うと断言したいですなー。

どこが？

カワイイ女の子が出てくるところ？

いやいや、違うから。

描くものが違うんですわ。

何が？
同じ復讐ものでしょ？

違う違う。

それは子連れ狼と必殺を一緒にするようなもんですぞ。

地獄少女はですね。
「怨み」を描いているんですよ。

怨み。良くも悪くも。
だから、真っ当な「理不尽に対する怒り」である怨み以外にも

逆怨み。

義務的な怨み。

発作的な怨み。

そういうものまで題材にする。

では必殺はどうなのか？

少なくともですね、前期シリーズは「弱者の流す、深い悲しみと怒りの涙」
これだと思うんですよね。

だからまぁ、前期シリーズは頼み人をとことん追い込んで、地獄に突き落とすシナリオが多く。
手を抜いて無かったんですよ。

後期シリーズも、そういう話はあるんですけど、明らかに頻度は減ってますからね。
（だからまぁ、前期派と後期派で、派閥出来ちゃうんだろうな……）

ある意味、頼み人が主人公と言ってもいいのではないか？
それぐらい重要だと思うんですよね。
頼み人の涙の質は。

だから、地獄少女と必殺では、話運びに差が出てくるのはしょうがないことで。
一緒くたにされてしまうのは、なんというか、耐えられぬ。

ヤンジャン感想

かぐや様

次回、対象Fに伝えちゃうのか……

リアクションは２択ですね。
祝福するか、「別れるべき」と説得に来るか。

……どっちもありえるけど、後者の場合は対象Ｆ、命日を迎える可能性ある気がするんですけどｗ
さすがに、無いか？

別に対象Ｆ、白銀会長を最低人間だと思ってるわけじゃ無いし。
ただ、恋人にすると地獄を見る人だと思ってるだけで。


推しの子

重曹ちゃんの恋を全力で応援したいし、アクアのマジイケメンぶりに惚れた。
アクアの復讐、実質的殺害は思いとどまって欲しいわ。
こんなん見せられたらそう思うしか。
犯罪って皆を不幸にするよね……。


少年のアビス

アビスママ（実母）の般若顔、チビるわｗ
これが実母の本性か……

やっぱさ、柴ちゃん先生じゃ相手になりそうにないわ。
この人、最終ヒロインじゃ無くてラスボスだよ……

なんか、この田舎町の影の支配者みたいな雰囲気まで出してきたし。
この人、どこまでいくのやら……。

元ネタ知ってる必要性って

ロードス島戦記って、ソードワールド無印のある意味二次創作みたいなもんですよね？

私、ソードワールドを遊ぶ前に、ロードス島戦記を読んだんですよね。
で、ハマった。

父親が騎士としてあるまじき行為をしたということで、それを劣等感として抱えている、騎士を目指す少年パーン。
パーンの幼馴染で、至高神ファリスに仕える神官の少年エト。
帰らずの森からやってきた、エルフの上位種・ハイエルフの少女ディードリッド。
為政者の気まぐれで、つまらない盗みの罪で１０年以上ぶち込まれた経験を持つ盗賊の男ウッドチャック。
ドワーフの親父ギム。
物腰穏やかで、知恵者の古代語魔法使いスレイン。

面白かったんですよ。
魅力的なキャラクターたちが、ロードス島に降りかかる、戦争を含む災いに立ち向かっていく様が。
高校の時に読んだんですが、かなりの回数読み返したなー。

その後、ソードワールド無印の存在を知り、ロードス島戦記と同じ世界観で遊べるのかと思ったものですが。
だから思うんです「TRPGの二次創作って、元ネタ知ってる必要なくね？」って。

まぁ、ロードス島戦記に関しては、ロードス島戦記のTRPGがちゃんと存在してて、そこでTRPGキャラクターとしてのパーンやらディードリッドが居るということも知ってるんで、厳密には「二次創作じゃない」んでしょうけど。
意味合いとしては一緒だと思うんですよね。

ダメなのかなー？
（小説読みます系のタグに、条件が合えば応募しまくってるんですけど「元ネタ知りません」って理由で切られることがちょくちょくある）

イフリート

昔、週刊少年サンデーで連載していた「必殺仕置人」を意識した作品。
かなり正統派でした。

お金を貰って、弱者の恨みを晴らす。
仕置の方法は、主人公の青年が「人体を焼き尽くすほどの異常高温」に体温を高められる特異体質を駆使し、マトを生きたまま消し炭にする。
そしてヒロインが、そんな昂った主人公の体温を下げるため、異常低温に体温を下げられる特異体質。
炎と冷気で、外道どもの一円の値打ちも無い命を狩っていく。そんな作品。

すごく面白かったんですよ。
依頼人の涙を強調するために、依頼人の悔しさ、辛さを丁寧に描写する。

例えばこんな話がありました。

結婚を約束している彼氏が、仕事中に自動車事故を起こして、賠償金が必要になった。
そのため、彼女さんが必死でお金を稼いでいる。

でも、自動車事故を起こして重体だった彼氏さんが意識を取り戻して、こう言うんです。
「何で僕が自動車事故を起こしたことになってんの！？　運転してたの先輩だぞ！？」

その後、急に容体が悪くなり、死亡してしまう彼氏さん。

彼氏さんの死に絶望し、彼女さん、お腹に痛みを覚え、倒れてしまう。

……どうやら、彼氏さんの赤ちゃんを妊娠してたみたいだったんですが、流産してしまった。
原因は精神的ショックと「働きすぎ」

愛する彼氏さんの赤ちゃんが死んでしまった。
彼も死んだから、もう彼の赤ちゃんは授けてもらえない。
そう、意識はあるが動けない身体で絶望していると。

問題の先輩がやってきて

「余計な事を言う前に、アイツを始末出来て良かったぜ」

「残ったアイツの女は、テキトーに遊ばさせてもらって、飽きたら捨てるか」

と、動けない彼女さんが寝ていると思い込んで、胸を触って去っていく。

……許せない。

このときの彼女さんの涙がもうね。
こういうのは、依頼人の涙の濃さをどう表現するか。
それだから。

悪事ってのはデータじゃ無いのよ。
実体験なのよ。

響くのは。

こいつは昔爆弾で無差別に２００人ほどぶっ殺しましたーって言われるより。
クズ少年に遊び半分で大事な子供を誘拐されて、バラバラにされてしまいました、と母親本人に回想込みで言われる方が響くのよ。
無論、その子供の生まれたときから殺されるに至るまでの歴史をうかがわせる回想ね。

話が重くなる？
そりゃそうだけど、そこがいいのよ。

……でも。
ウケなかったんでしょうな。面白かったのに。

最終的には打ち切りですわ。
残念無念。

かなり重い相談キタ

今週の産経新聞月曜日のコーナー「あすへのヒント」は、相談内容がなかなかすごかった。

「定年退職した男性が相談者。妻が、２０年近く前に妻の姉の夫（つまり相談者の義兄）にレイプされそうになったと告白してきました。どう慰めていいものやら分かりません。義兄については、妻の両親を看取ってくれたので感謝していましたが、もう関わりたくないです。ですが、今更妻の姉夫婦の家庭を滅茶苦茶にしてやろうとも思いません。どうすればいいでしょうか？」

……なかなかヘビーな相談が来たもんだ。
と、読んでて思いました。

回答者の作家さんは

「あなたの奥さんの気持ちをよく聞いてあげて、一切反論はしないことを勧める。しかし、反論しないとストレスは溜まるもの。そのときは何か袋を用意して、聞こえないところで溜まった文句を吐き出すように。いわば自作の堪忍袋だ」

……うん。それがいいかもしれませんね。
こればっかりは異論無いですわ。

この場合、奥さんを支えるにはその辛い気持ちを一切否定せず、疑わず、反論もせずに聞いてあげるしかないですよ。
でも、人の話をまともに聞いていたら、引っかかるところは出てくるもので。
被害者である奥さんには、義兄に対する恨みがあって、復讐心だってあるだろうから、多少オーバーになってたり、自分の問題点を隠したりしてる可能性はあるわけで。
でも、それを指摘すると「夫も私の味方では無いのか」となって、支えられなくなる。
だからもう、地蔵のように聞くしかないですよね。

でも、それだと溜まるから、それをどう処理するか。
回答者の作家さんは「自作の堪忍袋に吐き出せ」と。
私が思うに、完璧な回答に感じました。

作家さんは最後に「姉夫婦との付き合い方は、奥さんの意向に沿うようにするべき」とも言ってて。
そこも同意。

勇み足で「報いを与えたり」「関係修復に乗り出したり」
そんなことはするべきではないわな。

無論「キミがしたいようにすればいい。僕はそれに従う」って伝えておくべきですけど。
（でないと、女房の事に本当は何の関心も無いんじゃないのかと思われかねないし）