Tokyo Walker

諸事探訪

XR RIKENON 50mmF2

2020年12月18日 14時59分30秒 | カメラ

【秋探しⅢ】

 RICOHの「XR RIKENON 50mmF2(前期)」、入手してから1年近く経つが、やっとアダプターを入手したのでお出ましになった。果たしてどんな写りをするのか興味津々といったところ。
 いつもの散歩コース、薬師池一周へ午後になって出掛けてみた。晴れてはいるが10度前後の気温、池の周りは日陰なのでより寒く感じる。風は無し。

 回析した弱い光が当たっている山野草。発色も自然で雰囲気は悪くない。


 午後の残照で輝く黄色の葉。左上に少しフレアが立っているような。


 何の実かは判らないが、繊細なやわらかい赤い色が良く出ている。このレンズの玉ボケ方は右上のように輪郭がちょっと強めに出るらしい。背景ボケも比較的やわらかい。


 前回「2020/12/04(秋探しⅡ)」でも、ススキを撮ったが、ススキの穂はまだ残っていたので今回も撮ってみた。前回と向きや距離が異なるので厳密な比較にはならないが、XR RIKENON 50mmF2の方が、解像度が高いような気がする。か、と言って硬い写りという訳ではなく。前後のボケは実に柔らかい。これもXR RIKENON 50mmF2の特徴の一つなのかもしれない。


 木々の枝に紅葉は既に無く、吹き溜まった「おちば紅葉」だけがその痕跡を留める。日が当たらないことで、未だに「赤」が新鮮で実に勿体ない。これがXR RIKENON 50mmF2の本領を発揮した写りなのかもしれない。


 最後に順光で「里山の風景」。絞り開放だったと思うが、その他の写真も含めて、絞り開放では露出オーバー気味の、このような白っぽい写真になる。一段絞ると、急激に色が戻ってくるのだが、その落差が結構激しい。

 XR RIKENON 50mmF2は「和製ズミクロン」と言われ、「富岡光学製オールドレンズ以外考えられないと感じるほどに超リアルな存在感を漂わせているのは、被写体の材質感や素材感を余すことなく写し込む質感表現能力に優れ、背景のボケ味と相まり空気感や距離感までも感じさせる立体的な画造り、そして何よりも現場の雰囲気や緊迫感など閉じ込めたままの1枚を残せると言う豊富な臨場感が何物にも代え難い」と評する方もいる。RIKENONは「当時のコーティング技術からフレアやゴーストの抑えはOld Lensのそれなりだが、Lensはピントが合った時の写りの良さ」には定評がある。お高いズミクロンの「画面の平坦性」重視に対して、RIKENONの「中央部性能重視」ということはあるが、何といっても「価格以上の高パフォーマンス」は文句なしで、「和製ズミクロンの異名に異論はない」というのが古いレンズ愛好家の評価らしい。

 して、今回の撮影で感じたことは、絞り「8~11」近辺で、緩やかな光の中で遠近に関わらず、最も性能を発揮するようだ。発色や階調、解像度、前景、背景の緩やかなボケ味など。この辺が力の見せ所であるらしい。極端な光の明暗(強弱)に弱いところはオールドレンズの一般的な性質だが、やわらかい光の中で、「ススキ」や「おちば紅葉」に見られるように、遠景よりも近接撮影に圧倒的な力量を示しているように思う。撮影者として「質感表現能力」「空気感や距離感」「豊富な臨場感」が感じられる写りだった。


コメント
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