スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

浦和エリア旨い店シリーズ ~番外編388~

2022-05-04 06:24:25 | 食~番外編(京都)

京料理 湯どうふ おきな

京都市右京区嵯峨釈迦堂大門町11

TEL 075-861-0604

定休日 毎週水曜日、第3木曜日

http://saga-okina.com/

当店は嵯峨野清凉寺仁王門の斜め前にある一戸建ての京都らしい

雰囲気を醸し出している湯どうふを売りにした京料理店だ。

当店を知ったのは浦和で大変お世話になっている方の紹介で

「素晴らしいお店だから是非行ってみたら・・・」

とのアドバイスで予約した。

京都では1階の屋根の上に鐘馗(しょうき)さまが乗っている家が多い。

鐘馗さまは中国唐の時代の実在の人物だそうで疫病や病を払ってくれる、

さらに日本では火災除けとしての役割も担っているとのこと。

コワモテの鐘馗さんを屋根に乗せ、鬼から守っていただろうと

京の街では家の屋根にのせるのが流行らしい。

玄関のところに花木が活けられていた。

一見すると季節柄、桜か桃かと思いきや、女将曰くアーモンドの木だそうだ。

アーモンドの花なんて初めて見たかも?

店内に入るとこれが渋くて良い感じ。

カウンター席の前の渋めのレンガ積仕立て焼場(?)がとても素敵に見える。

当店は二世代のご夫婦が営む気取らない家庭的なお店で

ミシュラン1つ星にも2年連続で選ばれた。

息子さんは祇園「八寸」で修業したらしい。

そして後ほどドラマチックなお話を紹介するが、

昨年他界した瀬戸内寂聴の小説「女徳」のモデルである

祇王寺の庵主・故高岡智照尼によって「おきな」と名付けられた。

今回は個室を用意していただいた。

おきなさんは温かいもてなしと時節の京料理が楽しめる伝統に則し、

一皿に使う素材の数を控え、何を食べたかが印象を残すというコンセプトでやっている。

これがお昼のメニュー。

季節の料理が二品出て湯豆腐ひろうす煮、うなぎ、お造り盛り合せ、

天ぷら盛合せの一品が選べるという楽しい組み立てになっている。

その他にも一品料理が付いて4,900円(税抜)+別途サービス料だ。

では絶品、逸品の品々のパレードのスタートだ。

いきなりきました多彩な変化球。

しかも美しい。

本格的なシャンペングラスの中にさっきまで

生きていたような鮮度のホタルイカ、そして炙った帆立。

それにホワイトアスパラ、空豆、スナップインゲン等の野菜が酢味噌和えの中にいる。

実食・・・アーこれ旨い、すごくセンスある。

入口からいきなりテンションが上がってしまった。

今、旬のものといったら、たけのこでしょう。

日本一のたけのこ「大江塚原」とわかめと木の芽の和え物。

天下の王道料理だが素材がすごく、たけのこの食感とわかめのダシの相性が抜群。

木の芽のパンチ力も最高だ。

さらにすごいのが出てきた。

湯豆腐ひろうす煮。

この豆腐は嵯峨豆腐といって今日の京豆腐のブームの先駆けとなった

清凉寺門前にある豆腐店「森嘉」のものだ。

木綿豆腐のような歯ざわりと絹ごし豆腐のような舌ざわりを併せ持つ食感と

豆そのものが持つ風味のハーモニー。

この旨さの秘密は、やはり京都の水だそうだ。

そして薬味3種。

この天婦羅も美味しかったナー。

特に稚鮎は絶品でした。

アップの写真がボケてしまいましたが、海老、

ハスなどが写っているのでカットできませんでした。

天つゆのお皿には星座が描かれお洒落。

2代目曰く「料理は7割素材で決まる」。

他一品料理がこの飛龍頭。

これも言うことなしです。

ゆずの優しい個性がさらに引き立てている。

やはり京料理といったらちりめんじゃこは出てきますネ。

そこにイクラを持ってきたとはちょっとにくいね。

そしてデザートは三嶋亭に続いて柑橘系のジュレ。

このレベルも愛情のこもっていた手作り感があってかなり高かったですヨ!

個室の会話も若女将から女将に変わってどんどん盛り上がってきた。

たまたま女将の姉が浦和に嫁いでいることがわかり、話は究極のテーマへ。

実はこの女将は昨年亡くなった瀬戸内寂聴の食事の世話を

寂聴が京都嵯峨野の寂庵に居して以来、

約40年近く面倒を見ていたという大変な関係の人だった。

その関係を表す写真を沢山見せてもらった。

寂聴は当店にも幾度も来ては食事を楽しんだという。

まさに旅の醍醐味を感じる一瞬であった。

感謝、合掌。