当社は数は少ないが、年1棟~3棟くらい注文住宅の施工をやっている。
構造はRC造が多かったが最近コスト問題もあって
木造が多くなっているような気がする。
この大きな2世帯住宅は昔からお世話になっているオーナー様で、
今回は設計施工で依頼を受け、4月下旬に無事完工した。
住宅の本体工事は完了したが、
外構工事(門扉から玄関までのアプローチ工事)がまだ残っている状況。
それにしても浦和エリアでは敷地に余裕がある大邸宅だ。
ご覧のように立派な玄関ドアが2つあるということは
当住宅が2世帯住宅であることがわかると思います。
本住宅の設計スタンスはオーナー様のお考え、
ご希望を最大限尊重して進めさせていただきました。
まずは母方の住宅からご紹介しましょう。
こちらは玄関入口の土間とロビースペース。
オーナー様が高齢のため随所に手すりを設置している。
2世帯住宅の1階境界エリア。
フローリングカラーが落ち着いたブラウン色の母方と
明るいベージュ系カラーフローリングと
カラーでもはっきり識別されやすい色決めだ。
ダイニングキッチンエリア。
システムキッチン等、住宅設備はハイグレードのメーカーを
メーカーショールームを巡り決定した。
最近の住宅は和室がめっきり減る傾向にあるが、
当O邸の母方では、やはり日本人の心のふるさとの和室、
畳はお洒落な琉球畳を採用。
障子もモダンなデザインを取り入れている。
こちらはリビングエリア。
作り付けの家具はゆったりゆとりの家具の造りになっている。
現在のオーナー様は健常者の生活ライフを送られているが、
将来の身体レベルダウンを想定して車椅子対応ができるスペースを取った。
浴室もハイレベルのシステムバスを採用。
洗い場の床はスリップ防止になる小口タイル模様仕様になっている。
やはり新しいお風呂は気持ちが良い。
2階への内部廻り階段。
踏み面の床もはっきり色分けをし、それぞれ手すりを設置している。
母方の家には濡れ縁を設けた。
日本の住まいでは馴染み深くてどこか懐かしい濡れ縁。
昔の家ではポピュラーでしたが、だんだん見かけなくなってきました。
ご覧のように広大な敷地のため、
最近の家では作りたくてもそのスペースがない勝手口が
O邸にはこんなにも立派なものがあり驚きだ。
これからは若夫婦家族の居住スペース。
本当に広くて素晴らしい空間の玄関土間と明るいロビーだ。
ここに種々のインテリア、しつらえが加わるとさらに空間が生き生きとしてくるのだろう。
ここで昨年から叫ばれているいわゆる「ウッドショック」についてコメントしてみたい。
新型コロナウイルス感染拡大の影響でアメリカの木材価格が急激に高騰。
供給バランスが極端に変わったため木材の輸入量が不足し、
価格だけでなく木材の入手が困難な状況まで日本の木材業界は追い込まれてしまった。
そこへロシアのウクライナ侵略で第2次ウッドショックの懸念が出てきた。
一体この先どうなるのか。
今回のO邸でもウッドショックの影響を受け、竣工まで薄氷の思いであったが、
木造業界あるいは広く建設業の苦労はまだまだ続きそうだ。
2階廊下部分の動線もシンプル。
住宅は基本シンプルがベストだ。
壁の随所には棚の収納部を設けている。
そして住宅全体のバリアフリー化。
次はシステムキッチンエリア。
ここは奥様方がもっとも関心のあるところで、
決められるまで種々の葛藤があったことでしょう。
この世界の技術革新はドンドン進んでいる。
明るく広々としたダイニングエリア。
人によって生活スタイルは当然違うが、
このエリアがかなり毎日の時間を過ごすことが多いものだ。
生活してみて意外に使う頻度が少ないのが一番気をかけたリビングコーナー。
息子様方の作り付け家具も大きくとっているのが迫力ある。
お風呂トイレの水回り設備関係。
トイレの壁面は小口タイルクロスを使っているのはオーナー様のこだわりの現れだと思う。
2世帯住宅全体をくまなく回って一番足が止まったのがこの1枚。
ある意味大胆なパープルカラーを採用したクロスに囲まれた仏壇エリアと物入。
このスペースに仏壇が入ると空間も変化してくることだろう。
将来のライフ変化を想定して2世帯共用エリアの1・2階部分には、
この場所に将来介護に対応できるエレベーターを設置できるスペースを用意していた。
2階の隅から隅までのベランダの広いこと。
うらやましいスペースです。
2階ベランダから見た、なんて贅沢なお庭の広さ。
住宅街の中で全く周囲からの圧迫感がない。
外観意匠もスッキリしてシンプルisベストの邸宅に仕上がっていた。