霊鑑寺は臨済宗南禅寺派の禅尼寺で、はじめ南の鹿ヶ谷の渓流沿いに
位置したため、谷御所又は鹿ヶ谷比丘尼御所とも呼ばれている。
承応3年(1654)に後水尾上皇が皇女の浄法身院宮宗澄を開基として創建し、
荒廃していた如意寺の如意輪現音像と霊鑑を併せて祀ったことから霊鑑寺と名付けられた。
貞享4年(1684)に後西天皇の旧殿(今の書院居間)を賜って現在地に移建された。
その後、代々皇女皇孫女が住職となり、明治23年(1890)までは伏見宮の尼僧が門跡として在院した。
京都では1年間各寺で特別拝観をやっているが、当寺では秋の拝観として書院をガイド付きで見ることができる。
又紅葉が美しい庭園も特別公開していた。
現在の本堂は徳川幕府11代将軍・徳川家斉の寄進で、本尊の如意輪観音像の
傍らの不動明王像は伝教大師の髙弟智証大師(円珍)の作といわれている。
又歴代門跡の遺品など皇室ゆかりの寺宝が多い。
それでは本堂、書院の向かい側に小髙い山を周遊する道を歩みながら美しい紅葉を紹介しましょう。
当寺のこの日紅葉はどちらかという散り紅葉、そして敷き紅葉が美しい。
沢山の写真をアップしましたのでじっくりご覧下さい。
又、当寺は京都市天然記念物にも指定されている日光椿をはじめ30種類以上もの
椿を観ることができる椿の名所でもあり、「椿の寺」とも称される。
丁度、植木の剪定をしていた庭師ともお話をしたが、ここに写っているもみじは日本で2番目に髙い木だと言っていた。
さらに回遊式庭園を巡っていくと太陽の光に照らされた言葉にならない程美しい紅葉と青々とした苔の庭園が続く。
夢心地で歩いていくとあっという間に出口に出て来てしまった。
それ位、小じんまりとした霊鑑寺。
しかしその美しさは紅葉の秋を巡った旅の中でベスト3に入る素晴しいお寺であった。
このお寺から京都駅・京都タワー方面を望むとこのお寺の高台にあるのがおわかりでしょう。