本日の講師、村田晃嗣氏は1964年(昭和39年)生まれ。
神戸市出身、87年同志社大学法学部卒業。
95年神戸大学大学院法学研究科博士課程修了。
米国ジョージ・ワシントン大学留学後、95年広島大学総合学科部専任講師、99年助教授。
200年同志社大学法学部助教授、05年より現職。
11年法学部長、13年から16年学長。
18年日本放送協会NHK経営委員会委員。
本日の演題は「変動する国際情勢と日本の課題」です。
新型コロナの関係で講演会の会場設営もすっかり変わった。
講師のレクチャーテーブルの前にはアクリルボードが。
座席の配置もソーシャルディスタンスで1テーブルに1人と会場は今までの倍の広さが必要になった。
アクリル越しの講師の顔は光で反射していまいち見ずらい。
それでは講演レポートを始めます。
講演日は4月19日(月)でした。
・米国の中国政策は半世紀ぶりに転換した。
アメリカの政治は自分が信じたい事を信じる人が増えた。
まだwithトランプ、withコロナの中で生きている。
・安倍内閣、菅内閣は中国とケンカしたくない。
トランプが中国とケンカしてくれたおかげで日本は溜飲を下げた。
・トランプ政権時代、アメリカは景気が良かった。
失業率も低く、岩盤支援層は堅固だった。
又、戦争もしていなく戦死した軍人は誰もいない。
しかしコロナによって一掃されてしまった。
貧しい人種、たとえばヒスパニックは白人より12倍コロナに感染した。
コロナによって死ぬのは老人で世代格差も生まれてきた。
子供を持つ女性もトランプ離れ、ということで岩盤支持層が崩れてきた。
因みにアメリカはコロナで42万人以上亡くなり、
第一・第二次世界大戦とベトナム戦争の合計死者より多い。
トランプはコロナという戦時大統領としては戦争政策に失敗した。
・一方バイデン大統領は78歳という高齢で1期4年で終わるだろう。
コロナが無ければトランプは勝っていた。
民主党は勝てない選挙で良い候補者が出てこず消化試合のはずだった。
・民主党は中国に甘いのではないかと思われていたが、対中姿勢は厳しい。
世論調査では中国の軍拡は本物で70%が危険と思っている。
軍部エリート、政治エリート、経済エリート、金融エリートの順で
中国を許せないと考えている。
バイデン政権では日米、NATOなどの同盟派(クリントン、オバマ政権で働いていた人々)、
新疆ウイグル、香港などの人権問題を重視している人権派、
日本にとってそう悪い話ではない(2050年カーボンニュートラル)環境派がいる。
中国は強いけど脆く、脆弱な国だ。
危険な年は2029年、2049年(建国100周年)、
アメリカにとってEUはガタガタしているし、豪は大国とは言えない。
インドはロシア、イランなどと歴史的友好国で日本が一番大事な国。
アメリカが心配しているのは日本がどこまでついてこられるか?だ。
・ここで対中戦略について匿名のワシントンレポートの紹介があった。
対中政策のゴールは何か?
中国共産党(9,100万人)をつぶすことなんかはできない。
落としどころは習近平以前の2013年に戻そう、だ。
できない事の計画を立てるのは戦略ではない。
・アメリカは菅内閣がいつまで続くか?
総選挙を乗り越えてもらいたいと思っている。
菅はスキャンダルをマネージメントできるか?
逆に党内にライバルがいないし、野党の支持率が低いのは良い。
日米関係にとっては2024年9月、11月(アメリカ大統領選)までに
次のリーダーを育てることができるか?が重要なテーマだ。