埼玉県芸術文化振興財団は平成5年7月1日に
優れた舞台芸術等の提供、県民の芸術文化活動の支援等により、
芸術文化の一層の振興を図り、
真に豊かさとゆとりを実感できる県民生活の実現をする為に設立された。
こちらの理事長の話を聞く機会があったのでブログにアップしてみました。
そして当財団は平成6年4月1日に「彩の国さいたま芸術劇場」の管理を受託した。
(2017-12-27付ブログ参照)
(1)大ホール 客席数776席
・演劇、舞踊等のためのプロセニアム型のホール
・肉声が届く最適な客席規模
・国内最高レベルの舞台の広さ、高度な舞台機構・照明・音響設備を誇っている
(2)小ホール 客席数266~346席
・演劇、ダンス、音楽等の多彩な舞台表現の試みや想像力の育成に適したホール
・馬てい状の客席で舞台形式と客席数との関係を変えられる(可変式ホール)
(3)音楽ホール 客席数604席
・室内楽を中心とした音楽会のためのシューボックス型のホール
残響時間は約2.0秒(満席時)
・高窓から自然光を取り入れることで、くつろいだ雰囲気の音楽会も楽しめる
(4)映像ホール 客席数150席
・芸術的映像作品の鑑賞や発表に適したホール
・国内外のフィルム映像、デジタル映像作品の上映や
各種フォーラムやシンポジウム等に利用できる
当芸術劇場は優良ホール100選に選ばれ、これだけの大きさの劇場が4つ、
平面のフロアーに配置されているのは全国でもまれな劇場で、
トータル的にはベスト10、あるいはベスト5に選ばれるのでは?と言っていた。
同じく平成6年4月1日に「埼玉会館」の管理も当振興財団は受託した。
当会館の設計監理は前川國男建築設計事務所で、
前川國男の代表作の1つと言われている。
竣工時期は昭和41年(1966年)でSRC造、地下3階・地上7階・塔屋2階、
延床面積は18414.54㎡(5580.2坪)ある。
数年前に全面リニューアル工事を終えている。
初代芸術監督および館長は諸井誠氏だ。
昭和58年(1983年)の第1回県民芸術劇場(仮称)基本構想検討委員会から氏は参画し
平成5年(1993年)の財団設立と同時に初代芸術監督に就任した。
「創造する劇場」「多彩」を理念に
広範な人脈を活かし国内外の一流アーティストを招聘した。
演劇では彩の国シェイクスピアシリーズ、
舞踊ではビナ・バウシュ&ヴッバタール舞踊団、
音楽ではピアニスト100シリーズなど素晴らしい実績を多く残した。
2代目に就任したのが川口市出身の蜷川幸雄氏だ。
氏は平成10年(1998年)彩の国シェイクスピア・シリーズの芸術監督に就任し、
その後、平成18年(2006年)財団の芸術監督に就任した。
プロフェッショナルなクオリティと高い採算性を念頭に、
また、人材育成にも尽力した。
演劇では彩の国シェイクスピア・シリーズはもちろんのこと、
さいたまゴールドシアター、1万人のゴールドシアター、
さいたまネクストシアターなど。
舞踊ではビナ・バウシュ、オハッド・ナハリン、ヤン・ファーブル等の
国際的な振付家の作品を紹介。
コンドルズや「dance today」シリーズなど
国内外で活躍する日本人アーティストの作品も上演した。
音楽では音楽では将来を嘱望される若手ピアニストによる
「ピアノ・エトワール・シリーズ」や、
3年に渡り気鋭のアーティストにスポットを当てる
「現在(いま)シリーズ」などをやった。
蜷川氏は多くの人々に惜しまれて6年前の2016年5月12日、80歳で亡くなった。
そして蜷川氏の後任として新たな事業展開に向けて
来月から近藤良平芸術監督が始動する。
氏は横浜国立大学を卒業で53歳。
1996年に自身のダンスカンパニー「コンドルズ」を旗揚げ、
これまで世界約30ヶ国で公演を実施。
TV番組出演、振付、演劇、映画出演など多数あり、
NHK連続テレビ小説「てっぱん」、NHK大河ドラマ「いだてん」などにも係わった。
選任理由としては
・日本の舞台芸術界をけん引するアーティスト
高い芸術性と大衆性の両立に期待
・幅広い分野のコネクションを生かしたジャンル・クロスによる新しい表現に期待
・創造性が人々にもたらす恩恵を深く理解、芸術による社会貢献の推進に期待
振興財団は新たな事業展開に向けて組織運営理念「Art for Life」
-すべての人生に芸術を-を策定した。