今回は3年前にアップした熱海の夜に続き(2019-3-11付)、
情緒溢れる東京の花街、神楽坂の御座敷遊び、夜の雰囲気をお伝えしたいと思います。
その前に6月4日(土)3年ぶりに開催された第37回公演「神楽坂をどり」を紹介いたします。
開場は神楽坂劇場(牛込箪笱町15番地)。
3部公演になっていて全席指定5,000円。
主催は東京神楽組合。
因みに神楽坂には現在20人弱の芸者さんと1人の半玉さんがいる。
まだ午後の神楽坂兵庫横丁の風景。
前に歩いている着物姿の女性は一昨日紹介した東音会で
大変お世話になっている三味線の先生。
もうすでにモスグリーンの擁の料亭幸本の窓からは三味線の美しい音色が流れてきて
街並に素敵な彩りを与えていた。
この子が前述した神楽坂芸者で唯一の半玉(はんぎょく)の多ま希さん。
半玉とは芸者の見習いで京都でいう舞妓にあたる。
色々話を聞いてみると関西の出身で舞妓に憧れて京都上七軒に数ヶ月いたが、
おどりの方の紹介で神楽坂の門を叩いたようだ。
とても愛嬌があって愛くるしい性格でとても好感が持てる半玉だった。
一昨日の神楽坂をどりにも立方として出演すると言っていた。
多ま希さんの向こうの後ろ姿の方が置屋のおかみさん。
彼女はこの仕事が好きで百戦錬磨といった感じ。
多ま希さんがお座敷で舞ってくれたスナップ写真。
やはり半玉さんときいて仕草・振る舞いが初々しい。
そして楽しそうに芸を披露しているのがとても良かった。
もう1人来てくれたこの芸者さんもまだ若い。
源氏名は忘れた。
たまたま偶然だが、この子も京都の外大出身で
多ま希さんとほぼ同時期に上七軒にいたとの事。
京都の5大花街のことで話が盛り上がってしまった。
こちらは三味線を弾いていたリーダーの若おかみさん。
神楽坂の夜①
神楽坂の夜②
本当にこの日は東京芸大の流れを汲んだ芸術的な長唄と
お座敷の芸者さんの芸と2つの世界の日本文化に触れ、
贅沢な至福の時間を過ごすことができ、夢のような気持ちになれた。
会と宴席もあっという間に過ぎ、いよいよお開きの時間となった。
外はすっかり夜の帳につつまれ、
神楽坂の夜の顔に変化をしてさらに味わい深い街に変わっていた。
1枚の写真の右側に写っている元旅館はレトロな雰囲気いっぱいの建物で、
作家・野坂昭如氏、そして映画監督・山田洋次氏がここで
「男はつらいよ」の構想を練り滞在しながら数々の名作を誕生させたところだという。