2.100分de名著 安部公房
『砂の女』第2回 揺らぐアイデンティティ
女の家で一夜を過ごした仁木は、翌朝、外界へ出るための縄梯子が取り外されているのに気づき驚愕する。
彼は、村人たちによって砂を掻き出す作業員として幽閉されたのだ。
彼は女に「外へ出て自由になる気はないのか」と問うが、女は超然とその気がないことを示すのみで、まるで自ら自由を手放しているかのよう。
女の態度に苛立ちつつ、仁木は脱出や抵抗を試みるが、ことごとく挫折。あげくに自分が忌避していたはずの戸籍や所属証明を楯に村人たちを恫喝するのだった。
第2回は、「砂の女」という作品に象徴的に描かれた「アイデンティの揺らぎ」を読み解き、自由へのあくなき拘泥が逆に人間を束縛するという逆説について考える。
タイトルバック ~映画「裸の島」より~ "Naked Island"
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