100分de名著 『古代研究』 折口信夫
第1回 「他界」と「まれびと」
折口にとって古代の世界観の根底となるのが「他界」の問題だ。
かつて日本列島に移り住んできた祖先たちが離別してきた出立の地を懐かしんだり憧れたりする心性が「他界」を生み出したのではないかと折口は考えた。
更に折口は、南方諸島の祭祀などに見られる、他界から時を定めてやってくる存在を「マレビト」と呼び、日本における神の原初的形態だという。
人々はマレビトを畏怖をもって迎え饗応し、マレビトは豊作などを予言して他界へ帰っていく。
この構造が、茶道や華道などの芸道や「おもてなし」に象徴されるの日本文化の隅々に影響を及ぼしているというのだ。
第一回は、折口が唱えた「マレビト」や「他界」という概念を解き明かすことで、日本文化の基層にあるものに迫っていく。
HAUSER - Song from a Secret Garden
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