100分de名著 『ショック・ドクトリン』 ナオミ・クライン
第2回 国際機関というプレーヤー・中露での「ショック療法」
今こそ知るべき、「衝撃と恐怖の資本主義」の正体
ジャーナリストのナオミ・クラインは、1970年代のチリの軍事クーデターに始まり、ソ連崩壊、アジア通貨危機、米国同時多発テロ事件とイラク戦争、
また台風や津波のような自然災害など、社会を揺るがす大惨事に乗じて導入された過激な市場原理主義改革の事実を、
歴史的な視点で丹念に追い、この「ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)」によって先進諸国が危機状況にある国の富を収奪する構造を明らかにした。
新自由主義が世界を席巻し、私たちの暮らす日本も「ショック・ドクトリン」の標的となり得る現在、改めてこの本を読みとき、
社会を裏側で動かす構造を見抜く方法や、それに立ち向かうためになすべきことについて考えていく。
「ショック・ドクトリン」を国際機関も推し進めることを示したのが1997年の「アジア通貨危機」の事例だ。
タイのバーツは暴落、韓国も国家破産寸前に追い込まれる。欧米各国が救済に動かない中、IMFがついに重い腰を上げる。
だが融資をするための条件として、貿易自由化、基幹産業の民営化、財政赤字の解消など厳しい条件を課した。
その結果、いずれの国も外資系企業の餌食となっていく。中露などの大国も、国家が主導して同様の事態を引き起こしていく。
元々弱体化した国々を援助する目的で創設されたIMFや、西側陣営とイデオロギーを異にする大国が積極的に新自由主義政策を導入するのはなぜか。
第二回は、アジア通貨危機、天安門事件、ソ連崩壊等の事例を通して、国際機関や大国が特定の利害に追従するように変貌してしまった原因を探る。
Bring Him Home (from Les Misérables) - The Piano Guys
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