炭焼きは窯の温度変化を見ながら状況を判断、調節していくが加えて視
覚・臭覚も重要な判断要素になる。点火しそうになると煙の中に木酢液の臭
い、喉を刺激し咳き込むようになったり、別の場面では煙の色が灰色、白、
青、透明へと変化するのをみて温度との兼ね合いで窯の中を想像し手を加
える。
久しぶりにデジタルを使用してみたら100℃計で1~4℃くらい差があり、200
℃計、400℃計と数字が大きくなるに従い誤差が少なくなり400℃計では1~
2℃の範囲だったから、これらの温度計はどちらを使用しても大差ないと考え
られる。双方に差があっても相対的な変化を知ればある程度の状況が判断
できるのは変わりない。極論を言えば窯の中の状況を想像しながら行うもの
だから必ずしも精度の高い温度計を必要としない。差があっても常に同じ幅
で異なる数値を示す温度計で人間の視覚・臭覚・経験の範囲に近いものを示
せばいい。(未だ温度は数十度のはずが100℃を示すことない)
初心者でもデータさえあれば簡単に炭焼きくらいできるのではないかと思え
る、前回の温度カーブをなぞるようにしてやればいいだけのことだから。
でも出来ないのはデータの他にある熟練者の会得した体感からくる重要な要
素が大きく左右するからだ。それにいつも言うように窯の中に入れた材料がど
んなものだったのか、連続した炭焼きなのか等々の条件がつくと同じカーブで
も結果に違いがでる。
あれこれと屁理屈・成り立たない禅問答のようなことになるが・・・2本の温度計
があり双方に差がある場合、根拠はないのに今まで使用していたものを信用
する傾向にある。それと同じように今まで棒温度計をデジタルに変えようとす
るのを妙に気にするのと同じようだ。私論になるが以上のようなことから温度計
を変えた場合に差を生じるかもしれないことを頭に置いておけば余り神経質
になる必要なないと思う。
使用感・・・測定場所は煙突の出口で外気温度の変化を受けやすいところな
のでアナログの棒温度計は外気による変化は少ないがデジタルは瞬時々を
測定するので数字が変化し易い。
トラウマから棒温度計は耐久性がありデジタルは故障を覚悟?
但しこれは本当かフェイクか分からない。