新型コロナは地球全体からみれば国家間の醜いエゴを、身近な日本社会は
先進国の中では先端の方にあると思っていたのに実は空虚で発展途上国並
みの所に位置していることを教えてくれた。
感染力を低下させるには人の移動を減らすこと、明々白々の論、ならば在宅
勤務すればいいと官は勝手なことを言うが、自宅の通信設備・パソコンなどは
個人のもので会社のものではない。
自粛を要請しながら十分な支援給付金を出そうとしない政府は更なる滅私奉
公を迫る。否、指示に近い。在宅勤務、オンライン化は10数年も前から提唱さ
れていたが気づけばアジアの中でも周回遅れとまではいかないもののトップラ
ンナーからは凋落していた。
無理もないUSBメモリーも知らない人がIT担当大臣になれる日本。それでい
て何の異論・疑問を持たない国民にも問題はあろう。
コロナ禍で感染ルート追跡アプリやマスク購入アプリなどを開発し効果を上げ
ているIT活用の台湾や韓国の担当大臣、日本はFAXと電話のアナログだから
結果は雲泥の差。
少々辛口になったがここまでは落語で言えば枕の部分。
もしコロナが蔓延する中でも炭焼きが必要になった場合、ニュアンスは少し違
うかもしれないがオンライン化について想像してみた。昨今はTVのコメンテー
ターも密を避けるため『オンライン出演』をしている。
これはスマホアプリZOOMを使えば私たちでも簡単にすることが出来る。例え
ば誰かが炭窯に出かけZOOMで窯現場から状況を説明する、参加者はコタ
ツや火鉢にあたりながら現場の人と窯の風景を見ながら会話を進める。
『温度は150度だから煙突の小枝を一本追加して』とか『通風孔を3/4に狭め
て』などと意見、指示を出す。煙の状態や温度などを知り皆で会話しながら炭
焼きを進めることができる。
不定期な出来事、連絡についてはLINEを使えば1対1でもグループでも可能
だから炭窯に全員が集まらなくても炭焼きをすることは出来る。しかし、これで
は生の人と人との会話が減り面白味が減ってしまうかもしれない。よく考えてみ
ると無駄と思われている会話や集まりは人が楽しむというエキスになっており実
は必要なものではなかろうか。
私たちの年代の者は新しいツールはあれば便利、活用できなくても困ることは
余りなさそうだが、これからの時代を生きる人には不可欠になっているのに学校
でのオンライン教育すら霞の彼方にあり先行きが危惧される。
古い日本人は『顔を合わせて皆でやることが一番安心できる』というDNAを持
っているのかもしれない。回り落ちのようになってしまったが私たちは方法を選
ぶ余地があるだけ幸せなのかもしれない。