高尾小学校校舎
お世話を頂いた大垣町議さんのレクチャー
多目的教室に案内され中に入ると『にこにこ寄席』の旗と演台、落語寄席ら
しく座布団が敷かれ、観客には椅子が用意されていた。本物の寄席のように
お囃子が鳴り響く中を最年少の女の子、双葉亭こやけが登場する。
『毎度、馬鹿馬鹿しいお笑いをひとつ・・・・』というような古い入り方ではなく
ストレートに身近な小噺で会場にいる曽祖父(ひいじじ)さん、曽祖母(ひいば
あ)さん達を笑いに包む。話の中身は大人の世界に近いのに語るのは子供、
それも小学校の低学年だから、そのギャップの大きさも手伝って笑いを誘う。
しかも、場慣れしていて堂々としている。先生の説明では、先日も松江に招
待を受け大勢の観客の前で演じたり、広島から声掛けがあったりだから、舞
台度胸は満点。
演目を終えると、丁寧に座布団をひっくり返して飾り房を整え、次の演者の
舞台を作り、退席し次の演目が書かれた『めくり』をめくってお囃子に送られ
ていく。ここでは前座や真打の区別なくすべてを受け持っている。
その後、若葉亭たこやき 『出来心』
二葉亭ゆうやけ 『猫の名前』
青葉亭雲太 『一目上がり』の古典を3目、演じてくれた。
何々亭は亭号と呼ばれ、ここでは1~2年生は若葉亭、3~4年生は二葉亭
5~6年生は青葉亭と決まっている。卒業生は青葉亭を続ける。
中入りでは大喜利、テーマ曲は先生の吹くトランペットが流れる中、生徒さん
が登場し、上から読んでも下から読んでも同じ回文
『今朝 おいしいおでんで おいしいお酒』
回文でも十分楽しんだ後にトンチ問答と数々の熱演に笑いと感心を繰り
返す。
最後には、本当の小学生に戻って、可愛らしい清んだ声の合唱を1曲
披露してもらい、寿命が延びる延命の水を頂いたような気分になった。
先日から、真打中の真打6年生の2人が就学旅行に出かけて不在、
留守を守る下級生たちだけの熱演、最上級生の実力たるや如何に・・・・
私たちは演じている小学生よりも素人だから、代わってあの台の上で同じ
ことをやってみろと言われても、手も足もでない。だから、ここでも誉め言
葉しか出てこない。このような活動ができるのは小さな学校だからと謙遜さ
れるが、規模にかかわらず地域を巻き込み定着させてこられた先生はじめ
とする人たちの熱意なくしては為しえなかったと思う。
私たちも地域の活性化を目指し色々なことを試してきた。ある程度うまくい
ったものもあれば挫折したものもたくさん経験しているから、子供たちの成
功例を見せてもらうと、私たちにも何か出来るかもしれないと勇気を貰うこ
とが出来た。
秋の恒例の小旅行のつもりで出かけたのに、小学生たちから宿題を貰っ
たような気分になった。高尾小学校の生徒皆さん、有難うございました。
桑炭会のじいちゃん、ばあちゃん達も頑張るから、皆さんも頑張って。
【見聞きしたことを思い出しながら書いたもので、聞き間違い、勘違いなどで
誤りがあるかもしれませんが、ご容赦願います】
見送りを受ける
【絲原記念館】
生徒さんたちに元気をもらい、最後の行先は絲原記念館、島根県に住む
人なら一度や二度は行ったことのあるところ。たたら製鉄で財を成した糸原
家の住居に残された、当時の道具や歴史的価値のある品物を展示してい
る。また、部屋から眺める庭園、家屋の造作などの贅は財力の大きさを語っ
ている。
係りの方から丁寧に説明して頂き、外に出ると、陽は落ち掛け暗くなりつ
つなっていた。傍にある売店で最後の一絞りでお土産を買う。それから
1時間ほどかけてスタート地点のすこやか会館に到着した時は、真っ暗
になっていた。本当に楽しい有意義な旅になった。 感謝、かんしゃ
『消えゆくトロッコ列車』
今回利用したトロッコ列車は製造から50年経過し列車の老朽化が避けら
れないことから2023年に廃止が検討されている。沿線の自治体からは存
続を望む声は大きいが列車の確保は難しく、今後の事は当事者間で
話し合いをする、らしいが・・・
廃止のニュースが流れたからではなかろうが、利用者が急増し土日の予
約は困難で、平日ですら簡単に予約できなかった。事実、桑炭会が検討
を始めたのは7月頃、この頃から希望日を変えながら予約できたのが今日
だった。平日の列車でありながら、席はほぼ満車に近く人気の高さを物
語っていた。
トロッコ列車が地域に貢献してきたのは事実であろう。脆弱な地域への
サポートになったのも事実であろう。トロッコ列車に代わるものを考え出
し補完しなければ、その分の衰退度は増していく。
利用者の立場はいい加減でアンケートには『存続してほしい』
もっと利用者が増えて声を大きくすればアンケートで応えた『存続』が
現実のものになるかもしれない。