ハッカー黒木の告白
『巡査長 真行寺弘道』シリーズのスピンオフ作品
著者 榎本 憲男
イランの核施設破壊プロジェクト「オリンピックゲーム」にも
CIAの情報職として参加した経験を持つ天才ハッカーの黒木が、
和歌山の世界遺産・熊野古道の中辺路に現れた。
伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪と出会った黒木は、彼女をある試みに誘う。
彼はそれを「実験だよ、金融資本主義に抗うための」と嘯(うそぶ)くのだが……。
>幸福になるコツってのは そんなに難しくないんだよ、きっと。
ひとつは日常生活の もろもろの細部に心から興味を持つことだ。
株価なんかじゃなくてね。
そして そうすることを本当の職人が作った工芸品は助けてくれる。
工芸品ってのは作り手にとっても、そしてそれを手に入れた所有者にとっても
“恵み”なんだよ。 芸術の役割ってのは生きることに対する祝福だと思う。
だから、たぶん私がやりたいのは、芸術によって生きていることが祝福される、
そういう社会を取り戻すことなんだ。
(伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪の言葉)
『巡査長 真行寺弘道』シリーズは何冊か読んで面白かったので
こちらも読んでみました……熊野古道が舞台で、面白かったです🙂