
著者 額賀 澪(ぬかが みお)
松宮周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を前にしたある日、父親から見たこともない預金通帳を手渡される。
父親の様子から、今までまったく知り得なかった人物が自分の為に大金を振り込んでいたことに感づいたが、親戚づきあいもない周作には全く心当たりがない。
謎を知る唯一の人物、父親はその後 脳梗塞で倒れ、昏睡状態のままだ。
その人物が誰なのかを突きとめるうち、初めて、父親のこと、自身のことを全く知らなかった自分に気づき、愕然とする。
大金を自分のために用意した人物を探し始めたことにより、次々とわかっていく父親と自分の過去。
そして、自分達親子が、25年前に起こった ある傷害致死事件の被害者家族だとわかる。
その被害者は、自分の母だった。そして、その加害者は、18歳の少年だった……。
とても良い小説でした。
心が元気でないとき煩悩のようなものが沸き起こることがあります……
そんな時は数独パズルをしたり本を読んだりして、他のことに目を向けるようにしてます。
ホントは散歩などをすると良いのでしょうが、そういうことをする元気が出ないこともあります。
最近、暗い内容の本を読むことが多く、世の中の不条理のようなものを感じさせられます。
この本は、色々なものが変化してきている現代の中で、<家族>というものをカタチを変えて表現していました。
昨日、「ほぼ日刊イトイ新聞」で気晴らしの大切さについての記事を読みました……
いい意味での「浅さ」が大事なのだということを書かれていました。
なるほどなぁと思いました。
