図書館へ行こう!

 本は私の人生の友・・・

『世界の美しさを思い知れ』

2024年12月28日 | 

著者 額賀 澪

 

蓮見貴斗と尚斗は一卵性双生児。

弟の尚斗は人気俳優だったが、遺書も残さずに自殺した。

葬儀を終えて数日後に尚斗のスマホが見つかり、貴斗が電源を入れると顔認証を突破できてしまう。

未読メールには礼文島行きの航空券が届いていた。

自殺したのに、どうして旅行に行こうとしたのか。

その答えを知るために貴斗は旅立つ。

人気絶頂で自殺した愛する弟は何に悩んでいたのか。

止められなかった自らの後悔を胸に世界を旅する貴斗。

マルタ島、台湾、ロンドン、NY、南米、東京……。

 

束の間の旅気分も味わえ、貴斗の その後(60代)も描かれていて良かったです。

 

皆さま、良いお年をお迎えくださいますように_(._.)_

 


『方舟(はこぶね)』

2024年12月26日 | 

著者 夕木春央

 

極限状況での謎解きを楽しんだ読者に驚きの〈真相〉が襲いかかる。

友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。

翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。

いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった……。

 

水没する地下建築の中での殺人は何故 起こったのか?

著者は考え抜いただろうなぁと思わせるトリックでした。

 


『幸せの列車に乗せられた少年』

2024年12月24日 | 映画

Netflix

1940年代後半のイタリアで、1人の母親が苦渋の決断を下す。

貧しさとは無縁の新しい生活を少しでも送ってほしい、

そんな思いで彼女は息子を北部の地に送り出します。

 

「ニュー・シネマ・パラダイス」のような雰囲気がある映画でした。

 

メリークリスマス ‼


『ウズタマ』

2024年12月22日 | 

著者 額賀 澪(ぬかが みお)

 

松宮周作(28歳)は、シングルマザーの紫織との結婚を前にしたある日、父親から見たこともない預金通帳を手渡される。

父親の様子から、今までまったく知り得なかった人物が自分の為に大金を振り込んでいたことに感づいたが、親戚づきあいもない周作には全く心当たりがない。

謎を知る唯一の人物、父親はその後 脳梗塞で倒れ、昏睡状態のままだ。

その人物が誰なのかを突きとめるうち、初めて、父親のこと、自身のことを全く知らなかった自分に気づき、愕然とする。
大金を自分のために用意した人物を探し始めたことにより、次々とわかっていく父親と自分の過去。

そして、自分達親子が、25年前に起こった ある傷害致死事件の被害者家族だとわかる。

その被害者は、自分の母だった。そして、その加害者は、18歳の少年だった……。

 

とても良い小説でした。

心が元気でないとき煩悩のようなものが沸き起こることがあります……

そんな時は数独パズルをしたり本を読んだりして、他のことに目を向けるようにしてます。

ホントは散歩などをすると良いのでしょうが、そういうことをする元気が出ないこともあります。

最近、暗い内容の本を読むことが多く、世の中の不条理のようなものを感じさせられます。

この本は、色々なものが変化してきている現代の中で、<家族>というものをカタチを変えて表現していました。

 

昨日、「ほぼ日刊イトイ新聞」で気晴らしの大切さについての記事を読みました……

いい意味での「浅さ」が大事なのだということを書かれていました。

なるほどなぁと思いました。

 


『教 誨 師』

2024年12月20日 | 

著者 堀川恵子

 

半世紀にわたり、死刑囚と対話を重ね、死刑執行に立ち会い続けた教誨師・渡邉普相。

「わしが死んでから世に出して下さいの」という約束のもと、初めて語られた死刑の現場とは?

死刑制度が持つ矛盾と苦しみを一身に背負って生きた僧侶の人生を通して、死刑の内実を描いています。

 

>「死」はいつも、自分自身が生きるか死ぬかという瀬戸際に追い詰められるまで、常に他人事だ。

「生」の世界だけではない、「死」の匂いをほんの一度でも嗅いだことのある人間でなければ、

とても“死刑囚”と呼ばれる者たちの人生に伴走することなど出来ないのかもしれない。

 

>竹内さん、嫌なことは忘れた方がよいですよ、「忘れ勝ち」とは、溜めると病気になるよということではないですかね。

後ろ向きの気持ちは常に排泄してゆかないといけません。これは竹内さんのためにあるような言葉ですよ。

 

>私たちは、死に向かって生きるのではない。迷いを重ねながらも、最後の瞬間まで間違いなく自分という命を生き抜くために、生かされている。

そうであるならば、どんな不条理に満ちた この世であっても、限られた時間、力を尽くして生きたいと思う。

どのような過ちを犯した時も、どんな絶望の淵に陥った時も、少しだけ休んだら、また歩き出す力を持ちたい。

人は弱い。だからこそ、それを許し、時には支え、見守ってくれる寛容な社会であることを心から願う。

 


『阿弥陀堂だより』

2024年12月18日 | 

著者 南木佳士(なぎ けいし) 

 

作家としての行き詰まりを感じていた孝夫は、医者である妻・美智子が心の病を得たのを機に、故郷の信州へ戻ることにした。

山里の美しい村でふたりが出会ったのは、村人の霊を祀る「阿弥陀堂」に暮らす老婆、難病とたたかいながら明るく生きる娘。

静かな時の流れと豊かな自然のなかでふたりが見つけたものとは……。

 

「阿弥陀堂だより」より……

九十六年の人生の中では体の具合の悪いときもありました。

そんなときは なるようにしかならないと考えていましたので、気を病んだりは しませんでした。

なるようになる。なるようにしかならない。そう思っていれば なるようになります。

気を病むと ほんとの病気になってしまいます。

 

とても良い本でした。

 

立川駅北口前で……

 


ござれ市

2024年12月16日 | Weblog

昨日、高幡不動尊へ元旦護摩の申し込みに行きましたが、ござれ市が開かれてました……


『恋とか愛とか やさしさ なら』

2024年12月14日 | 

著者 一穂ミチ

 

カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、

啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。

「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。

啓久が”出来心”で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。

 

女性が置かれている悲しい側面を突きつけられました。

 

久しぶりに多磨霊園駅の近くにあるラーメン店「心」に行きました……


『ホワイトバード』

2024年12月12日 | 映画

はじまりのワンダー

 

いじめによって学校を退学処分になり、自分の居場所を失っていたジュリアンのもとに、パリから祖母サラが訪ねてくる。

孫の行く末を心配するサラは、彼に自身の少女時代について語りはじめる。

1942年、ナチス占領下のフランス。ユダヤ人であるサラは、学校に押し寄せてきたナチスに連行されそうになったところを同じクラスのいじめられっ子の少年ジュリアンに助けられ、彼の家の納屋に匿われる。

クラスでいじめられていたジュリアンに全く関心を払わなかったサラを、ジュリアンと彼の両親は命懸けで守ってくれる。

サラとジュリアンが絆を深めていくなか、終戦が近いというニュースが流れるが……。

 

とても良い映画でした ☆☆☆☆☆

 


『木を植えた男』

2024年12月10日 | 

ジャン・ジオノ 原作  フレデリック・バック 絵  寺岡 嚢(たかし)訳

 

南仏プロヴァンスの荒れ地に、人知れず木を植えた男がいた。

一日に100個のどんぐりを植え、無事に育つのがその10分の1ほど。

時には苗が全滅することもある。

絶望も、二度の大きな戦争も物ともせず、30年以上に渡る長き年月、

ひたすらに自分の仕事に打ち込んだ男の もたらしたものとは?

 

生きていると喜びもありますが、苦しい気持ちになることもあります……

最近 そんな状態になり、心理学の本か人生相談の本を読もうとしましたが、

頭に浮かんだのが以前 読んだ絵本『木を植えた男』でした。

生きていても最後は誰にも「死」が訪れますが、それが「いつ」なのかは分かりません。

とりあえず今日を生きるしかありません……少しでも心を平静に保って。