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 本は私の人生の友・・・

『青瓜(あおうり)不動』

2023年07月31日 | 

~ 三島屋変調百物語九之続 ~

著者 宮部 みゆき

 

行く当てのない女たちのため土から生まれた不動明王(『青瓜不動』)

悲劇に見舞われた少女の執念が生んだ、家族を守る人形(『だんだん人形』)

描きたいものを自在に描かせてくれる不思議な筆と その代償(『自在の筆』)

人ならざる者たちの里で育った男が語る故郷の物語(『針雨の里』)

恐ろしくも暖かい百物語です。

 

>江戸は神田三島町にある袋物屋の三島屋は、「黒白(こくびゃく)の間」という客間に人を招いて、風変わりな百物語を続けている。

一度に招く語り手は一人だけ。向き合う聞き手も一人で、語られる話は一つ。夜の闇にこだわらず、蠟燭を灯したり消したりの趣向もない。

「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」

語り手は語って思い出の荷を下ろし、聞き手は、受け取った荷を黒白の間の限りに収めて二度と口にしない。

 

>人は誰でも、一生に一つの物語を綴りながら生きている。時にはそれを語りたくなる。

幸福の儚(はかな)さを、情愛の美しさを、失われてゆく魂の尊さを、全てを焼き尽くしても

なお燻(くすぶ)って残る憎悪のしぶとさを、許し合う心の豊かさを。

それらを聞き取るためにこそ、三島屋の変わり百物語は続いてゆく。

 

宮部みゆきさんの本には根底に心の優しさがあり、大好きです。

 

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2 コメント

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Unknown (カイ)
2023-07-31 10:26:53
おはようございます~

今朝は、薄曇りながら。。。
やはり暑い暑い朝です。(;'∀')

>~ 三島屋変調百物語九之続 ~
しばらく前に、新聞連載で
「 三島屋変調百物語六之続 」
-黒武御神火御殿-
を楽しみに読んだことがありましたが。。
すっかり内容は飛んでしまっています。トホホ

「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」
は、頭の片隅に残っていました~

子供の頃の定番、夏の怪談話が懐かしいです。
怖さで涼をとる時代があったんですよね。
もう随分と年を取ったものです。

シラサギ?でしょうか?
真っ青な空に
水面が鏡になったようで素敵な写真ですね。

シラサギさんに涼を貰って、一足一足ゆるりと前に。
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Unknown (ソルト)
2023-07-31 17:17:58
カイさん
こんにちは~

今日も一段と暑い日でしたが、
思い切って新宿まで映画を観に行きました……
案ずるより産むが易しでした
新宿の地下道は涼しく、主演の菊地凛子さんは
青森出身のネクラ女性を上手く演じていました
気分転換できました~

私は新聞連載の三島屋変調百物語事続「あんじゅう」を涙して読み、
それ以来、大ファンになりました
でも、私も すっかり内容は飛んでしまっていますよ

シラサギは、早朝散歩で撮りました……
お褒めの言葉、ありがとうございます
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