2020年7月24日(金)昨秋の私のリサイタルを聴かれた方から、高齢者の合唱団のボイストレーニングを依頼されました。
私でお役に立てればと思い引き受けて、今年の春からレッスンを開始する予定でしたが、コロナウィルス感染が広がって、ずっと延期になっていました。
会場から使用許可がおりたとの連絡があり、いよいよ明日初レッスンになりましたが、熊本県内にコロナウィルス感染者が増え始めていたので、直前ですがお断りしました。
高齢者の合唱団で、感染リスクが高いので、この時期に無理にレッスンすることはないと私は判断したのです。
会場が熊本県内で感染者が出ていない町なので、私がウィルスを運んだらと不安でしたし、私は両親を介護している身なので、できる限り密になる所は避けているからです。
合唱団のみなさまが私のレッスンを楽しみに待っていらしたそうで、本当に申し訳なく思いました。
コロナウィルスが終息して、また御縁があったらレッスンさせて頂きたいと思っています。その際はよろしくお願いします。
合唱団のみなさまがフェイスシールドを御用意されていたそうです。
私のレッスンのために御準備して頂いたことに感謝します。
でも私は、フェイスシールドをつけて練習するのはよくないと考えています。
合唱の際の感染防止にはあまり役に立たないようですし、自分の声がこもるので、折角のボイストレーニングの効果が出ないからです。
私が師事してきた先生方は「自分の声を聴くな」と言われました。
「自分の声を聴く感覚を変えなさい」ということです。
自分の声を聴いて内にこもらせていては、声が遠くに飛びません。
身体という楽器を響かせて声を飛ばすという感覚で歌い、聴くのは音程だけです。
そういう意味で、フェイスシールドは指導上邪魔なのです。
マスクも口の開け方等が見えなくなるので、ボイストレーニングには不適です。
マスクをしたり、フェイスシールドをしてナチュラルでない練習をして
、声を抑制する悪い癖がついたら、癖をとるのにものすごく時間がかかります。
各人考え方が異なると思いますが…
ボイストレーニングを始めるのにいい状態になってから、しっかり勉強する方が能率がいいと私は思っています。
声帯は壊れると決して元にもどらないので、私は声帯という楽器を一生大切に扱うことの方が大事だと思います。